私の若いころ小劇場の演劇ブームっていうのがあったような記憶がありましたね。。私はちょっと素通りしたくらいですから大きなことはいえませんが。
しかし、つかこうへいの芝居は2,3本みました。高田の馬場の線路沿いの東芸劇場って言ったかな。小っちゃい劇場でやってました。その後たくさんの小劇場の演出家や役者がテレビに登場したりして、ブームになったのではないでしょうか。今大活躍の宮藤官九郎や、阿部サダヲなんていうかたがたより少し上の世代でしょうか。
鴻上尚史っていう人については「最近よくNHKによく出るなァこの人。」ぐらいの印象しかもっていなかったのですが、英語についてのエッセイを本屋で見つけて立ち読みしましたら、ロンドンへ留学したことがあるとのことでした。一年間演劇のワークショップに参加するためにです。
言葉もままならない地で演劇のワークショップというのはさぞかし大変なっこったろう。ですね。ましてや日本での十分な地位や名声もあるお方です。その辺の若い人がのぼりに若さと書き掲げて、親のすねかじって行くのとはわけが違います。そのことを本にしたという「ロンドデイズ」
なるほどこの本を書いたことがNHKをはじめとするテレビの仕事へつながってるんだろうなと納得がいきました。
他の本で鴻上氏は「スピーチをするときに何を話すか考えるでしょう。しかしそれをどう表現するかということまでは残念ながらあまり考えられていませんね。もっと表現する方法を考えるとコミニケーションが、あるいはその人の人生が豊かなものになるでしょう。演劇のワークショップはそのためのいい練習になります。」というようなことをいってます。
この本では伝統あるイギリスの演劇の技術というのか考え方を分析していたり、あるいは俳優志望の若者たちとの交流が書かれていたりするわけですが、大人の演出家の視点で突っ込みをいれていくので深味があんです。
一つ一つ演劇を音楽を演奏することに置き換えて考えていくと面白い気づきが得られると思います。
芸術、表現などに携わる人、興味ある人にお勧めですね。あと英語学習に興味がある人にも。英語習得の「戦場にいるのだ。」とまで言っていましたから命がけの留学だったのでしょう。
NHKの「クールジャパン」が倍おもしろくなる。・・かな?