私が持っているマウリシオのレコード「ME」にTootsからのコメントがレコードジャケットの裏に乗っています。
簡単に意訳しますと。
トゥーツからマウリシオへ
マウリシオは長年ブラジルで演奏者として、作曲家として、重要な仕事をしてきました。
マウリシオと私は15年来のペンパルで1975年にはサンパウロジャズフェスティバルでデクスター・ゴードンや、B.B.キングと共演し楽しいひと時を過ごしました。(1985年当時)
マウリシオもクロマチックハーモニカの奏者ですが、二人ともその楽器について精通しているとは言えませんでした。クロマチックハーモニカは素晴らしい可能性を持つ楽器ですが、同時に「所詮おもちゃ」といったみかたをされる側面もあります。
私にアドバイスできることは、「サックスやバイオリンなど他の楽器をコピーする時ハーモニカにできること以上のことをやらせないようにすること。また他の楽器と比べて同じようにできないことを悲観してしまわないようにすること。」です。
クラシックの曲をハーモニカでプレーする者もいれば、ラリーアドラーのようにハーモニカのために作られた曲を演奏するプレイヤーもいます。
マウリシオはアドリブを流麗にプレーすることに一生懸命でした。それこそが私がジャズの中でやってきたことで同様に彼はブラジル音楽のなかでやってきたことでした。
マウリシオへの賛辞とともに、ハーモニカプレイヤーへ彼を紹介するようなメッセージですね。
ハーモニカには、他の楽器と比べて苦手な部分があり、無理をさせない方がよいとアドバイスしています。
トゥーツのアドバイスはハーモニカレビューでの西脇辰也氏との対談の中でもしていました。ハーモニカにとって難しいフレーズをそのままやる事は避けた方がよい。特性を生かしたフレーズを工夫しろ。ということでしょう。しかしトゥーツ自身は想像できないような挑戦の末行き着いた結論でしょう。安易に受け取っていいことでもないような気がしますが。
西脇辰也氏との対談でのトゥーツのアドバイス。