地球族日記

ものかきサーファー浅倉彩の日記

旅。

2011年11月08日 | お仕事日記
土地の魅力とは何だろうか。

その土地の土を踏んで、最初のひと呼吸で、わかること。
空気のあたたかみとしめりけ。風の匂い。鼓膜に届く震え。

その土地で初めて会った人々から、感じ取ること。
言葉のひびき。ほほえみの角度。人と人の、仲の良さ。

最初の食事。
最初の闇。
最初の酩酊。
最初の朝焼け。
最初の海。

どんなことでもいい。
それらのものたちに映る、その土地にしかない色。
その色彩は濃く鮮やかであるほどよい。

旅人はただ、濃く鮮やかな違いを追いかけて千里の道をゆく。
媚びずにただそこに或る、人の営みをそっと覗く、そのためだけに。
身の回りのものをひとまとめに鞄に詰め込み、
なにがしかの乗り物を予約して時間どおりに乗り込み、
自分という肉体と、ずっしりと肩に食い込む生活必需品の重さに耐えながら、
前へ、前へと進むのだ。

違いを知って、何になるのだろう。
意味などない。
けれど、どういうわけか、うれしいのだ。

10日ぶりにこの島に降り立ち、那覇空港のターミナルでなかなか来ないバスを待つ間、そんなことを考えていた。

沖縄は、やっぱり何かが違っている。
その違いが何なのか、の答えを、無意識が追いかけ始めているのを、
静かに感じている。今。
案外、長い付き合いになるかもしれない。

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