(274)甘やかな息の匂い
四百字詰原稿用紙換算枚10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあり季節は常に真夏である。
登場人物
リン・正雄(70)
170㎝。日台のハーフ。全白髪に近い、まだら白髪で口髭をたくわえた紳士然とした男前。
梅花(メイファ。50)
165㎝。リンの妻。髪をひっつめて後ろでお団子にした清楚な美人で二十五歳位に見える。
詠晴(ヨンチン。20)
175㎝。ひっつめ髪を後ろでお団子にした清楚な美女。リンの娘。
悪相の半ぐれC、D(各25)
N=ナレーション&呟き
並べて停めてあるアパッチとバーグマンの下部をアップで描いた絵に修一の声、
「お前ら、もうええ加減にしてくれんかのー」
C、Dの二人がジャンケンの態勢のまま脂汗を流して睨み合っている。
両手を腰に当てて呆れ、
修一「いつまで睨み合ってるつもりな?日が暮れるぞ」
イライラして、
修一(綾乃がパンツを履かずに待ってるのに、もうイライラするわー)
ついにブチ切れて、
修一「もうええっ!二人とも許しちゃるけん帰れ」と言われて二人が驚く。
信じられぬような顔で、
C 「ほ・・・ほんとに帰っていいんですか?・・・」
歓喜して、やや頭を下げて、
D 「これからは心を入れ替えてまっとうに生きていきますから」
修一「(冷たい表情で)無理じゃ」
修一「お前らの粗暴でアホな性格は生まれつきで一生直らん」
修一の言葉に戸惑いを見せる二人に、
修一「おう、俺の気が変わらんうちに早よいねや」
二人揃ってぺコンと頭を下げ、
D 「じ、じゃあ帰ります・・・」
C 「失礼します」
背を向けた二人に無表情で、
修一「達者での」
二人が車に乗り込むのを両親と残念そうに見ながら、
詠晴(こいつらを帰したらまた人に危害を加えるのに・・・)
注、アパッチとバーグマンはヤン車が走り去る方向に向いて停めてある
ヤン車が走り出すと同時にリンに振り向き、
修一「さてと」
修一「リンさん、ミサイルを撃ってみる?」
狂喜し、
リン「いっ、いいんですかっ?!」(私がミサイルを撃ちたがってたのを察して奴等を逃がしたのか)
ウルウル目で、
リン(うぐっ、なんて思いやりのある優しい人なんだ・・・)
訝し気に、
詠晴(ミサイルって何のこと?・・・)
アパッチの横で嬉々として修一のメットを被るリンに、
修一「もう発射の仕方は知っちょるよね?」
「はいっ!」と歓喜する夫を微笑ましげに見て、
梅花(あんなに子供のように喜んで、本当に武器や戦いが好きなのね・・・)
百m先を走るヤン車を見て、
リン「前方の車をロックオン!」と言うとメットの耳部に「ロックオンしました」と応答あり。
リン「発射!」と命令と同時にアパッチの前部から「シュパッ」とミサイルが発射された。
ヤン車内、Cが運転、Dは助手席で、
C 「(安堵し)あんな容赦ない奴が、まさか逃がしてくれるとは、案外いい奴なのかもな」
D 「(鼻で笑い)なに、詰めが甘いただのバカなんだよ」と言ってるリアガラス後方にミサイルが迫ってる。
くねりながらヤン車を追撃するミサイルを見て驚愕し、
詠晴(えええええーーっ!・・・)
詠晴の形良い太腿を後ろから煽って見た絵に彼女の呟き、
(岩城さんって・・・)
更に下着をズームした絵に呟き、
(いったい何者なの?・・・)
ミサイルがシュパッと命中する。
ヤン車が霧散したのを呆然と見て、
詠晴(うそ・・・)
ヤン車が霧散したのを惚れ惚れ見て、
リン(標的が蒸発して、一切残骸が残らないのがこのミサイルの素晴らしい所だな・・・)
腕組みして満足そうに向こうを見てる修一の横顔を見て、
詠晴(民間人があんなすごいミサイルをバイクに装備してるなんて、また謎が深まった・・・)
リンからメットを受け取りながら、
修一「これにて一件落着」
メットを被りながらアパッチに跨り、
修一「では俺はこれから約束があるので再見(ツアイチェン)」N『再見=さようなら』
三人が驚き、
リン「えっ、そんなことを言わずに、うちで晩御飯を食べていって下さいよ」
修一「気持ちは嬉しいけど約束は破れないので」と発進する。
走り去る修一を呆然と見て、
詠晴「はあーー・・・」と残念そうに深い溜息をつく。
上機嫌で運転しながら、
修一(♪綾乃がパンツを脱いでまっている~♪アソコを濡らしてまっている~♪)と歌を口ずさんでいる。
小さくなったアパッチを切なげに見て、
詠晴(初めて波長が合う人と出会えたのに、つれない人・・・)
切なげな表情で、
詠晴(こうなったらパパに岩城さんの住所を聞いて私から会いに行くしかないわ・・・)
晴天。修一宅の外観にN『翌日――』
同、室内
机上に置いてあるJBLのスピーカーから音楽♪が流れてる絵にN『小野リサの心地よいボサノバが流れているーー』
トランクス一枚の姿でベランダで洗濯物を干している修一を室内から見た絵。
バーグマン125のハンドルに取り付けたスマホのナビ画面のアップに「プルルルル」とエンジン音。
運転してる詠晴のスカートの奥に見えるTバックのアップに彼女の呟き、
「ナビではーー」
走行しながら建物を見回し、
詠晴「この辺のはずなんだけど・・・」
注、詠晴ノースリーブに超ミニ、踵の低いパンプス姿。メットから出た長い髪を風になびかせている。
洗濯物を手に持ったまま、向こうから詠晴が走って来るのに気づき、
修一(おや、あれはヨンチンか?)
ベランダから身を乗り出して笑顔で手を振り、
修一「おーい、ヨンチーン」
三階から手を振ってる修一に気づいて喜びを爆発させて手を振り返し、
詠晴「岩城さーん」(あれからネットで調べて彼の事はほぼ把握したけれど・・・)
駐輪場のアパッチの横にバーグマンが停めてある絵に詠晴のN『まさかこんな質素なアパートに住んでたとは・・・』
ガチャとドアを開けて優しい表情で、
修一「いらっしゃい、日本の道に慣れてないのによくきてくれたね」
注、詠晴は長い髪をひっつめて後ろで束ねている。
詠晴の尻を後ろから煽って下着がチラッと見える絵に彼女の声、
「普段運転マナーの悪い台北(タイペイ)で走り慣れてるから日本での運転なんか余裕よ」
優しい笑顔の修一に見惚れて頬を染め、
詠晴「突然お邪魔してごめんなさい」(この人こんな優しい笑顔をするんだ・・・)
修一「今日はまだ掃除機をかけてないから人を招き入れるのは恥ずかしいけど、ま、とにかく入って」
玄関に入った時、ふと、お香の匂いに気づき、
詠晴(かすかにお香の残り香がする。少し前に炊いたのかしら、シブい・・・)
玄関の方に向かってパンプスを脱ぐ足元の絵に詠晴のN『若いのにお香をたしなむなんて意外、この人の事をもっともっと知りたいーー』
台所の什器の絵に会話、
「すぐ飲み物を入れるけん椅子に掛けててね」
「はい」
椅子に掛け、何もない部屋を呆気にとられて見回し、
詠晴(こんなにスッカスカの物がない部屋はじめて見た・・・・・・)
詠晴(この人には物欲ってものがないのかしら・・・)
台所でポットの冷茶をグラスに注ぎながら、椅子に掛けた詠晴に、
修一「外はカンカン照りで暑かったろう、冷たいお茶でいいかね?」N『冷蔵庫には常に煮出した高山茶が冷やしてあった』
詠晴「はい、すみません」
机の上にグラスを置き、
修一「はいどうぞ。ヨンチンのお父さんが栽培したお茶でござる」
嬉しそうに、
詠晴「うちのお茶を飲んでくれてるの?」
グラスを持ってベッドに掛けながら、
修一「うん。老化予防のために毎日ね」
注、ここから詠晴はベッドに掛けた修一と向かい合って話す。
クスッと苦笑し、
詠晴「それをパパに言ったら喜ぶわ」と言う詠晴の口元に修一が顔を近づけてうっとり吐息を深く吸う。
訳が分からず頬を染めて、
詠晴「え・・・?」
うっとりして詠晴を見つめ、
修一「ヨンチンの息は甘やかないい匂いがするね」
修一「空気になってヨンチンの口の中に入りたいわ」
詠晴、頬を染めて「ズキューン」と胸を鳴らす。
惚れ惚れ修一を見つめ、
詠晴(なんて・・・)
スカートの奥に見える股間に食い込んだTバックのアップに詠晴の呟き、
(強烈で胸に響く言葉をさらりと言える人なんだろう・・・)
赤面して伏目がちに恥じらいながら、
詠晴「わたしの息をぜんぶ吸いこんで、あなたの望みどおりにして・・・」(その覚悟で来たから・・・)
つづく
四百字詰原稿用紙換算枚10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあり季節は常に真夏である。
登場人物
リン・正雄(70)
170㎝。日台のハーフ。全白髪に近い、まだら白髪で口髭をたくわえた紳士然とした男前。
梅花(メイファ。50)
165㎝。リンの妻。髪をひっつめて後ろでお団子にした清楚な美人で二十五歳位に見える。
詠晴(ヨンチン。20)
175㎝。ひっつめ髪を後ろでお団子にした清楚な美女。リンの娘。
悪相の半ぐれC、D(各25)
N=ナレーション&呟き
並べて停めてあるアパッチとバーグマンの下部をアップで描いた絵に修一の声、
「お前ら、もうええ加減にしてくれんかのー」
C、Dの二人がジャンケンの態勢のまま脂汗を流して睨み合っている。
両手を腰に当てて呆れ、
修一「いつまで睨み合ってるつもりな?日が暮れるぞ」
イライラして、
修一(綾乃がパンツを履かずに待ってるのに、もうイライラするわー)
ついにブチ切れて、
修一「もうええっ!二人とも許しちゃるけん帰れ」と言われて二人が驚く。
信じられぬような顔で、
C 「ほ・・・ほんとに帰っていいんですか?・・・」
歓喜して、やや頭を下げて、
D 「これからは心を入れ替えてまっとうに生きていきますから」
修一「(冷たい表情で)無理じゃ」
修一「お前らの粗暴でアホな性格は生まれつきで一生直らん」
修一の言葉に戸惑いを見せる二人に、
修一「おう、俺の気が変わらんうちに早よいねや」
二人揃ってぺコンと頭を下げ、
D 「じ、じゃあ帰ります・・・」
C 「失礼します」
背を向けた二人に無表情で、
修一「達者での」
二人が車に乗り込むのを両親と残念そうに見ながら、
詠晴(こいつらを帰したらまた人に危害を加えるのに・・・)
注、アパッチとバーグマンはヤン車が走り去る方向に向いて停めてある
ヤン車が走り出すと同時にリンに振り向き、
修一「さてと」
修一「リンさん、ミサイルを撃ってみる?」
狂喜し、
リン「いっ、いいんですかっ?!」(私がミサイルを撃ちたがってたのを察して奴等を逃がしたのか)
ウルウル目で、
リン(うぐっ、なんて思いやりのある優しい人なんだ・・・)
訝し気に、
詠晴(ミサイルって何のこと?・・・)
アパッチの横で嬉々として修一のメットを被るリンに、
修一「もう発射の仕方は知っちょるよね?」
「はいっ!」と歓喜する夫を微笑ましげに見て、
梅花(あんなに子供のように喜んで、本当に武器や戦いが好きなのね・・・)
百m先を走るヤン車を見て、
リン「前方の車をロックオン!」と言うとメットの耳部に「ロックオンしました」と応答あり。
リン「発射!」と命令と同時にアパッチの前部から「シュパッ」とミサイルが発射された。
ヤン車内、Cが運転、Dは助手席で、
C 「(安堵し)あんな容赦ない奴が、まさか逃がしてくれるとは、案外いい奴なのかもな」
D 「(鼻で笑い)なに、詰めが甘いただのバカなんだよ」と言ってるリアガラス後方にミサイルが迫ってる。
くねりながらヤン車を追撃するミサイルを見て驚愕し、
詠晴(えええええーーっ!・・・)
詠晴の形良い太腿を後ろから煽って見た絵に彼女の呟き、
(岩城さんって・・・)
更に下着をズームした絵に呟き、
(いったい何者なの?・・・)
ミサイルがシュパッと命中する。
ヤン車が霧散したのを呆然と見て、
詠晴(うそ・・・)
ヤン車が霧散したのを惚れ惚れ見て、
リン(標的が蒸発して、一切残骸が残らないのがこのミサイルの素晴らしい所だな・・・)
腕組みして満足そうに向こうを見てる修一の横顔を見て、
詠晴(民間人があんなすごいミサイルをバイクに装備してるなんて、また謎が深まった・・・)
リンからメットを受け取りながら、
修一「これにて一件落着」
メットを被りながらアパッチに跨り、
修一「では俺はこれから約束があるので再見(ツアイチェン)」N『再見=さようなら』
三人が驚き、
リン「えっ、そんなことを言わずに、うちで晩御飯を食べていって下さいよ」
修一「気持ちは嬉しいけど約束は破れないので」と発進する。
走り去る修一を呆然と見て、
詠晴「はあーー・・・」と残念そうに深い溜息をつく。
上機嫌で運転しながら、
修一(♪綾乃がパンツを脱いでまっている~♪アソコを濡らしてまっている~♪)と歌を口ずさんでいる。
小さくなったアパッチを切なげに見て、
詠晴(初めて波長が合う人と出会えたのに、つれない人・・・)
切なげな表情で、
詠晴(こうなったらパパに岩城さんの住所を聞いて私から会いに行くしかないわ・・・)
晴天。修一宅の外観にN『翌日――』
同、室内
机上に置いてあるJBLのスピーカーから音楽♪が流れてる絵にN『小野リサの心地よいボサノバが流れているーー』
トランクス一枚の姿でベランダで洗濯物を干している修一を室内から見た絵。
バーグマン125のハンドルに取り付けたスマホのナビ画面のアップに「プルルルル」とエンジン音。
運転してる詠晴のスカートの奥に見えるTバックのアップに彼女の呟き、
「ナビではーー」
走行しながら建物を見回し、
詠晴「この辺のはずなんだけど・・・」
注、詠晴ノースリーブに超ミニ、踵の低いパンプス姿。メットから出た長い髪を風になびかせている。
洗濯物を手に持ったまま、向こうから詠晴が走って来るのに気づき、
修一(おや、あれはヨンチンか?)
ベランダから身を乗り出して笑顔で手を振り、
修一「おーい、ヨンチーン」
三階から手を振ってる修一に気づいて喜びを爆発させて手を振り返し、
詠晴「岩城さーん」(あれからネットで調べて彼の事はほぼ把握したけれど・・・)
駐輪場のアパッチの横にバーグマンが停めてある絵に詠晴のN『まさかこんな質素なアパートに住んでたとは・・・』
ガチャとドアを開けて優しい表情で、
修一「いらっしゃい、日本の道に慣れてないのによくきてくれたね」
注、詠晴は長い髪をひっつめて後ろで束ねている。
詠晴の尻を後ろから煽って下着がチラッと見える絵に彼女の声、
「普段運転マナーの悪い台北(タイペイ)で走り慣れてるから日本での運転なんか余裕よ」
優しい笑顔の修一に見惚れて頬を染め、
詠晴「突然お邪魔してごめんなさい」(この人こんな優しい笑顔をするんだ・・・)
修一「今日はまだ掃除機をかけてないから人を招き入れるのは恥ずかしいけど、ま、とにかく入って」
玄関に入った時、ふと、お香の匂いに気づき、
詠晴(かすかにお香の残り香がする。少し前に炊いたのかしら、シブい・・・)
玄関の方に向かってパンプスを脱ぐ足元の絵に詠晴のN『若いのにお香をたしなむなんて意外、この人の事をもっともっと知りたいーー』
台所の什器の絵に会話、
「すぐ飲み物を入れるけん椅子に掛けててね」
「はい」
椅子に掛け、何もない部屋を呆気にとられて見回し、
詠晴(こんなにスッカスカの物がない部屋はじめて見た・・・・・・)
詠晴(この人には物欲ってものがないのかしら・・・)
台所でポットの冷茶をグラスに注ぎながら、椅子に掛けた詠晴に、
修一「外はカンカン照りで暑かったろう、冷たいお茶でいいかね?」N『冷蔵庫には常に煮出した高山茶が冷やしてあった』
詠晴「はい、すみません」
机の上にグラスを置き、
修一「はいどうぞ。ヨンチンのお父さんが栽培したお茶でござる」
嬉しそうに、
詠晴「うちのお茶を飲んでくれてるの?」
グラスを持ってベッドに掛けながら、
修一「うん。老化予防のために毎日ね」
注、ここから詠晴はベッドに掛けた修一と向かい合って話す。
クスッと苦笑し、
詠晴「それをパパに言ったら喜ぶわ」と言う詠晴の口元に修一が顔を近づけてうっとり吐息を深く吸う。
訳が分からず頬を染めて、
詠晴「え・・・?」
うっとりして詠晴を見つめ、
修一「ヨンチンの息は甘やかないい匂いがするね」
修一「空気になってヨンチンの口の中に入りたいわ」
詠晴、頬を染めて「ズキューン」と胸を鳴らす。
惚れ惚れ修一を見つめ、
詠晴(なんて・・・)
スカートの奥に見える股間に食い込んだTバックのアップに詠晴の呟き、
(強烈で胸に響く言葉をさらりと言える人なんだろう・・・)
赤面して伏目がちに恥じらいながら、
詠晴「わたしの息をぜんぶ吸いこんで、あなたの望みどおりにして・・・」(その覚悟で来たから・・・)
つづく
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