冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

Jazz現代の名盤 その48

2011-12-04 20:59:31 | 息抜き
週末息抜きシリーズ。今日はホーンを書きます。
このシリーズ、一応50回でやめようと思うのであと3回しか書くことができないのですが、私がJazzを聞くきっかけとなったこの人のアルバムをもう1枚。

Metamorphosen。変身ってことですかね。英語のMetamorphosisのドイツ語っぽいですが。
でも、内容は変身というよりは10年間カルテットを組んできたこのバンドのまとまりのよさを示した作品。
Branfordの作曲とMonkの曲がそれぞれ1曲ずつで、あとはバンドの各メンバーが2~3曲ずつ作曲しています。

1曲目は現代ジャズドラムの巨人であり、バンドの屋台骨を支えてきたJeff "Tain" Wattsの作品。1曲目に相応しい躍動感あるナンバー。バンドの演奏力と即興性がいかんなく発揮されます。
Branfordは3曲目の"Jabberwocky"を作曲。これはファンタジーの怪物の名前ですが、恐ろしい化け物というより捉えどころなく変化し続ける生命体のようなものをイメージさせる曲。明るい感じながら複雑で、これも即興性十分。
聞きどころは8曲目の"And Then, He Was Gone"から9曲目の"Samo"に至るアルバムの終盤戦。
それぞれベースのEric RevisとドラムのWattsの作品で、リズムが素晴らしいのは言うに及ばず。それが徐々に盛り上がりを見せながら、ピアノとサックスの聞き応えあるメロディを纏いつつ展開。この物語の展開は確かにMetamorphosisかもしれないですな。若いころのやんちゃぶりとは異なるものの、Branfordの激しい演奏も入ってくる。

昨今のピアノトリオ優勢の業界状況では、どうしても手持ちのCDもピアノのアルバムが多くなってしまう訳ですが、やはりホーン、特にアメリカのホーンはJazzらしくてよろしい。
Jazzに期待するパワーやグルーヴ感、即興性、リズムなどが素直に出てくる。
ピアノにしたって、ホーンと競演しているものの方が面白いと思わせられることもしばしば。

とろで、Branford Marsalisのアルバムは多いので、どれを取り上げるのかは迷うところ。
例えば、バラードの名盤とされる"Eternal"は私にとってはちょっと退屈だし、何よりこのアルバムの2曲目の"The Blossom of Painting"と7曲目の"The Last Goodbye"の2曲が十分よいバラードになっている。両方ともピアノのJoey Calderazzoの作品。
あるいは、88年の発表の作品で、その前年に東京でレコーディングされた"Random Abstract"は若いときのBranfordの野心的でパワーのあふれる名盤。でも、少し古い。
個人的によく聞いた"The Dark Keys"は、個人の好みが優先している感じで名盤リストには入れにくい。

まあ、こうやって考えると、自分の好みが自分で分かってきて、それはそれで意味あることですな。

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冷たい風のような火を燃やすものたち