冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

Jazz現代の名盤 その15

2011-04-10 14:33:54 | 息抜き
今週は北欧のピアノトリオに回帰。
と言ってもただの綺麗なジャズではない。機械的なサウンドとジャズのグルーヴ感が融合された前衛的なトリオです。

Strange Place for Snow。エスビョン・スベンソン・トリオ。いかにもスウェーデンなお名前。

リーダーのスベンソンは2008年にダイビング中の事故で40代の若さで世を去りました。
非常に残念。この才能があまりに早く旅立ってしまったことを嘆く文章はネット上でもよく見られました。

このトリオの素晴らしいところは、往々にしてちゃちな失敗に終わってしまいがちな、エレキトリックな楽器の音とジャズの融合を綺麗な形でできるところでしょう。
軸足をジャズに置きながらシンセサイザーを活用すると言う姿勢が明確なせいでしょうか、ジャズ的な即興性も毒もたっぷりで楽しめます。
また、アマゾンの英語の解説にもありますが、ピアノ、ベースとドラムのそれぞれが自分の役割をこなしながら非常に存在感があります。
リーダーのスベンソンがどんどん引っ張るのではなく、リズムの主張が比較的強い中で3者がうまく協調できている感じです。
90年代の終わりから2000年代には結構多作だったのでいろんなアルバムが手に入ると思いますが、前衛性と安定性が両方特に感じられるのがこの作品だったと思います。

それにしても、15週に渡って1つずつアルバムについて書いていくと、自分のちょっとした歴史を刻んでいくようで悪くないですな。
このCDをよく聴いていたときはこういうことを考えながらあんな生活をしていたなあ、と思い出すので。