8月4日に折立の登山口から入山し、7日に立山室堂に至る縦走をしました。東京に帰るバスの予約が8日になってしまったので、合計4泊の旅です。昨年の南アルプス縦走と同じです、が、それに比べると一日の行動時間は短めで、比較的余裕のある旅です。
今回の縦走のポイントは:
1) 3泊以上でそれなりに長く山を楽しむことができる山域である
2) 一日に8時間以上、場合によっては10時間とかいう行動時間は避けられるため、天気さえ良ければ余裕を持って山歩きを楽しめる
3) 時期的にお花が綺麗である
4) (折立から薬師岳を除いて)行ったことのない山域に挑戦する
ということですが、ルート上にある五色ヶ原に特に行ってみたかったというのもあります。2015年の夏に針ノ木岳から黒部湖越しに眺めた五色ヶ原の湿原がパラダイス感に溢れている感じだったので、行ってみたいと思っていました。それに、チングルマの大群落があるらしいのですが、普通は夏山最盛期までに多くが花から穂に変わってしまいます。が、今年は残雪が多かった影響で8月に入ってもチングルマの花が本番状態ということで、雲上のパラダイスの完璧な姿を楽しむことができると思ったからです。五色ヶ原側から針ノ木岳を見るのも楽しみ。
なお、テント場各駅停車というのは、このルート上にあるテント場にすべて泊まることを意味します。具体的には、薬師峠、スゴ乗越、五色ヶ原、立山室堂(雷鳥沢)です。頑張れば、初日にスゴ乗越まで、あるいは二日目に薬師峠から五色ヶ原まで行くこともできたでしょう。が、それでは夜明け前のヘッデンタイムにお花を無視して進むことにもなるし、楽しくなさそうなのです。まあ、楽しむのが第一です。早く歩く、遠くまで行くことを重視していません。
で、山行のまとめ的な写真を数枚先に上げておきましょう。
さて、8月3日の深夜、毎日アルペン号に乗って折立を目指します。新幹線が開通したとは言っても、東京からは遠い富山県。お値段も12,000円という。。。まあ、新幹線使ったりすると、それだけじゃなくて路線バスの料金も発生するから結局夜行で時間を有効に使う意味でもこのバスを利用しがちです。白馬岳方面に行くバスは大型で快適そうでしたが、折立行きのバスは25人乗りくらいの中型でした。これも、まあしょうがない。
有峰林道は通行規制があるので、折立の登山口に着くのは6:40くらいです。既に多くの登山者がいました。ツアー参加の方々が多いようです。また、関西方面からの来ていると思われる人が多いのもの特徴。薬師岳を含む立山連峰は、関西からの方がアクセスがいいと思われます。逆に、鹿島槍ヶ岳などの後立山連峰は東京寄り。
さて、登山開始から暫くは樹林帯の急登です。4泊分の食料を含む17.5㎏ほどのテント泊装備を背負っていますから、序盤から汗が吹き出す苦行を強いられます。この時点では目立った花も少ないし。アカモノは既に花が終わっていて、その名の由来となる赤い実を付けていました。
折立からの道に多いのは、このミヤマママコナ。紫の比較的地味な花です。
樹林帯は急坂なので、ベンチの設置なども特になく休憩ポイントは少ないです。そんな中、登山ブログなどによく出てくるアラレちゃんのチェックポイントは、比較的道幅も広くなっていて平らなのでザックを下すこともできます。
樹林帯は90分弱で抜けます。北アルプスの豪雪地帯らしい森林限界の低さ&高層湿原の存在が薬師岳の特徴ですね。ありがたい。ここからは高い木がほとんどなくなり、左手に薬師岳を見ながらの道になります。その前に小休止。水分補給しないと。
昨年の南ア縦走は一日の行動時間が長く、そのためかザックやシューズなどへの感謝の念も強まり、ザックなどをを対象に写真を撮りまくっていました。しかし、今回は5~6時間の行動時間の日ばかりなのでそういう感じにはならず。その意味では貴重なザック写真だ。それはともかく、高曇りっぽいですが薬師岳方面は今のところよく見えます。
高層湿原と言えば、昨年は尾瀬に2度足を運びました。もちろん、この登山道脇の湿原は尾瀬ヶ原のような規模ではありませんが、遠くに有峰湖が見えたりしてそれはそれで楽しい。
お花は尾瀬に似ていて、贔屓のキンコウカやタテヤマリンドウが多かったです。キンコウカは嬉しい。
タテヤマリンドウは、その名の通りこの後立山までの縦走路でずっと出てくるのですが、薬師岳の特徴としては白花のタテヤマリンドウが非常に多いことですね。半分くらいは白花じゃないかな。縦走して越中沢岳とかに入ると、もう白花は出てこないんですけど。その他にも、引き続きミヤマママコナとかイワイチョウが多く出てきます。イワイチョウは終盤だったのかな。個体数が多かったので全体的には目立っていました。チングルマは、標高の低いこの辺りでは既に穂になっていました。
道は非常によく整備されているのですが、こういう石って意外と足の置き場的に疲れる。
あと、登山者が多いせいだと思うのですが、登山道の中央を通らないで脇をどんどん侵食してしまう人がいるのは問題だと思います。確かに中央部がえぐれていたりして歩きにくいところもあるのだけれど、それを理由に脇に広がると結果として登山道が広がり、自然が侵食されるので。既に登山道が広がっているように見えるところも多いのですが、元々の登山道と思われる中央部分を皆が歩くようにした方がいいとは思います。まあ、限界あるけどね。大勢が入山する百名山とかだと。
天気は基本的に晴れなのですが、夏雲が徐々に上がってきているのが気になる。
黙々と歩みを進めますが、やはりお花は気になる。特に、キンコウカの大群落があったので、これには足を止めざるを得ません。
そしてワタスゲも登場。今年はタイミングを外していて、ポワポワメルヘンのワタスゲは縁がないと思っていただけに、ここでの思わぬ出会いは嬉しい。
それにしても、森林限界抜けてからが意外と長い。まあ、5時間のコースタイムというのは盛り過ぎですけどね。3時間半から4時間で着くんじゃないかな。太郎平まで。
お花は、アキノキリンソウやニッコウキスゲも出てきます。タテヤマリンドウも、ブルーの鮮やかなものがまとまって出てくるようになりました。タテヤマリンドウは小さめの群落を作りがちなので、家族が固まっているような感じで可愛いと思います。
これから先の道がずっと見えているというのも、なかなか目的地に着かない時は厳しいものがある。
お花的には、オトギリソウやヨツバシオガマ、タカネニガナなど種類が増えてきます。
そうは言っても頑張っていると何時かは到着するのが登山のいいところ。太郎平に到着。2年ぶりです。早速CCレモンを購入しました。暑かったから。
雲は出ていますが、雲の平や水晶岳方面はそれなりに見渡せます。
薬師岳方面は絶望的かな。まあ、この日の予定はもうテントを張るだけ。余裕を見て薬師岳とは反対の北ノ股岳方面のお花畑を見に行くつもりですが、薬師岳を登って本格的な縦走を始めるのは翌日からの予定。今回は無理はしないのです。
テント場は、太郎平から20分くらい歩いた薬師峠というところにあります。
このテント場の強みは何といっても水場でしょう。豊富な水量。そして美味しい水です。ちなみに、併設されているトイレもテント場としてはかなり綺麗です。
さて、テントを設営したら12時少し前に北ノ股岳に出発です。
隣のテントは若いソロ男性だったのですが、この方は翌日から黒部五郎岳方面に縦走とのことで、この日は薬師岳に向かわれました。テント場から向かう方向は逆ですが、それぞれお天気はどうでしょうか。
太郎平の山小屋の周囲はお花畑で、多くの種類の花が混在していて見事です。
ちょっと歩くと、太郎山という小ピークに着きます。この辺りもお花は多く、楽しいです。と、ウサギギクがまとまって咲いている所に高山蝶がやって来ました。ミヤマモンキチョウのようです。珍しいと聞いていた種類なので、焦って写真を撮ります。
あー、全然ピントが合っていない。そして蝶はひらひらと優雅に飛び去ってしまいました。うーん、残念。まあ、肉眼ではしっかり見た。
お花は、相変わらずタテヤマリンドウ、タカネニガナ、エゾシオガマなどが数多く咲いています。
ちょっと下ってから北ノ股岳に登り返します。左手を見ると水晶岳、ワリモ岳、鷲羽岳の大きな稜線が、雲の平の向こうに見えます。雲の平の右側の盛り上がりは祖母岳かな。
まあ、かなり雲が出ているので絵的にはちょっと残念ですが、ハイキング中はそれなりに景色を楽しんでいます。湿原があるのでお花も次々に出てくるし。
チングルマ君。この標高だと花が残っているものも結構あります。
ポワポワのワタスゲも。
イワイチョウは多かったです。これまではあまり見たことがなかったのですが、十分取り返した。完全に咲き切ったものより、咲き始めの方が上品な感じだとは思います。あと、これまでは花の落ちた後のイワイチョウの葉をよく見ていました。おそらく、イワイチョウと同じ場所にハクサンコザクラも咲くところが多いのだと思います。そして、ハクサンコザクラの花が咲く時には大きめのイワイチョウの葉が目立つ(花は落ちている)という状態が多く、そのためイワイチョウの葉とハクサンコザクラの葉を誤解しがちでした。今回イワイチョウをよく観察できたのでこの2つを見間違うことはないでしょう。まあ、実際には全然違う葉の形なのだが。
北ノ股岳への道は中央部がかなりえぐれてしまっていて歩きにくく、さらにお花や風景を楽しみながらのゆっくりお散歩なのでコースタイムと比較するとだいぶ時間を取っています。2時までは歩いて、その後戻れば太郎平小屋に3時には着けるだろうと思っていました。で、急な坂を登り切ってそろそろ山頂かと思ったら、何とその向こうに本体が。2年前に来た時の記憶は薄れていて、すっかり騙されました。まあ、あと15~20分くらいの道のりに見えましたが、ガスがかかったり切れたりという感じだし、展望は今いる小ピークからのものとそれほど変わらないでしょう。ということで、2時少し前にお散歩終了。小ピークからの景色を楽しみます。
とは言っても、主だった黒部の山々はことごとく山頂付近が雲の中。唯一雲から出ている赤牛岳にズームです。いつ見てもでっかい山ですね。
私のイメージでは、黒部の主はこの赤牛岳です。双璧で水晶岳。赤と黒で色も対照的。薬師岳はカールのイメージが女性的なビッグマザーで、鷲羽岳は端正な正統派のやや冷たいキャラ。それに対して黒部五郎岳は特徴的な風貌を持つ好青年のイメージ。
さて、太郎平方面に戻ります。こちらも夏雲がどんどん上がっている。こりゃ、夕方前に一雨あるかも。
と、ここで人生初ムシトリスミレ。尾瀬でも早池峰でも谷川岳でも見逃していましたが、ここで登場とは。そして、蝶のように動かないはずなのになぜかこの写真もピントがずれているという。。。
戻る途中、水晶岳の上の雲が切れました。岩岩しくて男性的、それでいてシャープな山ですね。今まで、後立山連峰の各山頂や穂高岳などからその姿を何度も見ていますが、登頂する機会に恵まれていません。ある種憧れの山です。
太郎平に戻ると、積乱雲のような雲も出てきていました。
で、テントに戻ってまったり。隣の青年も戻ってきましたが、やはり薬師岳山頂はガスガスまっ白だったようです。お互い翌日以降の好天に期待です。
夕食は、定番のレトルトカレー&ミニトマト+中華卵スープでそれなりに美味しく栄養を補給です。
心配したとおり、6時頃からパラパラと雨が降ってきました。それ程ひどい降り方ではなかったので、耳栓をして早めに就寝です。翌日は日の出が4:40くらいということで、山に囲まれたこのエリアが十分明るくなるのは5時前後かな。それくらいに出発のつもりで3時半頃に起きる予定です。縦走レポートは次回以降に。
今回の縦走のポイントは:
1) 3泊以上でそれなりに長く山を楽しむことができる山域である
2) 一日に8時間以上、場合によっては10時間とかいう行動時間は避けられるため、天気さえ良ければ余裕を持って山歩きを楽しめる
3) 時期的にお花が綺麗である
4) (折立から薬師岳を除いて)行ったことのない山域に挑戦する
ということですが、ルート上にある五色ヶ原に特に行ってみたかったというのもあります。2015年の夏に針ノ木岳から黒部湖越しに眺めた五色ヶ原の湿原がパラダイス感に溢れている感じだったので、行ってみたいと思っていました。それに、チングルマの大群落があるらしいのですが、普通は夏山最盛期までに多くが花から穂に変わってしまいます。が、今年は残雪が多かった影響で8月に入ってもチングルマの花が本番状態ということで、雲上のパラダイスの完璧な姿を楽しむことができると思ったからです。五色ヶ原側から針ノ木岳を見るのも楽しみ。
なお、テント場各駅停車というのは、このルート上にあるテント場にすべて泊まることを意味します。具体的には、薬師峠、スゴ乗越、五色ヶ原、立山室堂(雷鳥沢)です。頑張れば、初日にスゴ乗越まで、あるいは二日目に薬師峠から五色ヶ原まで行くこともできたでしょう。が、それでは夜明け前のヘッデンタイムにお花を無視して進むことにもなるし、楽しくなさそうなのです。まあ、楽しむのが第一です。早く歩く、遠くまで行くことを重視していません。
で、山行のまとめ的な写真を数枚先に上げておきましょう。
さて、8月3日の深夜、毎日アルペン号に乗って折立を目指します。新幹線が開通したとは言っても、東京からは遠い富山県。お値段も12,000円という。。。まあ、新幹線使ったりすると、それだけじゃなくて路線バスの料金も発生するから結局夜行で時間を有効に使う意味でもこのバスを利用しがちです。白馬岳方面に行くバスは大型で快適そうでしたが、折立行きのバスは25人乗りくらいの中型でした。これも、まあしょうがない。
有峰林道は通行規制があるので、折立の登山口に着くのは6:40くらいです。既に多くの登山者がいました。ツアー参加の方々が多いようです。また、関西方面からの来ていると思われる人が多いのもの特徴。薬師岳を含む立山連峰は、関西からの方がアクセスがいいと思われます。逆に、鹿島槍ヶ岳などの後立山連峰は東京寄り。
さて、登山開始から暫くは樹林帯の急登です。4泊分の食料を含む17.5㎏ほどのテント泊装備を背負っていますから、序盤から汗が吹き出す苦行を強いられます。この時点では目立った花も少ないし。アカモノは既に花が終わっていて、その名の由来となる赤い実を付けていました。
折立からの道に多いのは、このミヤマママコナ。紫の比較的地味な花です。
樹林帯は急坂なので、ベンチの設置なども特になく休憩ポイントは少ないです。そんな中、登山ブログなどによく出てくるアラレちゃんのチェックポイントは、比較的道幅も広くなっていて平らなのでザックを下すこともできます。
樹林帯は90分弱で抜けます。北アルプスの豪雪地帯らしい森林限界の低さ&高層湿原の存在が薬師岳の特徴ですね。ありがたい。ここからは高い木がほとんどなくなり、左手に薬師岳を見ながらの道になります。その前に小休止。水分補給しないと。
昨年の南ア縦走は一日の行動時間が長く、そのためかザックやシューズなどへの感謝の念も強まり、ザックなどをを対象に写真を撮りまくっていました。しかし、今回は5~6時間の行動時間の日ばかりなのでそういう感じにはならず。その意味では貴重なザック写真だ。それはともかく、高曇りっぽいですが薬師岳方面は今のところよく見えます。
高層湿原と言えば、昨年は尾瀬に2度足を運びました。もちろん、この登山道脇の湿原は尾瀬ヶ原のような規模ではありませんが、遠くに有峰湖が見えたりしてそれはそれで楽しい。
お花は尾瀬に似ていて、贔屓のキンコウカやタテヤマリンドウが多かったです。キンコウカは嬉しい。
タテヤマリンドウは、その名の通りこの後立山までの縦走路でずっと出てくるのですが、薬師岳の特徴としては白花のタテヤマリンドウが非常に多いことですね。半分くらいは白花じゃないかな。縦走して越中沢岳とかに入ると、もう白花は出てこないんですけど。その他にも、引き続きミヤマママコナとかイワイチョウが多く出てきます。イワイチョウは終盤だったのかな。個体数が多かったので全体的には目立っていました。チングルマは、標高の低いこの辺りでは既に穂になっていました。
道は非常によく整備されているのですが、こういう石って意外と足の置き場的に疲れる。
あと、登山者が多いせいだと思うのですが、登山道の中央を通らないで脇をどんどん侵食してしまう人がいるのは問題だと思います。確かに中央部がえぐれていたりして歩きにくいところもあるのだけれど、それを理由に脇に広がると結果として登山道が広がり、自然が侵食されるので。既に登山道が広がっているように見えるところも多いのですが、元々の登山道と思われる中央部分を皆が歩くようにした方がいいとは思います。まあ、限界あるけどね。大勢が入山する百名山とかだと。
天気は基本的に晴れなのですが、夏雲が徐々に上がってきているのが気になる。
黙々と歩みを進めますが、やはりお花は気になる。特に、キンコウカの大群落があったので、これには足を止めざるを得ません。
そしてワタスゲも登場。今年はタイミングを外していて、ポワポワメルヘンのワタスゲは縁がないと思っていただけに、ここでの思わぬ出会いは嬉しい。
それにしても、森林限界抜けてからが意外と長い。まあ、5時間のコースタイムというのは盛り過ぎですけどね。3時間半から4時間で着くんじゃないかな。太郎平まで。
お花は、アキノキリンソウやニッコウキスゲも出てきます。タテヤマリンドウも、ブルーの鮮やかなものがまとまって出てくるようになりました。タテヤマリンドウは小さめの群落を作りがちなので、家族が固まっているような感じで可愛いと思います。
これから先の道がずっと見えているというのも、なかなか目的地に着かない時は厳しいものがある。
お花的には、オトギリソウやヨツバシオガマ、タカネニガナなど種類が増えてきます。
そうは言っても頑張っていると何時かは到着するのが登山のいいところ。太郎平に到着。2年ぶりです。早速CCレモンを購入しました。暑かったから。
雲は出ていますが、雲の平や水晶岳方面はそれなりに見渡せます。
薬師岳方面は絶望的かな。まあ、この日の予定はもうテントを張るだけ。余裕を見て薬師岳とは反対の北ノ股岳方面のお花畑を見に行くつもりですが、薬師岳を登って本格的な縦走を始めるのは翌日からの予定。今回は無理はしないのです。
テント場は、太郎平から20分くらい歩いた薬師峠というところにあります。
このテント場の強みは何といっても水場でしょう。豊富な水量。そして美味しい水です。ちなみに、併設されているトイレもテント場としてはかなり綺麗です。
さて、テントを設営したら12時少し前に北ノ股岳に出発です。
隣のテントは若いソロ男性だったのですが、この方は翌日から黒部五郎岳方面に縦走とのことで、この日は薬師岳に向かわれました。テント場から向かう方向は逆ですが、それぞれお天気はどうでしょうか。
太郎平の山小屋の周囲はお花畑で、多くの種類の花が混在していて見事です。
ちょっと歩くと、太郎山という小ピークに着きます。この辺りもお花は多く、楽しいです。と、ウサギギクがまとまって咲いている所に高山蝶がやって来ました。ミヤマモンキチョウのようです。珍しいと聞いていた種類なので、焦って写真を撮ります。
あー、全然ピントが合っていない。そして蝶はひらひらと優雅に飛び去ってしまいました。うーん、残念。まあ、肉眼ではしっかり見た。
お花は、相変わらずタテヤマリンドウ、タカネニガナ、エゾシオガマなどが数多く咲いています。
ちょっと下ってから北ノ股岳に登り返します。左手を見ると水晶岳、ワリモ岳、鷲羽岳の大きな稜線が、雲の平の向こうに見えます。雲の平の右側の盛り上がりは祖母岳かな。
まあ、かなり雲が出ているので絵的にはちょっと残念ですが、ハイキング中はそれなりに景色を楽しんでいます。湿原があるのでお花も次々に出てくるし。
チングルマ君。この標高だと花が残っているものも結構あります。
ポワポワのワタスゲも。
イワイチョウは多かったです。これまではあまり見たことがなかったのですが、十分取り返した。完全に咲き切ったものより、咲き始めの方が上品な感じだとは思います。あと、これまでは花の落ちた後のイワイチョウの葉をよく見ていました。おそらく、イワイチョウと同じ場所にハクサンコザクラも咲くところが多いのだと思います。そして、ハクサンコザクラの花が咲く時には大きめのイワイチョウの葉が目立つ(花は落ちている)という状態が多く、そのためイワイチョウの葉とハクサンコザクラの葉を誤解しがちでした。今回イワイチョウをよく観察できたのでこの2つを見間違うことはないでしょう。まあ、実際には全然違う葉の形なのだが。
北ノ股岳への道は中央部がかなりえぐれてしまっていて歩きにくく、さらにお花や風景を楽しみながらのゆっくりお散歩なのでコースタイムと比較するとだいぶ時間を取っています。2時までは歩いて、その後戻れば太郎平小屋に3時には着けるだろうと思っていました。で、急な坂を登り切ってそろそろ山頂かと思ったら、何とその向こうに本体が。2年前に来た時の記憶は薄れていて、すっかり騙されました。まあ、あと15~20分くらいの道のりに見えましたが、ガスがかかったり切れたりという感じだし、展望は今いる小ピークからのものとそれほど変わらないでしょう。ということで、2時少し前にお散歩終了。小ピークからの景色を楽しみます。
とは言っても、主だった黒部の山々はことごとく山頂付近が雲の中。唯一雲から出ている赤牛岳にズームです。いつ見てもでっかい山ですね。
私のイメージでは、黒部の主はこの赤牛岳です。双璧で水晶岳。赤と黒で色も対照的。薬師岳はカールのイメージが女性的なビッグマザーで、鷲羽岳は端正な正統派のやや冷たいキャラ。それに対して黒部五郎岳は特徴的な風貌を持つ好青年のイメージ。
さて、太郎平方面に戻ります。こちらも夏雲がどんどん上がっている。こりゃ、夕方前に一雨あるかも。
と、ここで人生初ムシトリスミレ。尾瀬でも早池峰でも谷川岳でも見逃していましたが、ここで登場とは。そして、蝶のように動かないはずなのになぜかこの写真もピントがずれているという。。。
戻る途中、水晶岳の上の雲が切れました。岩岩しくて男性的、それでいてシャープな山ですね。今まで、後立山連峰の各山頂や穂高岳などからその姿を何度も見ていますが、登頂する機会に恵まれていません。ある種憧れの山です。
太郎平に戻ると、積乱雲のような雲も出てきていました。
で、テントに戻ってまったり。隣の青年も戻ってきましたが、やはり薬師岳山頂はガスガスまっ白だったようです。お互い翌日以降の好天に期待です。
夕食は、定番のレトルトカレー&ミニトマト+中華卵スープでそれなりに美味しく栄養を補給です。
心配したとおり、6時頃からパラパラと雨が降ってきました。それ程ひどい降り方ではなかったので、耳栓をして早めに就寝です。翌日は日の出が4:40くらいということで、山に囲まれたこのエリアが十分明るくなるのは5時前後かな。それくらいに出発のつもりで3時半頃に起きる予定です。縦走レポートは次回以降に。