家庭不和のイライラがつのり、透析を拒否してしまったトシオさん。
我侭です。
迷惑です。
命知らずです。
それでもこのまま放置するワケにはいきません。
連絡を受けた私は、すぐさま師長室に飛んでいきました。
とにかく私からもトシオさんを説得したいと思うがどうしたらいいだろうかと相談に行ったのです。
クリニックが受けたトシオさんからの苦情は、
・送迎時間が早いので朝飯が食べられない
ということでしたが、森師長がおっしゃるにはもっと他にも理由があるそうで。
「トシオさんは透析開始から毎日3,4回、クリニックに電話をかけてきてました。それがねえ、どうでもいいようなことなんですよ。明日は誰が自分にハリを刺すのかとか、クリニックで出る食事がどうとか、そんなことばかり。
トシオさんから電話があったときに私たちナースが穿刺でバタバタしているときには電話を保留にして待ってもらったりしたこともありますが、そのときトシオさんから患者を待たすなと叱られたりもしましたよ。
でも、私たちとしてはトシオさんに対してもどの患者さんに対しても、同じように丁寧に対応しているつもりですし、最初にここで透析開始になるときに何度も説明したように、理由なく透析を拒否するような患者さんはうちでの透析をお受け出来ないと言ったとおり、トシオさんにはもう他所にいっていただきます」
それでもなんとか、それはマズいでしょうという事務長のとりなしもあり、
昼の透析までに自分で来て、トシオさんが謝罪すれば継続してもいい
とのお言葉をいただきました。
事務長はあとで
「私としては、患者が医療機関に謝罪しなくてはならないなんてことがあるとは思えないので、いくら我侭な患者さんでも謝罪って言葉はちょっとね…」
とおっしゃってましたが、森師長は患者さんや関係者に謝らせるのが何よりも大好きな方なので…。
「そこまで徹底するからこそこのクリニックは秩序が保たれているのです」
とは師長のお言葉です。
それからトシオさんに電話して説得です。
もともとクリニックの透析患者送迎は無償でやっていることですから、送迎の時間がお気に召さなければ介護タクシーを組みますよ、と。
そしたらトシオさん、
「そもそも自分のヨメが朝飯を作らないことが原因なのじゃい!ハリケンさん、もう我慢できんのじゃい、なんとかしてヘルパーさんを使えるようにしてくれなければ、ワシは透析が出来なくなって死ぬんじゃい!」
トシオさん、何度も言ったでしょう、同居家族がいる御宅に生活援助は入れられないんですよ。
「だったらどうするんじゃい!」
朝の透析が時間が早すぎるのなら、お昼の透析に変えたらどうですか?
「たとえ昼の透析にしても、リリーがメシを作ってくれないからどうしようもないんじゃい!どうしてもヘルパーさんが必要なんじゃい!!」
…
わかりましたトシオさん、では、トシオさんからナマホのワーカーさんに現状を説明して下さい。
そして保険者がトシオさんの事情を認めてくれて、ヘルパーを入れてもいいと判断されれば、すぐにヘルパーさんを組みましょう!
そしてトシオさんはすぐにナマホ課のワーカーに電話し、リリーさんが夜の仕事をしていることだけ隠して、ヘルパーさんが欲しいと訴えました。
どうなったと思います?
なんとナマホのワーカーから
ヘルパー利用可
というお答えが返ってきたんです!
つづく
我侭です。
迷惑です。
命知らずです。
それでもこのまま放置するワケにはいきません。
連絡を受けた私は、すぐさま師長室に飛んでいきました。
とにかく私からもトシオさんを説得したいと思うがどうしたらいいだろうかと相談に行ったのです。
クリニックが受けたトシオさんからの苦情は、
・送迎時間が早いので朝飯が食べられない
ということでしたが、森師長がおっしゃるにはもっと他にも理由があるそうで。
「トシオさんは透析開始から毎日3,4回、クリニックに電話をかけてきてました。それがねえ、どうでもいいようなことなんですよ。明日は誰が自分にハリを刺すのかとか、クリニックで出る食事がどうとか、そんなことばかり。
トシオさんから電話があったときに私たちナースが穿刺でバタバタしているときには電話を保留にして待ってもらったりしたこともありますが、そのときトシオさんから患者を待たすなと叱られたりもしましたよ。
でも、私たちとしてはトシオさんに対してもどの患者さんに対しても、同じように丁寧に対応しているつもりですし、最初にここで透析開始になるときに何度も説明したように、理由なく透析を拒否するような患者さんはうちでの透析をお受け出来ないと言ったとおり、トシオさんにはもう他所にいっていただきます」
それでもなんとか、それはマズいでしょうという事務長のとりなしもあり、
昼の透析までに自分で来て、トシオさんが謝罪すれば継続してもいい
とのお言葉をいただきました。
事務長はあとで
「私としては、患者が医療機関に謝罪しなくてはならないなんてことがあるとは思えないので、いくら我侭な患者さんでも謝罪って言葉はちょっとね…」
とおっしゃってましたが、森師長は患者さんや関係者に謝らせるのが何よりも大好きな方なので…。
「そこまで徹底するからこそこのクリニックは秩序が保たれているのです」
とは師長のお言葉です。
それからトシオさんに電話して説得です。
もともとクリニックの透析患者送迎は無償でやっていることですから、送迎の時間がお気に召さなければ介護タクシーを組みますよ、と。
そしたらトシオさん、
「そもそも自分のヨメが朝飯を作らないことが原因なのじゃい!ハリケンさん、もう我慢できんのじゃい、なんとかしてヘルパーさんを使えるようにしてくれなければ、ワシは透析が出来なくなって死ぬんじゃい!」
トシオさん、何度も言ったでしょう、同居家族がいる御宅に生活援助は入れられないんですよ。
「だったらどうするんじゃい!」
朝の透析が時間が早すぎるのなら、お昼の透析に変えたらどうですか?
「たとえ昼の透析にしても、リリーがメシを作ってくれないからどうしようもないんじゃい!どうしてもヘルパーさんが必要なんじゃい!!」
…
わかりましたトシオさん、では、トシオさんからナマホのワーカーさんに現状を説明して下さい。
そして保険者がトシオさんの事情を認めてくれて、ヘルパーを入れてもいいと判断されれば、すぐにヘルパーさんを組みましょう!
そしてトシオさんはすぐにナマホ課のワーカーに電話し、リリーさんが夜の仕事をしていることだけ隠して、ヘルパーさんが欲しいと訴えました。
どうなったと思います?
なんとナマホのワーカーから
ヘルパー利用可
というお答えが返ってきたんです!
つづく