「国家基本問題研究所」(櫻井よしこ理事長)が11日に発表した「北朝鮮に対する政策提言」を一言で言い表すならば、
「近い将来、北朝鮮情勢は急変する。その場合は、日本は韓国と協力し、韓国による朝鮮半島統一を支援せよ」ということだと思います。
同時に発表された「政策提言に対する評論」を引用しながら解説します。
米韓軍による作戦計画5029では
北朝鮮における急変事態として次の5つを想定している。
①クーデター、住民暴動、金正日死去などで内戦が発生
②反乱軍が核、化学兵器など大量破壊兵器を奪取
③住民の大量脱出
④韓国人人質事件の発生
⑤大規模な自然災害の発生
<韓国での対応>
韓国ではこの5つの急変事態が北朝鮮発生して「作戦計画5029」が発動された場合、
行政面で取るべき対応を次のように計画しています。
(1)忠武3300計画
北朝鮮で内戦や大量難民事態になった場合、北朝鮮にいる韓国人を撤収させ、韓国に来た難民20万人を体育館や学校に収容する計画
(2)忠武9000 別名「応戦自由化計画」
全面戦争状態による、金正日体制の崩壊を想定した計画である。
北朝鮮地域を韓国が統治するため
統一部長官を本部長とする非常統治機関「自由化行政本部」を北朝鮮内に設置する
<中国の対応>
北朝鮮急変事態の際の中国の優先課題は、
①国境管理を強化し難民殺到阻止
②治安維持
③核汚染の処理および核兵器・核物質の確保
であり、そのために中国軍を派兵することを考えています。
国連承認が望ましいが独自派兵もありうるとのこと。
2008年1月22日の読売新聞は北京発で
「金正日体制が崩壊の危機にひんした場合、中国が、
北朝鮮の一般難民だけでなく、軍や治安部隊などの一部が武装したまま難民化し
国境地帯の中国東北部に流入するのを強く警戒して、
北朝鮮国内に軍を派遣し、治安回復や核管理などに乗り出す案が(ある)」、
「国連安全保障理事会の承認が原則的には前提になるとしているが、
難民流入が一刻の猶予も許さない場合は、 中国が独自判断で派遣することも検討している」と報じました。
中国の中長期目標は南北分裂を維持しつつ、双方を衛星国化することだとみられる。当面は、北朝鮮に従中政権ができるように積極的に誘導することだと思われる。
米国では、北朝鮮軍残党が中朝国境から核兵器を搬出しようとする場合に備え、それを阻止する米軍と越境してくる中国軍の間で不測の事態が起きないよう、米中間で事前に調整する必要性が論議されている。
まず北朝鮮でクーデター、金正日の死去などにより、国内が内乱状態になる。
国外へ脱出しようとする大量の難民が予想され、
また反乱軍が核などの大量破壊兵器を奪取するかもしれない。
このような時に、中国が派兵すれば北朝鮮よりの朝鮮半島統一がなされる。
米韓軍が民主的に派兵・治安維持をすれば、韓国を中心とした平和的な統一がなされる、というわけです。
このように今、朝鮮半島の将来をめぐっては、2つのシナリオが同時進行で進んでいます。
どちらになるかによって、日本の運命も世界の運命もまったく違うものに変わってしまうと思われます。
---------
『政治に勇気を』(大川隆法著)およびご講演「国益とは何か」の中で、
日本はアメリカを支援し、自由と民主主義の力によって朝鮮半島統一を、と述べられています。
<立党の理由> 幸福実現党 総裁 大川隆法
(以下、抜粋)
私は、戦争は好きではありません。平和主義者です。 しかし、この世に正義というものがあるならば、それを守らなくてはなりません。不正が世界に蔓延するようであれば、神や仏は必要がありません。
人間には「正邪を分ける心」があります。その正邪を分ける心こそ、神の心であり、仏の心なのです。それを、私は、延々と、長く、人々に教え続けてきました。
このままでいけば、今世紀前半に朝鮮半島が統一されることは確実ですが、私の希望は、韓国側の自由と民主主義の力でもって北朝鮮が統合され、朝鮮半島が、平和で民主そういう要は、気的な、自由な国になることです。そこに住む人たち、そこで苦しんでいる人たちが、救われる未來をつくりたいのです。
決して、北朝鮮による核の威嚇によって韓国の人たちが統治されていくような未来にしてはなりません。
戦争になれば、おそらく、数万から10万人単位の人が亡くなるでしょうし、統一されたあとも、全体主義国家のやることはどこも同じなので、韓国の人たちが百万、二百万と大量に「粛正」されていく姿を見ることになるでしょう。
粛正とは「統治者の言うことを聞かない人を捕まえて殺す」ということです。それが、全体主義国家がやってきたことなのです。
私は、そのような未来を見たくはありません。それは、そうならないように努力しなければ、今世紀の前半に起きるかもしれない事態なのです。
そのような未来は何としても変えたいのです。
■中国軍20万人が北朝鮮に入れば、アメリカは手出しができない
北朝鮮と中国との国境には、鴨緑江っという1本の川があります。その鴨緑江の中国側には、中国の軍隊が約20万人、駐留しています。
いかにも、中国が北朝鮮をいつでも攻撃できそうに見えるのですが、「実はそうではないだろう」と私は見ています。
金正日が、あれだけ強気でミサイルを発射できるのは、北朝鮮と中国との間に、やはり何らかの政治的な密約が存在しているからではないかと感じています。
したがって、「北朝鮮が暴発する」という理由により、もし中国軍20万人が北朝鮮の領内に入ったならば、その中国軍を「北朝鮮を平和的に武装解除するための勢力だ」と考えるのは甘いと思います。
中国軍20万人が北朝鮮に入ったら、どうなるでしょうか。そのときには、アメリカも日本も北朝鮮には手出しができなくなるわけです。それは、中国と戦うことを意味するからです。そこまで考えてやっているのです。そんなに簡単な相手ではありません。
――引用ここまで
大川隆法先生の「読み」を裏付けるかのように
櫻井よし子さんが昨日の提言とともに発表した評論では、
次のような2つの未来が想定されています。
これはまさに、民主主義と社会主義の戦いです。
北朝鮮の大混乱
→中国が単独進駐すると、北朝鮮による中国よりの統一政権が誕生する。
→米韓が素早く作戦計画を発動できれば、自由統一が実現する。
(評論:本文)
近い将来、金正日の死亡を契機とする統制不能の混乱、すなわち北朝鮮急変事態が発生する可能性は高い。韓米両国はそのような事態に備えて韓米軍を北進させる作戦計画を持ち、韓国政府はそれに対応する非常計画を持っている。中共も大規模難民の流入を抑えるなどの名分で人民軍を派兵する秘密計画を持っていると伝えられている。
どちらも北朝鮮で大混乱が起きることを派兵の条件としているから、第1のポイントは「混乱」の認定になる。
急変事態が発生した場合、韓国政府が素早く米国を説得して作戦計画を発動すれば自由統一が実現する。
もたもたしているあいだに中国軍が単独で進駐すれば従中政権ができる可能性が高い。
また、中共が北朝鮮内部の勢力に働きかけ混乱なく政変が成功して従中政権を樹立するシナリオも排除できない。
事前に米中が密約を結び、核ミサイル開発計画の完全放棄を条件として米国が北朝鮮地域の分割占領や従中政権の樹立を支持することも考えられる。
混乱状況になったときには、大多数の北朝鮮住民がどのような行動を取るかが重要な変数となる。自由民主主義、市場経済、人権、法の支配という人類の普遍的価値観を北朝鮮に実現するのは韓国による統一しかないという考えがどこまで共有されているか。同族である韓国と異民族である中国共産党のどちらを信じるか。急変事態が起きるまでに韓国側がどこまで北朝鮮住民の支持を得ているかで結果は変わるだろう。
「近い将来、北朝鮮情勢は急変する。その場合は、日本は韓国と協力し、韓国による朝鮮半島統一を支援せよ」ということだと思います。
同時に発表された「政策提言に対する評論」を引用しながら解説します。
米韓軍による作戦計画5029では
北朝鮮における急変事態として次の5つを想定している。
①クーデター、住民暴動、金正日死去などで内戦が発生
②反乱軍が核、化学兵器など大量破壊兵器を奪取
③住民の大量脱出
④韓国人人質事件の発生
⑤大規模な自然災害の発生
<韓国での対応>
韓国ではこの5つの急変事態が北朝鮮発生して「作戦計画5029」が発動された場合、
行政面で取るべき対応を次のように計画しています。
(1)忠武3300計画
北朝鮮で内戦や大量難民事態になった場合、北朝鮮にいる韓国人を撤収させ、韓国に来た難民20万人を体育館や学校に収容する計画
(2)忠武9000 別名「応戦自由化計画」
全面戦争状態による、金正日体制の崩壊を想定した計画である。
北朝鮮地域を韓国が統治するため
統一部長官を本部長とする非常統治機関「自由化行政本部」を北朝鮮内に設置する
<中国の対応>
北朝鮮急変事態の際の中国の優先課題は、
①国境管理を強化し難民殺到阻止
②治安維持
③核汚染の処理および核兵器・核物質の確保
であり、そのために中国軍を派兵することを考えています。
国連承認が望ましいが独自派兵もありうるとのこと。
2008年1月22日の読売新聞は北京発で
「金正日体制が崩壊の危機にひんした場合、中国が、
北朝鮮の一般難民だけでなく、軍や治安部隊などの一部が武装したまま難民化し
国境地帯の中国東北部に流入するのを強く警戒して、
北朝鮮国内に軍を派遣し、治安回復や核管理などに乗り出す案が(ある)」、
「国連安全保障理事会の承認が原則的には前提になるとしているが、
難民流入が一刻の猶予も許さない場合は、 中国が独自判断で派遣することも検討している」と報じました。
中国の中長期目標は南北分裂を維持しつつ、双方を衛星国化することだとみられる。当面は、北朝鮮に従中政権ができるように積極的に誘導することだと思われる。
米国では、北朝鮮軍残党が中朝国境から核兵器を搬出しようとする場合に備え、それを阻止する米軍と越境してくる中国軍の間で不測の事態が起きないよう、米中間で事前に調整する必要性が論議されている。
まず北朝鮮でクーデター、金正日の死去などにより、国内が内乱状態になる。
国外へ脱出しようとする大量の難民が予想され、
また反乱軍が核などの大量破壊兵器を奪取するかもしれない。
このような時に、中国が派兵すれば北朝鮮よりの朝鮮半島統一がなされる。
米韓軍が民主的に派兵・治安維持をすれば、韓国を中心とした平和的な統一がなされる、というわけです。
このように今、朝鮮半島の将来をめぐっては、2つのシナリオが同時進行で進んでいます。
どちらになるかによって、日本の運命も世界の運命もまったく違うものに変わってしまうと思われます。
---------
『政治に勇気を』(大川隆法著)およびご講演「国益とは何か」の中で、
日本はアメリカを支援し、自由と民主主義の力によって朝鮮半島統一を、と述べられています。
<立党の理由> 幸福実現党 総裁 大川隆法
(以下、抜粋)
私は、戦争は好きではありません。平和主義者です。 しかし、この世に正義というものがあるならば、それを守らなくてはなりません。不正が世界に蔓延するようであれば、神や仏は必要がありません。
人間には「正邪を分ける心」があります。その正邪を分ける心こそ、神の心であり、仏の心なのです。それを、私は、延々と、長く、人々に教え続けてきました。
このままでいけば、今世紀前半に朝鮮半島が統一されることは確実ですが、私の希望は、韓国側の自由と民主主義の力でもって北朝鮮が統合され、朝鮮半島が、平和で民主そういう要は、気的な、自由な国になることです。そこに住む人たち、そこで苦しんでいる人たちが、救われる未來をつくりたいのです。
決して、北朝鮮による核の威嚇によって韓国の人たちが統治されていくような未来にしてはなりません。
戦争になれば、おそらく、数万から10万人単位の人が亡くなるでしょうし、統一されたあとも、全体主義国家のやることはどこも同じなので、韓国の人たちが百万、二百万と大量に「粛正」されていく姿を見ることになるでしょう。
粛正とは「統治者の言うことを聞かない人を捕まえて殺す」ということです。それが、全体主義国家がやってきたことなのです。
私は、そのような未来を見たくはありません。それは、そうならないように努力しなければ、今世紀の前半に起きるかもしれない事態なのです。
そのような未来は何としても変えたいのです。
■中国軍20万人が北朝鮮に入れば、アメリカは手出しができない
北朝鮮と中国との国境には、鴨緑江っという1本の川があります。その鴨緑江の中国側には、中国の軍隊が約20万人、駐留しています。
いかにも、中国が北朝鮮をいつでも攻撃できそうに見えるのですが、「実はそうではないだろう」と私は見ています。
金正日が、あれだけ強気でミサイルを発射できるのは、北朝鮮と中国との間に、やはり何らかの政治的な密約が存在しているからではないかと感じています。
したがって、「北朝鮮が暴発する」という理由により、もし中国軍20万人が北朝鮮の領内に入ったならば、その中国軍を「北朝鮮を平和的に武装解除するための勢力だ」と考えるのは甘いと思います。
中国軍20万人が北朝鮮に入ったら、どうなるでしょうか。そのときには、アメリカも日本も北朝鮮には手出しができなくなるわけです。それは、中国と戦うことを意味するからです。そこまで考えてやっているのです。そんなに簡単な相手ではありません。
――引用ここまで
大川隆法先生の「読み」を裏付けるかのように
櫻井よし子さんが昨日の提言とともに発表した評論では、
次のような2つの未来が想定されています。
これはまさに、民主主義と社会主義の戦いです。
北朝鮮の大混乱
→中国が単独進駐すると、北朝鮮による中国よりの統一政権が誕生する。
→米韓が素早く作戦計画を発動できれば、自由統一が実現する。
(評論:本文)
近い将来、金正日の死亡を契機とする統制不能の混乱、すなわち北朝鮮急変事態が発生する可能性は高い。韓米両国はそのような事態に備えて韓米軍を北進させる作戦計画を持ち、韓国政府はそれに対応する非常計画を持っている。中共も大規模難民の流入を抑えるなどの名分で人民軍を派兵する秘密計画を持っていると伝えられている。
どちらも北朝鮮で大混乱が起きることを派兵の条件としているから、第1のポイントは「混乱」の認定になる。
急変事態が発生した場合、韓国政府が素早く米国を説得して作戦計画を発動すれば自由統一が実現する。
もたもたしているあいだに中国軍が単独で進駐すれば従中政権ができる可能性が高い。
また、中共が北朝鮮内部の勢力に働きかけ混乱なく政変が成功して従中政権を樹立するシナリオも排除できない。
事前に米中が密約を結び、核ミサイル開発計画の完全放棄を条件として米国が北朝鮮地域の分割占領や従中政権の樹立を支持することも考えられる。
混乱状況になったときには、大多数の北朝鮮住民がどのような行動を取るかが重要な変数となる。自由民主主義、市場経済、人権、法の支配という人類の普遍的価値観を北朝鮮に実現するのは韓国による統一しかないという考えがどこまで共有されているか。同族である韓国と異民族である中国共産党のどちらを信じるか。急変事態が起きるまでに韓国側がどこまで北朝鮮住民の支持を得ているかで結果は変わるだろう。