さて、「仏陀再誕」フォトストーリーの続きです。
「仏陀再誕」 フォトストーリー(1)
「仏陀再誕」 フォトストーリー(2)
「仏陀再誕」 フォトストーリー(3)
金本記者の霊に引っ張られ、
あやうく地下鉄にひかれそうになる小夜子。
危ないところを救ってくれたのは、
大学3年生の海原勇気。
「何考えてんだ!」
霊が見える小夜子を、最初に理解してくれたのが、勇気だった。
電車にひかれそうになった一瞬の間に、「不思議な世界」へ行き、
霊界裁判を見て来たことを話す。
勇気は、小夜子の身に起こる現象に対し、なぜか明快な説明を。
「人間は、死ぬと肉体を脱いで、魂としてあの世へと向かい、
また、この世に生まれ変わる。仏教でいう転生輪廻の概念だ。
死後、無事に天国に行く雲もいれば、地獄に堕ち、苦しみから逃れるために、
この世の人間に憑依する霊もいる……」
しかし勇気は、小夜子を助けたい一心で、押し付けモードになってしまう。
「いちいち干渉してこないで!
もう関係ないでしょ」
そこに流れる気まずい空気。ふたりは、友達以上、恋人未満の微妙な関係だった。
その日から小夜子は、「あの世」で聞いた「仏陀再誕」という言葉が
頭から離れなかった。
家に戻った小夜子は、テレビ番組の
「お招きしましょう、現代の仏陀!」
というキャスターの声に胸が騒ぐ。
荒井東作。
全世界で200万信徒を誇る宗教団体「操念会」の会長。
強い超能力を持ち、
仏陀の再来と言われ、テレビにも引っ張りだこ。
超能力?を使い、空中で物を止めてみせる。
「この人が、現代の仏陀?」
その翌日、なんとその「現代の仏陀再誕」を取材することになった小夜子。
小夜子は自分の身に起こった事件を解明しようと、
勇気が止めるのも聞かず、一人で荒井東作の講演会に行こうとするが、
なぜか操念会に行くことを止める勇気。
「操念会には行くな!」
理由のわからない小夜子は、勇気に不信感を抱いてしまう。
「肝心な時には子供扱いして、何も教えてくれない!」
――続く――