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気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

ヴァイオリニスト五嶋みどりと京都市交響楽団を聴く

2016-09-12 00:20:03 | 音楽
11日の午後二時から京都コンサートホールにて
ヴァイオリニスト「五嶋みどり」と広上淳一指揮
創立60周年記念 京都市交響楽団の演奏会がありました。
 
みどりさんには2005年11月に富山のオーバード・ホールで
マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団との共演で
シベリウス、ヴァイオリン協奏曲ニ短調,op.47を聴いたとき
以来11年ぶり、2014年にはグラミー賞を獲得されており、
現在44歳、音楽に深みがさらに増していることでしょう。
心をときめかしてきかせていただきます。

京都北山駅をおり、久しぶりの昼の北山通りは蒸し暑く感じ、
京都市植物園前には花は少なく15日の中秋の名月に案内板が
  
コンサートホールへの遊歩道脇の萩は、刈られてしまい
反対側では葛の花が、覆い尽くしておりました。
   
今日のプログラムには、午後1時40分からなんと
広上さんとみどりさんのプレトークという粋な計らいも。

モーツァルトの歌劇「後宮からの逃走」序曲から始まりますが、
なにか広上さん一人がはしゃいでいる感じ、アンバランスさが
最後にはなんとか一体化されてきており、次への期待が膨らみ、
編成が少し小さくされ、お目当ての「みどり」さん登場。
笑みの中にも音楽へのあくなき追求者的なオーラが醸し出され、
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35が始まり、
出だしは第一ヴァイオリンの問いかけに全体が答える問答形式に
「みどり」のヴァイオリンが答えます。
前から3番目以前NHKで拝見した練習風景からもっとすごい撥指と
思いきや、指板を押さえておられる左手の指の小さなこと。
さらに考え抜かれたボーイングと弓の位置まで目にはいります。
研ぎ澄まされた弱音と荒々しい強い音との
対比が素晴らしく、一途な強さと美しさを保ち、彼女の内面に
深くはいって行くようにも感じました。
身体を左右に前傾させ、激しい動作が連獅子だと言われますが、
魂が揺さぶられるような演奏で、客席からは拍手の嵐と
ステージからは楽団員の足踏みの音がドド・ドーンと響きます。
アンコールは二曲、何も告げずにはじまりました。
・バッハ無伴奏パルティータ2番サラバンド
 2番は「シャコンヌ」を終曲にもつも、「みどり」風の表現で
 先ほどとはやや押さえたボーイングで静かに心に響きます。
・バッハ無伴奏パルティータ3番プレリュード
 丁寧に厄介な分散和音を、やさしくかつダイナミックに
 演じ分けておられました。
拍手し過ぎで大変。コンサートマスターになにかささやかれ
休憩に入り、楽屋への後姿が今日の見納になりました。

後半リムスキーコルサコフの交響組曲「シェエラザード」op.35
コンサートマスターの豊嶋泰嗣さんは、本当に大変でしたね。
「みどり」さんの後のヴァイオリンの独奏の連続、でも最後の
長い連続したフラジオ、きっちりと勤め上げられました。
感想としては、演奏自体は総花的ですが、広上さんの指揮する
後ろ姿や横顔が見ていて非常に楽しくなりました。
アンコールは、武満徹さんの映画音楽「他人の顔」から?
可もなく不可もなくですね。
終演後のサイン会は長蛇の列で、入り口まで続いており
あきらめましょう。
今度、いつ出会えるのでしょうか?

スペイン国立管弦楽団のアランフェス協奏曲(ギター)を

2016-07-29 14:02:08 | 音楽
昨日は朝から、夜遅くまで久しぶりに動きぱなし、
ほんの数年前までの仕事では感じなかった疲れが・・・
朝からは、眩しい太陽に梅干しの土用干しをしなさいと催促され、
今朝の梅
昼は頂いた餃子の無料券を餌に孫4人を誘い出し大衆中華さんへ

そしてデザートは31のアイスクリームと、
喜んでくれました。私もですが
でも皆さん忙しく、スポーツクラブなどへ
忘れるところでした、土用干しの梅干しを家の中に入れ込み
夕方からは、京都北山へ
 植物園内
植物園前の花壇には咲いた花がなく、陶板館を南北から
 
京都コンサートホールへ続くプロムナードに萩が
一部咲きだしていますが、到着です。
 
アントニオ・メンデス指揮、スペイン国立管弦楽団の演奏は、
はじめてで、どんな演奏を聞かせてくれるのでしょうか?
21日の東京サントリーホールでは大盛況とのうわさが、
アンコール7曲などで終演が1時間ほど延びたそうで。
 パンフレットより
プログラムは、
トゥリーナ:交響詩「幻想舞曲集」
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
  ギター:パブロ・ヴィレガス
ファリャ :「三角帽子」組曲 第一番 第二番
ラベル  :ボレロ
すべてスペインが関わる曲ばかりです。
またこんな日本公演プログラムも頂けました。

座席は前から3番め、前列の演奏者しか見えません。
指揮者アントニオ・メンデス登場、小柄ですがイケメンです。

一曲目からスペイン風、アラゴン、バスク、セビリアと
各地方がモチーフに。
力強いリズムを刻むパーカッション、ソロも入りますが、不
思議と演奏者は皆ハイテンション
こんな調子で持つのかな?
細かいところを言えばきりがありませんが、good
続いてギターのパブロ・ヴィレガス登場

おなじみのアランフェス協奏曲
8分の6拍子の中に4分の3拍子のリズムが挟まった
ギターの序奏、これで会場内は一気に引き込まれます。
3列目はパブロの息遣いまで詳細に聞こえ、素敵!
そしてオーボエやイングリッシュホルンが絡み合い
4分の2拍子と4分お3拍子の交錯するフィナーレに
終わるや最前列の高年齢の方が立ち上がり拍手を
それに負けじと会場中からはブラボーの声がかかり
拍手のうず、なかなかアンコールへたどり着けません。
2曲演奏され、二曲目はギターを始められるときに一度は
挑戦される、タレガの「アルハンブラの思い出」、
演奏前に爪を研がれ指を延ばす動作が印象的でした。
なかなか興奮状態の会場、コンサートマスターが席を立ち
やっと休憩へ(ここで20分超過)
ファリャの三角帽子
ティンパニとトランペットに始まる序奏から、
踊るようリズムがアンダルシア地方色が醸し出され、
ファゴット、フルートのソロへと情感豊かな弦が添えられ、
そしてダイナミックな最後の第一組曲のフィナーレ
会場から突然オーレの掛け声が(スペインの方でしょうね)
息つぐ間もなく第二組曲は、民族的な踊りのリズムが
ホルンとイングリッシュホルンのカデンツァにつぎ、
晴れやかに舞い踊る情景が目に浮かぶようなクライマックス
会場も拍手とブラボーの嵐ですが、
なぜか指揮者は短めに切り上げ、最終の「ボレロ」へ
ボレロってスペインの舞踏の一つ、3拍子と独特なリズム
この小太鼓リズムにチェロが主になり、そこに数々の楽器が
組み合わされ、最終末まで繰り返つにつれ大きくなります。
クライマックスはひっくりかえるような最後、
ブラボー、拍手拍手拍手
何回か他の演奏も聴かせていただいておりますが、
スペイン的という表現がぴったりですね。
アンコールは3曲、
最後はもうこれでおしまいとばかりに、突然
「カルメン」が始まり、自然発生的に会場から手拍子も、
それに合わせるかのように、メンデスさんの絶妙な手と指で
会場内をコントロール、最後まで楽しませてくださいました。
演奏会は30分強超過(東京の1時間と比べればまだまし?)
これで9000円、また聞きたいオケになりますね。
アンコール曲名も見ずに私は帰りを急ぎます。
でも奈良に帰り着いたのは11時前
長い一日でしたが、ゆったりとした眠りに誘われました。
あっ、時間が昼からのお稽古の準備をしなくては。

「鎮魂」リュートとソプラノの響きに石上神宮の鶏も参加?

2016-06-23 09:55:48 | 音楽
頂いた『ムジークフェストなら』の参加券は22日は3枚も
時間も重なり、奈良市内ではありません。
石上神宮11:30~天理市、リュートとソプラノ
当麻寺13:00~葛城市、弦楽四重奏、遠いです。
矢田寺11:30~郡山市、フルートとギター、
 この寺は紫陽花で有名、今が見頃ですから人も多いのでは。

石上神宮に決定、今はやりの消去法?いえいえ違います。
石上神宮へは天理駅から無料の送迎バスの運行と、
演奏前に30分程度ですがガイドツアーも
企画されているのが決め手になりました。

神宮には10時過ぎには到着し、
早速ボランティアガイドさん登場され、熱弁が始まりました。
鳥居』には、簡素な伊勢神宮の神明(しんめい)鳥居と
この鳥居のような反りや照りの明神(みょうじん)鳥居に・・・
 
石上神宮さんの配慮で、拝殿(国宝)にて正式参拝を済ませ
宮司さんからも、笑い声の絶えないお話(由緒を含め、
ソプラノの方の発声練習が聞こえている等の演奏前の様子も)
その後演奏会場の参集殿前で待っておりますと、夜間は木の上で
休む鶏たちが、寄ってきて鳴き交わしておりました。
 
会場内の入りますと、正面に、『鎮魂』の書が掲げられ、
熊本震災へ思いを馳せておられるのですね。
(演奏中は写真禁止)
   
お二人が登場です。
ソプラノの丸谷晶子さんとリュートの佐野健二さん
ルネサンス・バロック音楽などのイギリス音楽を
古楽の歌唱法で、リュートとのコラボになります。
プログラム
演奏が始まりました。(フェースブックからの写真
  
唄の内容の説明をしていただいた後から、英語で唄われ、
有難いことですね。
行け水晶の涙は、涙があふれ出てくるように聞こえ、
パヴァーヌの旋律は、以前良く聞いた覚えがあり、
 口ずさみたくなりました。
狂気のベス(英語では女性精神病者の通称、男性はトム)
 ころころ変わる唄い方が、狂気を感じさせます
最後に青春時代のフォークソングの代表曲
スカーバラ・フェア(スカボロフェア)、グリーンスリーヴス
 懐かしく、声を出さないで口ずさんでおりました。
なんとアンコールは、ダニーボーイ、日本語で
 観衆の皆様方の年齢にはぴったり
あっという間の一時間、大きなホールとは違い
時おり、境内の鶏の鳴き声も合わさり、
イギリスの田舎の風景が目の前に。
そういえば、英にはグラインドボーン音楽祭が、
南西部の田舎町、幕間の休憩時間は一時間以上もあり、
芝生の上でピクニック気分でお弁当を広げるそうです。
今年はもうだめですから、来年にも考えなくてはね。

奈良女子大記念館(重文)でのムジークフェストならへ

2016-06-22 08:13:37 | 音楽
昨日は朝の雨が嘘のように陽が差し込み、
午後3時頃にはムシムシ感も高まる中、この二月に紹介した
奈良女子大学記念館(重要文化財)講堂
ムジークフェストならの一演奏に。
若い女性二人のデュオ・プレスト
小西真央(バイオリン、21歳)とダリア・トゥドア(ピアノ、19歳)
どちらもベルリン芸術大学学士在学中の演奏です。
 6/22のちらし
感想はgoodですね。1909年の古い木造の講堂なのか
ピアノも『百年ピアノ』と呼ばれるヤマハ製、
(やや調弦が良くないところもあるようですが?)
時代を感じさせる音色と合わさり、よく響いております。
 百年ピアノ
失敗を恐れず、果敢に取り組まれたのか、
リストの練習曲もバッハの無伴奏も各々の力量が現れ
最後のグリーグのソナタも丁々発止のやり取りとなり、
感性豊かな若々しい演奏を聴くことが出来ました。
アンコールも弾いていただけ、ありがとうございます。
 FBより昨日の様子
 
講堂の説明をさせて頂きます。
近鉄奈良駅前の行基像さんの前の交差点を渡っている時の
気温は29℃、汗が噴き出してますが、
東向き・北商店街を通り抜け奈良女子大学へ4分ほどで
 
緑豊かな奈良女子大の正門に
 
正面から旧本館(記念館、重要文化財1909年)を望みます。
木造寄棟造り総二階建て桟瓦葺で、頂塔と明かり窓が洋風
外観はハーフティンバーという木部を外に現す壁構造で、
漆喰壁と上手く調和がなされておりますね。
 大正2年
尖塔がきれいですね

緑豊かな中に佇んでおり、昨年耐震補強工事がなされております。
  
全体図です。

この階段をのぼると二階に講堂が

講堂内で、16mの木造トラスで、柱が一本もありません。
  
講堂上部の梁と中央にはシャンデリアがまたよいですね。
椅子も高等師範学校時代のものだそうです。
シャンデリア
こんな椅子に座って、
わかい世代の良い音楽を聞かせてもらい
良い一時を過ごせました。

「ムジークフェストなら」が始まり海龍王寺で笙と横笛の演奏を

2016-06-12 17:45:10 | 音楽
今年も回を重ねる事5回、ムジークフェストなら2016
昨日11日、奈良東大寺大仏殿でのオープニングコンサート
から幕が切られ、26日(日)まで16日間、毎日
県内どこかで、ジャンルを問わず開催されているそうですが、

忙しさに、予約するのを忘れておりました。
有難いことに、今日12日(日)海龍王寺本堂での券が手本に、
『龍王の風』:笙(田島和枝さん)と横笛(雲龍さん)。
 
梅雨空ですが夕方から雨の予報、ムシムシした気候の中、
平城旧跡に車を止め
若草山大極殿
ねむの花が咲き、誰かのいたずら?梅の実が
 
海龍王寺に着くと、二人のボランティアの方が案内を
ご苦労様です。
 
昨年も6月にも十一面観音さんや会津八一の歌碑に会っております。
中門への道は、きれいに刈り取られており、
←昨年 
400円の拝観料を払い、本堂へ
狭い本堂ですが、70人程度でほぼ一杯

十一面観音さんに、ご挨拶を
 
プログラムは
 縁の香(えにしのこう)       雲龍
 黄鐘調調子(おうしきちょうちょうし)古典曲
 深 山(みやま)          雲龍
 拾翆楽(じっすいらく)       古典曲
 蒼 海(うみ)           宮田まゆみ
 虚空の音(こくうのおと)映画地球交響楽6番
 龍王の風(りゅうおうのかぜ)    雲龍・田島和枝

より大きな竽(う)に持ち替えられると、
その音は、笙より1オクターブ低く、
音量も小さく優しい響きで、より神秘性が増します。
バイオリンとチェロの関係に似ておりますが、
平安時代中期に廃れ、正倉院御物から再興されており、
なかなか聴けないものなんですね。
二人の精神性が現れた良い演奏が、

目を閉じて聴いていると、本堂を通り過ぎる風が・・・ 
すがすがしくなり、風の音がしたかのような錯覚に陥り
横笛が鳴っている時と、笙を演奏されている時では
本堂の外から聞こえてくる梢を揺する風の音が違います。
神聖なもののいぶき、十一面漢音さんの霊力なのでしょうか。
清々しい気持ちにさせて頂きました。
ありがとうございました。

付)会津八一の歌碑はやはり、草の中にひっそりと
←昨年
『しぐれのあめ いたくなふりそ こんだうの
        はしらのまそほ かべにながれむ 』

ジュリアード弦楽四重奏団を京都で

2016-06-10 12:34:50 | 音楽
ブラボー、JSQ(ジュリアード弦楽四重奏団)
言いようのない素晴らしいアンサンブルでした。
初めから最後まで
メンバー
1st.violinジョセフ・リン(Joseph Lin)
2nd.violinロナルド・コープス(Ronald Copes)
viola. ロジャー・タッピング(Roger Tapping)
celo. ジョエル・クロスニック(Joel Krosnick)

でもチェロのジョエル・クロスニックさん、最後の日本ツアー 
1974年から42年間、ご苦労さまでした。
アンコール曲も、ベートーベンが亡くなる5か月前に作曲された
最後の弦楽四重奏曲16番で、最後が泣けますよ
余計に寂しさが増しました。(その話は後ほど)
でも、秋のシーズンからは4代目チェロ奏者として
JSQ初めての女性奏者アストリッド・シュウィーンさんです。
ますます発展進化して行くのでしょうね。
JSQの70年史
「完全無欠のアンサンブル」と称されるJSQも70年、
1946年ジュリアード音楽院の教授らによって結成され、
緻密で明快な音楽解釈が、高度な統一感のある音楽表現と
重なり合い現代屈指の弦楽四重奏団ですが、
演奏の合間でもマスタークラスや公開リハまでこなされており、
この日本ツアーは9日:京都、10日は東京、12日:兵庫(西宮)
そして台湾(13日.14日.15日)、韓国(18)と強硬日程ですね。

演奏会場は、梅雨の雨上がりのいつもの京都コンサートホール

プログラムによると
 
モーツアルト
弦楽四重奏曲第19番ハ長調 K. 465 不協和音(1785)
ハイドンに献呈したハイドン・セット全6曲中の最終曲で、
第一楽章の冒頭22小節、半音階を多用したきわめて大胆な
和声効果のある序奏から『不協和音』と言われる由縁で、
彼らに掛ると、チェロの低音の出だしから始まり、
ヴィオラ、2nd.ヴィオリン、1st.ヴィオリンと遅れて
半音違いの濁った響き、・・・(違う違う)・・・
そしてハ長調に、いつもののモーツアルトで、
爽快な音の風が吹き抜けました。

ワーニック
弦楽四重奏曲 第9番(2015)日本初演
2楽章からなるワーニックの新作(2015)、
JSQとのコラボ4作品目だそうで、やっと日本でも。
上下に跳躍するグリッサンドとささやくような16分音符
から始まり、二楽章は静かな恋歌とも称されており、
ダンテの「神曲」の3を意識し、ベースは3/4拍子で、
3連符も絡み、「モアレ」混沌とした中、
最後はラ♭・ラ・シ♭に収束するのだそうで、、
「神曲」同様それが希望の光を示しているのでしょうか?
現代音楽は、難しい
でも彼らに掛ると難なくこなされておりました。

ドビュッシー:弦楽四重奏曲(1893)ト短調Op.10
ドビュッシーの唯一にして孤高の名作の弦楽四重奏曲で、
ヴァイオリンの旋律とリズムが主となっており、
1stのリンが素晴らしさが、今まで以上に引き出され、
添えるようなヴィオラの演奏も聴きごたえが、そして
そっと鳴る合いの手が5度の重音の響きが、子守唄のように
ずっと耳に残っておりました。

アンコールは、ベートーベン
弦楽四重奏曲(1826)第16番 ヘ長調 作品135 から第3楽章と
上手な日本語で、リンが紹介してくれました。
ベートーベン亡くなる5か月前に作曲された最後の弦楽四重奏曲
静かな部分は徹底的に静かな曲で、暗くなりがちですが、
明るい深淵な曲で、人生の最後を感じ取ったベートーベンの
最後の曲が、人生を振り返れるそんな楽章なのかもしれませんね。
それをJSQのメンバーは言いたかったかもしれません。
本当に終わりが、リンの1st violinの音がだんだん小さくなり
リンの気持ちがよく解かりました。
消えてしまっても、その余韻があるかのような脳が錯覚
もっと聴いていたいという思いが湧き上がります。
でも会場からは、拍手とブラボーの声が次々に湧き起こりました。

最終楽章に書き込まれている
「ようやくついた決心(Der schwergefasste Entschluss)」
「そうでなければならないか?(Muss es sein?)」
「そうでなければならない!(Es muss sein!)」という言葉が
何を物語っているのでしょう。
 陶板館

フルートの「パユ様」を京都で聴く

2016-05-11 09:12:58 | 音楽
雨の夕暮れの京都北山
ひっそりとした植物園、前の花壇も雨に。
 
京都コンサートホールへのプロムナードから覘く陶板

いつもの賑わいもなく、ホールの前もひっそり、
そうでした、中ホールでの公演だけですから

3Fまでのらせん状の通路を上りきると
こんな素敵な解説付きのプログラムを頂き、中ホールに
 
流石、日本通のパユ様、武満節までお聞かせ頂く
心得たプログラムになっておりますね。
 エマニュエル・パユ(フルート)
 マヤ・アヴラモヴィチ(ヴァイオリン)
 ホアキン・リケルメ・ガルシア(ヴィオラ)
 シュテファン・コンツ(チェロ) 
多分、来日されてこのメンバーでの演奏は
8日の佐世保だけ(以後23日まで7回の予定)
(パユ様はベートーベン・チクルス5日分と読響定期での
 ハチャトゥリアンのフルート協奏曲も、超人)
出だしの3番は手探りの様子で、各楽器のバランスに、
あれっ、
ホールの出来、それとも席の位置が悪いのかもしれませんが、
特にバイオリンの音なのです。
モーツアルトの3番は慣らし運転でなんとか、
でもバイオリンと演奏中の打ち合わせ?
以後も何回か、目立ちました。
2番は、聞きなれた旋律ながら、まずまず
テンポ・ディ・メヌエットから呼吸が合いだし 
前半最後のロッシーニの2番はメンバーとの息も絶妙
パユのフルートもより一層響き、またドライブの妙もあり
演奏終了の余韻もうまく引き出されております。
フルートを立てるや否や
割れんばかりの拍手とともに賞賛の声があちこちから
おっかけがおられるのでしょうか?

休憩中には
CD売り場は、演奏後のサイン会もあり黒山の人だかりに
目がハート型になった女性の多いこと
私もそう見えますかね・・・

後半の始まりは、
聞きなれた4番、パユ様のドライブにこたえた演奏
パユ様のフルートも冴え渡ります。
強弱の塩梅が、なんともうっとりと聞きほれ
二曲目は、武満徹没後20年メモリアルで、
フルートの独奏曲『エア』遺作となった曲で、
いつもは抑えられた呼吸音が、この曲では生かされており
息継ぎのタイミングも絶妙さもあり、虚無僧の後ろに、
さも先生が降りてこられたかのような虚像を音で聴かせます。
「ヴォイス」も聴きたかったですが・・・
最後のモーツァルト1番は、手慣れたもの、さすがです。
アンコールの紹介に、なんとパユ様の口から、
『おおきに』の言葉が、
会場内よどめき、続けて日本語で、
ドヴォルジャークの四重奏曲「アメリカ」???と
演奏も素晴らしく、カーテンコールも3回、
名残惜しいですが、終演となりました。
うっとりとして帰宅し、
もちろんよく眠れましたよ。、
3月に続き、5月もお顔を拝見できありがとうございました。
次回はいつになるのでしょう?

遅かったバーデンバーデン音楽祭からのレター

2016-04-07 07:46:10 | 音楽
春の嵐の一日、花散らしになりそうですね。
大変ですが、お稽古に行ってまいります。

先月の24日帰国した時の話なのですが・・・
外国からの郵便物が届いておりました。
なんと、バーデンバーデン音楽祭からのお手紙
3月11日の日付で、CLUB300への招待状でした。

3月22日オペラ「トリスタンとイゾルデ」の開演時、
クロークやラウンジルーム等への案内です。
 
私たちは18日の早朝に出発しており、
残念の一言ですね。
なおバーデンバーデン音楽祭は3月28日で終わり、
ベルリンフィルからのSNSでは、
楽員たちの握手で終了のシーンが紹介されております。
 

ラトルの指揮は素晴らしく、オケも良く鳴っており、
このホールは、どちらかというと、オペラ向きなのに、
ソリスト同士のバランス、
それとソリストとオケとの違和感が残っておりました。


ブログ『クラシックおっかけ日記』4月6日付で、
「オーケストラとソリストのバランス」で
納得することが出来ました。
紹介いたします。(原文のまま)

アダム・フィッシャー:A(ハンガリー国立歌劇場音楽総監督)に
オーケストラとソリストのバランスについて聞いてみた。
A「オーケストラとソリストのバランスを決めるのは
3つの要素があるんだ。まず第一はソリストの位置
それからオーケストラ
奏者が歌手の声を聞きながら音量を調節するのは簡単じゃないんだよ。
ウィーンフィルはいつもやってるから身についているけれど、
ベルリンフィルみたいにステージの主役になっているオーケストラは、
メンタリティ的にも難しいんじゃないかな。
それから3つ目の要素は指揮者
オーケストラに小さい音で演奏させるには、
指揮者からの勇気付けが必要なんだ。」

A{ソリストとオーケストラのバランスの問題は古くから指摘されていて、
だからワーグナーはバイロイト祝祭歌劇場のピットに屋根を付けたんだ。
当時からオーケストラが大きくて歌手が苦労したんだろうけど
、今は楽器の性能が良くなって音量もずっと大きくなったから、
本当に歌手は大変なんだよ。」

バイロイトのピットに反響板(屋根)があるのはなぜなのか、
ずっーと疑問衣思っておりましたが、これも解決

 2012.8

ブログによると、トリスタン役は3幕最後まで声が持つかどうかが
とても重要だそうで、・・・

私はトリスタンのスチュアート・スケルトンのテノールは普通、
でもイゾルデ役のウェストブロックの声質とあってなく、
さらに声量でも圧倒されており、これにより
デュエットでは分が悪かったことは否めませんね。

もやもや感がとれ、本当にありがとうございました。

何事にもバランス、バランスって本当に大事ですね。

内田光子さんを凌ぐ第九が

2016-03-28 15:00:50 | 音楽
                   FHのメールより                
楽しかった旅から戻り、そのツケが回ってきました。
今週末まで色々と予定が埋まっており、この4日間でも
自宅稽古が金曜日、日曜日、月曜日と続き、
「あらっ・・・」と云う事が多くなり
その間の土曜日、お稽古に伺った際には、
科目の勘違いを犯しておりました。
このように、自分の中のミスだけで済めばよいのですが、
気付けなくて、皆様に迷惑をかけているのではと?

昨日と今日と、釣り釜でのお稽古、
今月も残り少なく、名残惜しいですね。
準備からしていただいております。
  

昨日27日はイースター、バーデンバーデンでは、
内田光子さんのピアノが鳴り響いていたのでしょう。
21日と同じプログラム、紹介させていただきます。

音楽祭にはできるだけ、着物で鑑賞させていただいており、
荷物になりますが、これがなかなかの快感なのです。

内田光子さんのピアノを聴くのは初めてになります。
昨年秋の日本公演でチケットは直ぐに売り切れたらしく、
お昼に偶然お会いした音大生は、内田さんを聴くため
わざわざツアーに参加して来られたそうです。
私も取れた席は、2nd.class、よしとしなければ。
 
モーツァルトのピアノ協奏曲第22番のアンダンテは、

内田さんの優しいタッチ、遠くからでも伺える表情と
相まって感動的であり、悲しみに満ちておりました。
 FHメールより
休憩を挿み内田さんのピアノの余韻も冷めぬうちに、後半へ
なんと演奏を終えた内田光子さんがパケットにお見え、
ザワザワ
ステージにはたくさんの演奏の方々で埋まり、
ベートーヴェンの交響曲第9番が始まります。
この5月東京で行われるラトル指揮ベルリン・フィルの
ベートーヴェン・ツィクルスの第九を先に聴けます。
 
ラトルさんの巧みなタクト、
横には第3楽章まではじーっとされた
Genia Kühmeier(Soprano)、Sarah Connolly(Mezzo-soprano)
Steve Davislim(Tenor)、Florian Boesch(Bass-baritone)
第4楽章を前に独唱者が立ち上がり、コラボから
後ろのPrague Philharmonic Choirの合唱になり
一段とラトルのドライブが冴えわたります。
調和のとれた素晴らしい合唱で、終盤に差し掛かると
気持ちの昂ぶりが抑えられません。
ドイツ語が母国語の方たちにはかないませんね。
(日本で聴く、日本人と比べるのは酷な話になりますが)
 
ステージ上、これかと思えるぐらいの大迫力に圧倒され、
拍手の嵐にブラボーの掛け声、さらにスタンディングオベーション、
私も無意識に立ちあがり、背筋がぞくぞくするほどの素晴らしさに
このような第九もあるのですね。
ありがとうございますの一言。
良い眠りにつけました。

バーデンバーデン復活祭音楽祭にてヨーヨー・マを

2016-03-27 09:27:40 | 音楽
                (FHメールより)
3月19日昼過ぎフランクフルトからのICEに乗りましたが、

スーツケース置き場は一杯で、通路にも置けず苦労。
ネット予約は楽ですが、個人旅行はつらいですね。
到着したバーデン・バーデン駅、かなりの方が降りられ、
地下通路へ、でもエレベーターの前には長い列。
降りて昇って、やや寂しい駅前にはバスとタクシー乗り場
ここはタクシーでバーデン・バーデンの町へと向かいます。
こんなにも苦労して到着したバーデン・バーデンの町は
気温は6℃、でも花が一気に咲き始めており、
町の佇まいが、苦労を忘れさせてくれました。
 

ホテルに着くなり、最初の仕事、ネットで取った
音楽祭の3回分のチケットへの交換です。音楽祭の初日
祝祭劇場にはレッドカーペットが敷かれており、
ワーグナーのオペラ「Tristan und Isolde 」で開幕です。
着飾った紳士淑女が、
残念ながら、良い席もなく、少しお高いので、NG
明日のヨーヨー・マとベルリンフィルを楽しみに
眠りにつきました。

20日の夕方、期待に胸を膨らませながら祝祭劇場へ
今日もレッドカーペットが敷かれ、
ドアマンが開けてくれました

中の様子です。

急遽指揮者がマンフレート・ホーネックに変わり、
Johannes Brahms: Tragische Ouvertüre d-Moll op. 81
Robert Schumann: Violoncellokonzert a-Moll op. 129
Peter Tschaikowsky: Sinfonie Nr. 6 h-moll "Pathétique"
ブラームスは、鳴りはじめ、このホール???
ベルリンフィルの音はいいのですが、響きません。
廃駅を改造されて作られた2500人収容のホールからなのですか?
徐々に鳴りはじめます。
最後は無難にという表現がぴったり
(FHメールより)
続いては、さあ何年ぶりかのヨーヨー・マ
円熟味の感じられるシューマンになり、
若きベルリンフィルの主席チェリストとの共奏も
(FHメールより)
そのBruno Delepelaireをたたえる姿も、流石です。
 (FHメールより)
アンコールも一曲
(FHメールより)
休憩中、うれしくてついシャンパンまでいただき、
最後のチャイコフスキー6番へと
さすがベルリンフィルをドライブされております。
良い演奏で、久しぶりの満足感を味わえました。

ホテルまでの道のりは、気温は低く寒いですが、
心は温かく、帰りつきました。
明日の、内田光子さんのピアノはどうなるのでしょうか。