goo blog サービス終了のお知らせ 

気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

津和野「源氏巻」で美味しい餡は紫色?

2017-01-30 13:08:57 | 主菓子とお干菓子
今朝は雨、暖かい朝を迎え、昼過ぎには上がるそうで、
一雨一雨毎に暖かくなり春を迎えるのでしょうか?
でも昼からのお出かけには嬉しいことです。
グレゴリウス暦で314年前の1703年1月30日は、
旧暦では元禄15年12月14日「赤穂浪士討ち入りの日」、
本当は大寒時期の一番寒い満月の日だったのですね。

この事件にほんの少し縁のあるお菓子を紹介します。
先週の金曜日、お稽古の菓子として差し上げた
山陰の小京都・津和野の『源氏巻』沙羅の木 ことぶきや

誕生の逸話として、ことぶきやHPでは
”頃は元禄11年赤穂の浅町内匠守の刃傷が起きる前のこと、
 当時の津和野藩主、亀井滋親公が勅使接待役を命じられ、
 吉良上野介に典儀故例の指導を受けていましたが、
 浅野同様、数々の辱めをうけて大いに憤り、
 吉良を斬って自らも自害する決意をしました。
 それを知り国家老多胡外記が御家の一大事と早速吉良家に
 進物を贈りつけたところ、吉良の態度は一変、
 殿様は無事大役を果たす事ができました。
 その時の進物「小判を包んだ形のお菓子」が源氏巻の原型
 津和野を救った縁起の良いお菓子として親しまれている”と

吉良の殿様は地元では今でも名君と云われているのに・・・
実際はどうだったのでしょうか?
この菓子の逸話も本当のところは、
幕末に津和野藩の御用菓子司が銘名を頂くため、
紫色の餡を詰め込んで、11代藩主に献上された際、
妻・貢子さんが紫色の餡に感動し「源氏物語・若紫」の
『手に摘みていつしかも見ん紫の根に通ひける野辺の若草』
からあやかって「源氏巻」と名付けられたと。

『餡』って、よく見る色は、黒っぽい茶色?のイメージ
紫色に見えるということはどうしてなんでしょうか?
津和野・三松堂さんのHPでは
”今の小豆は昔のものと少し品種がちがっているのでは、
 今も産地によっても微妙に色が違ってくるものなので、
 昔から津和野で取れている小豆はその様な色なのかも”と

茜丸のあんこは、作るのが非常に難しいとされる
 「藤紫色」に仕上げられているそうで、HPによれば
 大きな理由のひとつは業界でも群を抜くほどの低糖度で
 あんは砂糖が少ないほど、砂糖が焦げたキャラメル色が
 つきにくく、生豆に近い美しい藤紫色になる。

*和菓子屋さんの餡作りは、百人百様、巷間言われているのは
 あんの色が照りの少ない赤紫色になった時が練りあがり
 だそうですが、実際にやってみると、見極めるのは難しい。

季節・天候・時間により太陽光の自然光は変化しますが、
現在はそれ以上に人口光(蛍光灯・LED等)の光線の
具合でも色の変化する要因は大きく異なります。

時代に思いを馳せるだけでも面白いですね。

「雪餅」を主菓子に

2017-01-15 17:34:55 | 主菓子とお干菓子
昨夕から雪時雨から、今朝の奈良はうっすら雪がつもり、
若草山や高円山にも雪が見られますね。
 1/15⇐1/14
陽が射すとともに時折、雪も舞いますが、
積もった雪も溶けだしました。
 
一安心、というのも今朝から薬師寺さんで催される
吉祥天にちなむお香とお茶の会」へ三人で伺う予定なのです。
雪が積もっていれば、歩くのも大変ですから、
着物は止めにして、ゆっくりと12時までの受付けに
間に合えばということになりました。
それまで、昨日の主菓子をブログにアップしましょう。
今の天候に相応しい「雪餅」と名に。
京菓子は、外側に氷餅を砕いた物をまぶして
きらきらときらめく雪の美しさを表されますが・・・
お稽古では雰囲気だけでも味わっていただきました。
 
百合根きんとんに栗を少し入れております。
美味しいと言ってくださる方から、”こんなにも和菓子が
美味しいとは思わなく、和菓子も勉強したい”とのこと
京都には専門の餡屋さんがおられるぐらい、餡が大切なので、
良かったら、和菓子教室をお教えしましょう。
もう、薬師寺へ行く時間になりました。

名残でも「三秋」はダメ?

2016-11-26 19:14:36 | 主菓子とお干菓子
今から思いますと、先週が奈良の紅葉、見頃でしたね。
今週は、東京では思いがけない初雪もあり、ここ奈良でも
秋が過ぎ去り、一気に木々の葉も散り初冬の装いに。
お稽古の主菓子に悩みます。
紅葉の素晴らしさで22日は、「紅葉重ね」をお出ししましたが、

25日は、・・・「紅葉重ね」をアレンジし、
思い浮かんだイメージで、銘「三秋」と
 
でも後から調べてみますと・・・
Goo辞典によると「三秋」とは
1 秋季の3か月。初秋・仲秋・晩秋。陰暦の7・8・9月。
2 3回、秋を過ごすこと。3か年。
今日26日は陰暦10月27日、名残でも遅いですし、
三秋の思い(一日千秋の思い)で待ちこがれる方も・・・
とんだ失敗で、不適切な銘になりました。スミマセン
これに懲りずに、イメージすることは大事ですから、例えば
白の百合根金団で、「初雪」とする方がbetter?。

昨日のお稽古、最後の炉開きの方ですので、
「壺荘」のしつらえにしております。
もちろんお稽古では
小習い十六ヶ条「壺荘」もさせていただきました。
そして開炉祝いのお善哉、亥の子餅も昨日でお終いでした。
こうして日々が過ぎていきます。
  
さあ、来月「極月」どういたしましょうか?
袴腰餅でおもてなしさせていただきましょう。

亥の子餅と善哉で

2016-11-23 08:22:46 | 主菓子とお干菓子
昨日早朝の地震による津波も大した事も起こらず、一安心。
自宅稽古、炉開きのお稽古においでいただけました。
玄関のタンキリマメのつる、ひと月の間枯れずに、
でもよく見ると葉に穴が開き黄ばみ、枯れかけています。
アクセントに渋柿を置いておくと、誰かが庭の子蜜柑を。
何か意味があるのでしょうか?
 
庭の椿、西王母と初嵐が同時に咲いてくれましたので、
 
広間の稽古場に初めて紅白の椿、そろえることが出来ました。
 
まずは炉開きのご挨拶に続きお善哉、稽古が始まります。
気が付いたことがあります。
年配の方でも小豆を煮て作られる方が少ないことで、
お若い方々なら、なおされでしょうね。、
そして私一人で、お餅を焼き、温かい善哉をお出しするのが
なかなか面倒になって来たことなのです。
年とは言いたくないけれど・・・
来年の「炉開き」は日を決めてしましょうかね。

そして主菓子には、前日に『亥の子餅』を
  
少しグチもはいりましたが、
喜んでいただけることは嬉しいものです。ガンバロウー

今日は、お昼二時から西宮北でのコンサートですので、
朝の出稽古は、着物で伺いたいと思っております。

日を重ね・・「紅葉重ね」にて

2016-11-22 14:27:50 | 主菓子とお干菓子
今日は11月22日(いいふうふ)の日、でも早朝から福島で
東日本大震災の余震と思われるM7.4の地震、震度5弱、
津波警報も出され、TVで渦を巻く引き波を見た途端
311のあの日のことを思い出しました。TVではアナウンサーが゙
”逃げてください”と執拗なまでも繰り返されており、
大きなこともなく良かったですね。また危機管理がなされた
各機関の迅速な対応ぶりに、安心させていただきました。
でも・・・、関西では???
防災に役立つサイトを見つけました。
重ねるハザードマップ』、 国土交通省から出されており、
身の周りの防災に役立つ情報をまとめて閲覧できますね。

寝ていた私はというと、相方の”東北で地震”との声で
目覚め、TVを見ておりますと時間が・・・
例の如くバタバタと自宅稽古の準備中に、相方の指摘が。
忘れていたこと、生活クラブの配達日だったことです。
注文書にも記入しておらず、手作り味噌の注文書はいずこに、
ああ、昨日する予定・・・日中は三男家族とお昼のテーブル
夕方は長男家族と夕食のテーブルを囲んでしまい、
完全に抜け落ち、年を重ねたくないですね。
 
今日は1122と日を重ね、防災で重ねるハザードマップ
私はというと年を重ね、この『重ね』にあやかり
19日の自宅稽古日のお菓子『紅葉重ね』を紹介します。
 
芋と安納芋()の金団に百合根金団を色にして。
このモチーフは今年のきれいな紅葉で、
お稽古場から眺める庭の満天星つつじがことのほか紅葉し、
遊歩道も、もうすぐ落ち葉を踏めるきれいなグラデエーション
雰囲気は出ておりましたでしょうか?。
 
今日は朝から本当に驚きましたが、防災・防災・防災!

素朴なお菓子「松風」亀屋陸奥を

2016-11-09 14:27:05 | 主菓子とお干菓子
先日、龍谷ミュージアム「浄土真宗と本願寺の名宝Ⅰ」展
伺った帰り京都駅までと思い歩きはじめると直ぐ近くに
亀屋陸奥という和菓子屋さんが目にとまり、

店内に入られる方につられて私も勢いで入りました。
縁起物のお菓子などが所狭しと並べられおりましたが、
お一人で10個や5個と買われるお菓子「松風」、
本願寺ゆかりの銘菓に目がとまりました。
 
ケシの実がまぶされたやや薄いカステラ様の菓子で、
10日程度持つとのことで、お稽古にでもと思い一つだけ手に。
そして先日の「炉開き」の折、お出しすることが出来ました。
表面は甘辛い白みその風味が漂うパン?の不思議な食感で、
昔食べたことのあるような懐かしい素朴なお菓子でした。
 
銘の由来等は、HPによりますと
小麦粉、砂糖、麦芽飴そして白味噌を混ぜ合せて
自然発酵させて出来上がった生地を焼いてあるそうで、
1570年に始まり11年間続いた織田信長と石山本願寺 の合戦で、
当家三代目大塚治右衛門春近が創製した品が、兵糧の代わりと
なったことより、顕如上人が詠まれたお歌 
『わすれては波のおとかとおもうなり
        まくらにちかき庭の松風
から「松風」という銘を賜られたとされ、信者さんにとり、
石山籠城ゆかりの菓子で、本山へ詣られた証かもしれません。
それで、お土産に沢山お買いになっていたのですね。

浮島の「秋の夜長」と柿寿賀にて

2016-10-22 15:43:18 | 主菓子とお干菓子
奈良は今朝から肌寒く、どんよりとしたお天気に。
第68回正倉院展」が奈良国立博物館で始まりましたね。

昨日は立礼にて、点茶盤薄茶・濃茶での自宅稽古、
前の晩遅くに、主菓子がないことに気が付き、考えたのが
こんな浮島です。

作る楽しい時間が過ぎ終えたのが日付けが変わってから、
当然、秋眠暁を覚えず?
夏の疲れとともに、どっとやってまいります。
ずるずると昨夜の夜長を引きずりて
             稲畑廣太郎
秋の夜長』と名付けました。

『夜長』は字の如く夜が非常に長く感じられることなのですが、
二つの相反する意味を生じておりませんでしょうか?
一つには、ゆったりとした楽しい夜になる意味と、
言下には秋の夜の寂しさも現れてまいります。
このことから苦しい長い夜とも捉えられないでしょうか?
さて、どちらに捉えられたでしょう。

お稽古には、栗も入っておれば、尚のことよかったのですが?
「柿寿賀・かきすが」をお付けし、秋を感じて頂きました。
 
「柿寿賀」は奈良・総本店柿寿賀さんで、
干し柿に、柚子皮を芯とし堅く巻き上げられており、
かすかな甘みと柚子皮の酸味が口の中に広がります。

しつらえを紹介します。
玄関のしつらえにそっと置かれたかぼちゅの飾り、
私ではなく相方が、どこから持ち出したのでしょうか?
聞くと、”ハローウィンだから”と、
センスが?、でもそのままにしておきましょう。
 
秋明菊に朝露だったら良いのですが?

立礼の稽古場の点茶盤は、

床は、宗全籠に薄、杜鵑草、秋明菊、背高泡立草、紫式部
  
楽しい点茶盤でのお稽古でしたが、
そっと置かれた、茶壺にお気が付かれたでしょうか?
楽しい秋の夜長を十二分にも、感じて下さいね。

「光琳の菊」と秋明菊で

2016-10-18 16:43:18 | 主菓子とお干菓子
今日の奈良の最高気温は27.1℃と暑くなり、
お出かけには、日傘が必須で、半袖があれば、
この暑さは続きそうで、一部で色づき始めた紅葉は、
虫食い状態に、今年の紅葉はどうなることやら?


土曜日の自宅稽古は、皆様お忙しいのか、
朝からお一人のみになりました。
玄関のしつらえは、
タンキリマメの赤い鞘と蔓のエレガントさに負けない
竹ひごで編んだ竹花入れに替えてみました。
 
お稽古場には、今年やっと咲いた秋明菊を、
 
花入れにはこの白い秋明菊、杜鵑草、紫式部、薄で、
床のしつらえになりました。
  
中置初炭、中置運び濃茶にてのお稽古の準備も忘れずに。
 
主菓子は軸の「寿楽」からめでたい「万寿菊」とも呼ばれる
「光琳菊」を、そして『光琳の菊』と名付けました。

忘れるところでした。
今晩、次男坊の嫁さんの何回目?の誕生日のお祝い、
孫たちの好きな料理を作らなくてはなりません。
昼から、11月の茶事?に向けてのお稽古の予定でしたが、
私もお稽古できないのは残念・・・でも、
昼からのキャンセルは有難いことになりました。

旧暦の重陽の節句は、秋明菊と「吹上菊」で

2016-10-11 00:18:19 | 主菓子とお干菓子
10月9日は旧暦の重陽の節句(9月9日)でしたね。
8日の薬師寺の呈茶で『秋風の吹上に立てる白菊は・・』
菅原道真の短冊を拝見して、9日のお稽古には、
菊にちなんだ主菓子をと、そして菊の花を活ければ・・・
ここまではよかったのですが、
前日の暑さの疲れからか、9日の朝の涼しさもあり、
すっかり、忘れて・・・・
秋風」と名付けました。

また我が家の庭の菊は、蕾の状態。
菊の名が付く『秋明菊』は二鉢ありますので、本来の白の
秋明菊はもうじき咲きそうなのですが、まだ蕾。
貴船菊と呼ばれる、うす紫紅色の八重咲の花が咲いており、
 
床に活け、中置で五行棚のお稽古を済ませました。
 
次の10日朝、ぐっと冷え込み最低気温は12.7℃にも、
着せ綿が出来るのではないかと思わせるほど冷え込み、
あれれー、
昨日が旧暦の重陽の節句だったことに、思い至りました。
『秋風の吹上に立てる白菊は・・』の白菊は

「浜菊」別名『吹上菊』でしたね。
主菓子は『吹上菊』として少し手を加えますと、
 
いかがでしょうか?
さらに床にも、貴船菊をもう一輪追加しております。
  
中置の五行棚の稽古も十分に楽しんでいただけ、
次は中置の大板もさせて頂きましょうかね。

参考
 菊は、古来中国では厄払いとしての薬草とされていたが、
 その後お祝い事、特に重陽の節句には、不老長寿や
 繁栄を願い、菊の花を飾り、着せ綿や菊酒として頂いたり、
 菊枕や菊湯として用いたりされております。

呈茶の短冊から主菓子を「秋風」と

2016-10-10 08:15:11 | 主菓子とお干菓子
10月8日は薬師寺・天武忌での呈茶のご奉仕でした。
始まる9時過ぎ、金堂と大講堂から若草山を望みますが、
晴れ間ですがやや霞んでおり、蒸し暑くなりそうな予感
・・・本当にそうなり、大変でした。

西回廊での野点席への案内が、

大講堂へ僧侶さんたちが向かわれ、
天武天皇のご遺徳を偲ぶ法要が始まります。
 
午前10時半 金堂前にて十二神将練供養(ピントが

午後0時 大講堂前にて、恵那農業高等学校から次米献納、
そして次米お田植おどり・抜き穂おどりが披露されており
(飛鳥池遺跡から天武天皇に岐阜県の「恵奈(恵那)」から
 米が献上されたことを記した木簡が出土したことから)
万燈会の準備ももうすでに終わっておりました。
18時から点燈され幽玄の世界が始まるのですね。
HPより 

呈茶の席に、こんな短冊が掲げられておりました。
秋風の吹上に立てる白菊は 
      花かあらぬか浪の寄するか

      古今和歌集272 菅原道真
詞書によると、この歌は菊合に添えられた歌で、
”秋風が吹いている和歌山の吹上の浜に立っている
 菊の花は、風に揺れて花なのか違うのか。
 はたまた、寄せ来る波なんだろうか。”と

この歌から『吹上』を思い描いた先人たちの感性は
素晴らしく、二つの事を忘れてはいけませんね。
一つは、唐物文琳茶入、銘『吹上』で、
小堀遠州の命名になり、中興名物、
仕覆はしじら間道、白極緞子でしたね。
松平不昧公そして五島美術館へと渡っております。

そして二つ目は、この菊の花「浜菊」で別名は吹上菊とされ、
一説にはこの歌が由来だそうで、茶花でよく使われます。

このお話を明日のお稽古に、そして主菓子は
ゆり根きんとんに安穏芋をそえてみました。
「浜菊」では?、昨日の朝は雨が止み急に肌寒くなり、
秋風』と名付けました。
 
今朝も、自宅稽古日ですので、準備しなくては!

余談)
今朝、寒さで5時前に目覚め、何気なくラジオを聴くと、
ラジオ深夜便の最後の今日の誕生花の件が・・・
まあーなんと『浜菊』で友愛だそうです。