塩船観音寺参詣の続き。薬師堂から階段を登ると茅葺の本堂が現れる。屋根の上の茅には草が生えている。この本堂も国重要文化財、中に拝観料100円を払い入る。
本堂には正面に厨子がある。室町時代の作と言われ、右扉には普賢菩薩、左扉には文殊菩薩が描かれるなど精密な造り(国重要文化財)中央には十一面観世音像、その周りには二十八部衆、いずれも鎌倉時代の作品と思われる(国重要文化財)。
特に十一面観世音には彩色が施されていて天冠上には化身十一面を2段にいただく。優しい面持ちの慈悲溢れた姿をしばし見いる。
さらに二十八部衆はいささか遠くにあり、細かくは分からないが厨子の左右に二十八躰あるのは迫力である。
本堂を出て左手に歩くと鐘楼、その先の山の上には大きな平和観音像を見ることができる。その下には護摩堂や自動車祈願所などがあり、それを取り囲むようにツツジの木が数えられないほど植えてある。
(ツツジの頃)
夏見ると緑一面だが、さぞやツツジの季節は美しいだろう。
護摩堂や不動明王の青銅像を見て帰途につく。その山道にはナツカイドウ(夏海棠)のピンク色の花がたくさん咲いていてサルスベリ(百日紅)のピンクとともに目を楽しませてくれた。
都内から1時間ほどでこれだけのんびりした風景の中に入れるとは、緑を目に焼き付けるなどたまにはいいものである。