アジサイの花が萎れ、アガパンサスの花が終わるといよいよ盛夏となる。今年の関東地方はカラ梅雨に近いため、少し植物カレンダーが早く動いているような気がする。この時期に盛りを迎えるのが、サルスベリとムクゲである。
ムクゲはアオイ科の落葉樹で3〜4mほどに育つ。よく間違えられるのは白居易の詩『槿花一日の栄』の中に歌われている『朝咲いて夕方には萎む』というくだりのため、朝咲いて夕方には萎む一日花と思われているが、実は一重の花でも2〜3日は咲いている。また、萎むと花全体が根本にボトボトと落ちる。
花の色は白、薄いピンク、ピンク、紫とあり、また、中心部が赤いものや、八重咲きのものなど結構バリエーションがある。有名なのは白の一重、花底が赤い種類を千宗旦が好んだため『宗旦木槿』(そうたんむくげ)と呼ばれている。
また、韓国ではムグンファと呼び、国花とされている。韓国の国会議員バッチやソウル〜釜山間の急行列車の名前にも使われているほどである。一説には落ちても落ちても次々に花を咲かせる生命力の強さを表すとも言われている。
ムクゲは確かに次々と花を咲かせる樹木、花の種類も豊富で、特に小生は宗旦木槿が好きである。久我山駅までの間にも6本くらいあり、晩夏まで今しばらく目を楽しませてくれる。