放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

Love Forever2

2010年09月17日 14時30分22秒 | 肝苦りぃさ
 9月10日金曜日
 真新しいシーツが出されました。
 その日のうちに大型犬の骸は檻から出され、シーツにくるまれて火葬場へ運ばれて行ったのです。

 お義父さんは「遺骨はどうするか」と訊かれたそうです。
 「いらない」と答えたそうです。
 
 あんなにかわいがっていたのに、どうして? と訊きましたら

 「なに?もって帰ったって置くところがねぇべ? 仏壇サ上げるわけにもいかねぇべし、墓に入れるわけにもいかねぇ。結局、川サ流すか山に埋めるかしかねぇんだど。」との答え。
 「猟師のヤツラなんて死んだらたぁだ山に活ける(埋める)だけなんだぞ。オレは火葬にした分だけまだマシだ。」

 それでも檻には花器がありキクが挿してありました。
 僕らもキキョウを挿しました。

 きっとあの子はお義父さんと一緒に帰ってきたのです。見えないけどどこへも行っていないのです。だから骨は、いらないのです。

 それにしても、この1年は「命」について考えさせられることが多いです。子供たちも、ずいぶん考えさせられたようです。
 キキョウをあげよう、と言い出したのは子供たちです。あの子の手綱を引いてあるいたからこそ、そういう気持ちになるのでしょう。

 がらんとした、それでもなつかしいケモノの臭いが残る檻に向かって、「いつまでもここにいていいんだからな」とつぶやいて僕たちは手を合わせました。 

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