待宵(まつよい)
***
東の空に浮かぶ火星が
月を見上げて
瞬いている
凛と優雅の妖艶を
妬むような
赤い光で
・・・
***
明月を待ち焦がれる前夜
旧暦八月十五日は
一年で一番美しい月が見られる夜
この夜に出る月は
中秋の名月といわれ 愛されてきました
「待宵(まつよい)」は
その十五夜の前夜
八月十四日の夜のことです
名月の前夜
空には限りなく満月に近い月がかかります
明日も
こんなふうに晴れればよいと
今夜のように美しい月が見られるといい
そんな願いをこめて
名月を待つ夜を過ごしたのでしょう
明日は雨かもしれないという
心配も含まれていたのでしょう
その思いが
「待宵(まつよい)」という
美しい言葉を生みました
今年の名月は今月27日です