秋扇
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ふっと
あなたを思い出して
思い出したということに
少し驚く
もう~ひとときも
離れられないと
思った頃も あったのに
・・・・
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秋扇
部屋の片隅に忘れられる扇
クーラーも扇風機もない時代
夏に涼を取るために
団扇や扇を使うのが一般的でした
夏の間は重宝がられ
大事に使われていたのに
団扇も扇も秋が来れば
不用のものになってしまいます
「秋扇」とは
秋になっていらなくなった扇のこと
そこから
「秋扇」には 恋人の思いが
さめてしまったこともさすようになりました
恋が燃え上がっているときは
毎日のように会っていたのに
時がたつにつれて
間遠になってしまう
恋愛にはときとして
こんな結末も待っています