その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

秋の野原

2007年09月06日 | Weblog

秋の野原

***

毎年 秋になると

きみとよく ここに来たね

花野を揺らす風に吹かれて

二人の未来について

思いを馳せた

いまはもう

想い出を

数えることしか 出来ないけれど

・・・

***

 

華やかさより 愁いのまさる秋の野

秋の草花が咲き乱れる野原を

「花野」といいます

花一文字は歳時記の春の季語ですが

「野」がつくと秋の季語になり

言葉のイメージも変わります

秋の草花といえば

萩(はぎ) 葛(くず) 撫子(なでしこ) 野菊

桔梗(ききょう) 吾亦紅(われもこう) 女郎花(おみなえし)など

春の花に比べて色もはかなく

もの寂しい風情の花が多くなります

春の野が目に鮮やかなうららかさで

思い浮かべられるのに対して

「花野」は

華やいでいるというよりはどこか寂しげな

しみじみとした風情があるのもそのせいでしょう

「なにとなく君にまたるるここちして

出し花野の夕月夜かな」

明治時代の歌人 与謝野晶子は

こんな美しい恋の歌を詠みました

なんとなく恋人の面影を思って

胸が騒ぐ秋の夜

心のままにさまよい歩く花野の美しさと

空にかかる月の光

幻想的で心に染み入るような情景ですね