桔梗(ききょう)
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始めてこの花が桔梗と知ったのは
そろそろ異性を意識しだしたころ
少し気になっていた人の
庭に咲いていました
母親同士がとても仲がよくて
でも同級生なのに
口を利いたことが少なかった
どこかでお互いを
意識していたのでしょう~
やがて・・
何かのきっかけで
話し合うようになり
幼友達は親密な友達に・・
しかし
成長と共に
別々の道を歩むことに
初恋は結ばれないと
桔梗の花に添えられた手紙に
・・・
桔梗が咲くころ
今でも現実になって現れそうな
遠い想い出・・です
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~秋の野に 咲きたる花を 指折り
かき数ふれば七種(ななくさ)の花
萩が花 尾花 葛花 撫子の花
女郎花 また 藤袴(ふじばかま) 朝顔の花~
「万葉集」(山上憶良)
秋の七草に数えられる朝顔は
桔梗のことだといわれています
中世のころは
漢名をそのまま音読みして
「きちこう」と呼んでいたようですが
しだいに「ききょう」に変化しました
か細い茎に
わしで作ったような一重のしゃんとした花びら
背筋をぴんと伸ばしたような
楚々とした風情がただよいます
~朝顔は 朝露 負ひて 咲くといへど
夕影にこそ 咲きまさりけり~
「万葉集」(読み人しらず)
朝から咲き続け 夕方にいっそう
その艶を増す・・・
見習いたいですね