月鈴子(げつれいし)
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夏も終わって
風鈴をしまうときに
どうして風鈴だけ
外にぶらさげるの?
あなたに言われて
ほんとねぇえ~
でもね・・
風鈴の代わりに
これからは
鈴虫が鳴いてくれるから
すると・・
なぜ音のするもの外につるすの?
またまた始まる・・
なぜなぜ攻撃・・
大人になるって
こういうことから始まるんだね
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月から降ってきた鈴
月鈴子(げつれいし)は
鈴虫の異称で
ほかに金鐘児(きんしょうじ)
月鈴児(げつれいじ)ともいわれます
鈴虫と松虫が
いまとは逆で 平安時代から親しまれてきました
~虫は鈴むし ひぐらし 蝶 松虫・・・~(枕草子)
にも書かれているます
だからこそ
子どもに見立てて名前で呼ぶほど
愛着がわいたのかもしれません
どんな虫でも
最後の羽化を終えた直後の真白な姿は
この世のものとは思えないほど美しい
それまで何度も
脱皮を繰り返し
やっと成虫になった瞬間
それを思うと「リーン リーン」と
美しく鳴く声が
月から降ってきた
鈴の音のように聞こえてきます