かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(59)――朝日歌壇・俳壇から(2019年9月22日~10月20日)

2019年10月21日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

三カ月の線量測定四回目ガラスバッジで九年目の秋
         (福島市)米倉みなと  (9/22 永田和宏選)

「福が満開、福のしま」のポスターよそのフクシマを我は追われき
         (国立市)半杭螢子  (9/29 高野公彦選)

浪江町へ皆で帰ろうと誓い合い避難九年目の成田山(なりたさん)(もうで)す
         (いわき市)盛岡和之  (9/29 高野公彦選)

汚染水と呼ばれし水の悲しみを溜めて千基のタンク黙せり
         (福島市)美原凍子  (10/6 馬場あき子選)

六袋のフレコンバッグ積載し十トントラック今日も列成す
         (茂原市)植田辰年  (10/6 馬場あき子選)

請戸(うけど)地区尾花繁りて雉子(きぎす)(な)く妻恋ふやうに人待つやうに
         (朝霞市)青垣進  (10/6 高野公彦選)

「汚染水」「処理水」同じフクシマの水の呼び名が立場で変わる
         (観音寺市)篠原俊則  (10/13 佐々木幸綱、高野公彦、永田和宏選)

線量計首から提げて案内さる浪江の更地「ここにわが家」と
         (盛岡市)及川三治  (10/13永田和宏選)

避難九年人影のなきわが家に赤きサルスベリの花咲き盛る
         (国立市)半杭螢子  (10/13永田和宏選)

コンビニの灯りの向こうにくろぐろと廃炉に決まりし原発十基
         (茂原市)植田辰年  (10/13 馬場あき子選)

核を持つ国のトップが他の国の格を禁じる あなたはゼウス?
         (五所川原市)戸沢大二郎  (10/20 高野公彦選)

汚染水のゆくえを問えば地の神の怒りのごとく曼殊沙華炎(も)ゆ
         (福島市)美原凍子  (10/20 高野公彦選)

生きるとは語り継ぐことビルマにて戦死せる兄被爆死の姉
         (西海市)原田覚  (10/20 馬場あき子選)

何十年草花咲かせてきた土よ除染土となりて何処へ行くのか
         (須賀川市)山本真喜子  (10/20 佐々木幸綱選)

 

流星に被爆の友の祈りかな
         (川口市)青柳悠  (10/20 大串章選)


 

 

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