かわたれどきの頁繰り (小野寺秀也)

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(82)――朝日歌壇・俳壇から(2023年4月16日~2023年6月25日)

2023年06月25日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

原発の推進策に思うのは牛舎の壁に書かれし遺言
     (石川県)瀧上裕幸  (4/16 馬場あき子選)

ふきのとう十三年ぶりの天ぷらは苦み懐かし春の味する
     (須賀川市)近内志津子  (4/16 馬場あき子、高野公彦選)

ヒロシマと沖縄という良心がわが本棚にあり大江さん逝く
     (寝屋川市)今西富幸  (4/16 佐々木幸綱選)

繋がれしまま被曝して置き去りの牛あはれみしムツゴロウ逝く
     (前橋市)荻原葉月  (5/7 佐々木幸綱選)

フクシマを教訓にしてドイツでは脱原発を完了しにけり
     (京都市)丹羽夜舟  (5/21 馬場あき子選)

原発を進めたような過ちを繰り返すのかカジノ誘致し
     (横浜市)人見江一  (5/21 高野公彦選)

トリチウムいかほど流せど浄(きよ)むるべしとひとは気儘に
     (福島市)青木崇郎  (5/28 馬場あき子選)

首脳らは悲痛な面(おも)で歩み出る原爆資料館のExit
     (出雲市)塩田直也  (6/25 高野公彦選)

核の無き世界を論ずるサミットで核のボタンの真黒き鞄
     (観音寺市)篠原俊則  (6/25 高野公彦選)

核ボタン運ぶ鞄も来日す目立たぬやうに被曝の地へと
     (西城市)村上敏之  (6/25 永田和宏選)

反戦と反核を説き帰路につくゼレンスキーの三十時間
     (千葉市)愛川弘文  (6/25 永田和宏選)

「核のなき世界をめざす」と言うけれど「核を捨てる」と誰も言わない
     (朝霞市)岩部博道  (6/25 永田和宏選)

黒い雨また降らすのか人類は山椒魚は憂鬱になる
     (筑紫野市)二宮正博  (6/25 馬場あき子選)

 

大江逝く核ある春の地球より
     (横浜市)飯島幹也  (4/16 佐々木幸綱選)

(写真と記事は関係ありません)

 

 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
作者が間違っています (岩部博道)
2023-10-25 03:18:39
6月25日の貴ブログに引用された、朝日歌壇の短歌「黒い雨まと降らすのか~」の作者が間違っております。正しい作者は、筑紫野市の二宮正博さんです。御訂正、よろしくお願いいたします。
Unknown (小野寺秀也)
2023-10-25 10:02:43
ご指摘ありがとうございました。
訂正いたしました。

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