かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(65)――朝日歌壇・俳壇から( 2020年9月27日~11月29日)

2020年11月29日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

この夏に「棄民」って言葉二度聞きぬ残留孤児と福島の人
       (和歌山県)石垣多鶴子  (9/27 馬場あき子選)

九年半汚染土袋(フレコンバッグ)はまだ積まれ一万二千個の仮死の土あり
       (福島市)澤正宏  (10/25 馬場あき子選)

大漁旗はためく海へなぜ流すうすめたってうすめたってトリチウム
       (福島市)美原凍子  (11/8 馬場あき子、高野公彦選)

寒村ののるかそるかの原発に未来預けし福島の今
       (福島県伊達市)佐藤茂  (11/8 佐々木幸綱選)

人類史六万年なり十万年保管するてふ原発廃棄物
       (羽咋市)北野みや子  (11/8高野公彦選)

トリチウム、デブリ、核のゴミ原発の落とし子はみな世紀の迷子
       (福島市)美原凍子  (11/22 馬場あき子選)

批准国地図上見れば小さくも核兵器禁止へ五十の重き
       (柏市)菅谷修  (11/22 馬場あき子選)

富岡町の無住の寺の本堂の反原発の大きなポスター
       (いわき市)馬目弘平  (11/22 馬場あき子選)

フクシマの無人の街の晩秋の被曝塗(まみ)れの蛇がさまよう
       (いわき市)馬目弘平  (11/29 馬場あき子選)

 

原子炉に海鳴り近し神無月
       (名古屋市)山内基成  (11/22 大串章選)

 

 

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