かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(24)――朝日歌壇・俳壇から(2015年6月22日~7月20日)

2015年07月20日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

原発をリードした中曽根康弘も集団的自衛権は認めざりしに
             (長野県)小林正人  (6/22 高野公彦選)

木枯らしの音なり春の夜の風が吹いても被曝牛は生きてる
             (川越市)小野長辰  (6/22 馬場あき子選)

戦場の村過ぐるごと野に庭に堡塁のごと汚染土の見ゆ
             (本宮市)廣川秋男  (6/22 馬場あき子選)

原発に真に壊されたはなに山河か町か田畑か家か
             (いわき市)馬目弘平  (6/22 佐佐木幸綱選)

沖縄・原発・改憲・拉致・票の格差我等愚鈍で狡猾で
             (いわき市)馬目弘平  (6/29 佐佐木幸綱選)

国境まで風車群を眺めつつ行くオーストリアは原発持たぬ国
             (常滑市)井上哲子  (7/6 馬場あき子、高野公彦選)

福島のしだいに遠くなりゆくか多摩ナンバーを愛車につける
             (国立市)半杭螢子  (7/6 佐佐木幸綱選)

息潜めアクセルを踏む汚染域夥しきはフレコンバッグ
             (いわき市)田上将夫  (7/12 佐佐木幸綱選)

五年目へ原子炉建屋に人寄れず高額ロボット溝に動けず
             (鹿嶋市)栗崎耕三  (7/12 高野公彦選)

ふる里は遠きにありて思えとや原発避難民十万余
             (山梨県)遠藤民子  (7/12 馬場あき子選)

(こしき)島に群れて咲きたるカノコユリ川内原発に物申すごと
             (福岡市)松本千恵乃  (7/20 高野公彦選)

フクシマとヒロシマナガサキオキナワと日本国中カタカナとなる
             (さいたま市)田中ひさし  (7/20 馬場あき子選)

 

広島忌その二日後も爆撃す
             (福山市)高橋波瑠美  (7/12 長谷川櫂選)

合歓の花被曝無住の村はずれ
             (奈良県三宅町)土屋休丘  (7/12 金子兜太選)