かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(44)――朝日歌壇・俳壇から(2017年6月19日~8月21日)

2017年08月21日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

どうせ駄目 そう言はれてもデモへ行く集会の隅 ひとり分の声
             (長野県)千葉俊彦  (6/19 永田和宏選)

キャラバンのごとく除染土運搬車小雨にけぶる常磐道ゆく
             (茂原市)植田辰年  (6/19 佐佐木幸綱選)

たまあには原発の歌があってもいい我ら避難して六年半近し
             (いわき市)守岡和之  (7/3 佐佐木幸綱選)

紫陽花に切切と雨フクシマはフレコンバックにむっつりと雨
             (下野市)若島安子  (7/10 馬場あき子選)

マンハッタン計画「原子爆弾」の新語を生んで「ヒバクシャ」を生んだ
             (西城市)丹佳子  (7/24 高野公彦選)

テレビから線量数値の流れくる南相馬のビジネスホテル
             (茂原市)植田辰年  (7/31 佐佐木幸綱選)

十三にてヒバクシャとなり七十余年廃絶を問へど国応(こた)えざり
             (浜松市)松井惠  (8/7 馬場あき子選)

若和尚吾から引き継ぎ原爆の投下時刻に寺の鐘つく
             (三原市)岡田独甫  (8/21 馬場あき子選)

パレットに赤色多く絞り出し「8月6日」を描く人の在り
             (広島県府中市)内海恒子  (8/21 佐佐木幸綱選)

大空襲・特攻・沖縄・原爆死 罪なき人の命し無残
             (アメリカ)大竹幾久子  (8/21 高野公彦選)

 

テロよりも原発怖い梅雨の入り
             (長岡京市)寺嶋三郎  (6/26 金子兜太選)

核兵器廃絶のデモ梅雨の星
             (埼玉県宮代町)酒井忠正  (7/3 金子兜太選)

福島の責任取らず蝉の殻
             (福島県伊達市)佐藤茂  (7/17 金子兜太選)

フクシマの蝉よ命のほとばしる
             (八王子市)北野妙子  (7/17 金子兜太選)

核なくせ灼けて丸山定夫の碑
             (相模原市)柴岡友衛  (7/24 金子兜太選)

折り鶴や千羽の黙(もだ)や原爆忌
             (広島市)谷脇篤  (8/7 大串章選)

エノラゲイ幻影を見る原爆忌
             (岸和田市)小林凛  (8/14 大串章選)

原子炉の闇の奥より蜥蜴(とかげ)かな
             (霧島市)秋野三歩  (8/21 長谷川櫂選)

七夕や核兵器去れこの世から
             (狭山市)松崎博  (8/21 金子兜太選)



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