かわたれどきの頁繰り (小野寺秀也)

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(86)――朝日歌壇・俳壇から(2023年11月19日~2024年3月3日)

2024年03月06日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

福島の鰈(かれい)が値引きの棚にある三割引きのシール貼られて
     (長野市)関龍夫  (11/19 馬場あき子選)

原爆の実相伝える資料館十四言語の音声ガイド
     (東京都)佐藤研資  (11/26 馬場あき子選)

能登地震に募金しにゆく福島の復興途上の浪江町の吾は
     (福島県)守岡和之  (2/4 馬場あき子選)

元日が命日となりし人を視ずなおも進める原発稼働
     (佐倉市)中村寛  (2/25 高野公彦選)

原子炉を秘めて大型空母来る橘媛(たちばなひめ)の入水(じゅすい)の沖を
     (三浦市)秦孝浩  (2/25 高野公彦、馬場あき子選)

珠洲原発を造らせなかった闘いは正しかったといま胸を刺す
     (東京都)十亀弘史  (2/25 永田和宏選)

ユキヤナギの白き小花がゆれてゐた大震災前の幸せな日々
     (国立市)半杭螢子  (3/3 永田和宏選)

デブリとふもの人間を睨み続けをりその塊(かたまり)の赤き眼光
     (福島市)美原凍子  (3/3 馬場あき子選)

 

川底に木の実散らばる被曝川
     (長崎市)佐々木光博  (12/10 高山れおな選)

被曝樹の癒えぬ哀(かな)しみ虎落笛(もがりぶえ)
     (長崎市)佐々木光博  (1/7 大串章選)

爆心の空に横たふ寒銀河
     (長崎市)佐々木光博  (1/28 長谷川櫂選)

原発のほかは蕪村の春の海
     (栃木県壬生町)あらゐひとし  (3/3 長谷川櫂選)

老兵のやうな原発冬銀河
     (東京都足立区)無京瑞水彦  (3/3 高山れおな選)


(写真と記事は関係ありません)

 

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