かわたれどきの頁繰り (小野寺秀也)

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(54)――朝日歌壇・俳壇から(2018年12月16日~2019年3月31日)

2019年03月31日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

原発の電力みじんも使わざる福島の地にも核積もりゆく
(横須賀市)梅田悦子  (12/16 馬場あき子選)

阿武隈の空広くして葛尾(かつらお)に七年ぶりの牛棟(むね)に充つ
(福島市)青木崇郎  (12/23 馬場あき子選)

汚染土の埋まる庭先黄杭四つ掘り出しは年明けとなるらし
(郡山市)柴崎茂  (12/23 馬場あき子選)

福島のサルに異常が起きてる小さな記事がとても気になる
(東京都)野上卓  (12/23 佐々木幸綱選)

冬空の青にうながされるように被爆アオギリ眼出しの構え
(宝塚市)萩尾亜矢子  (2/17 馬場あき子選)

規制値を緩めただけで安全な汚染土になる数字の魔力
(福島県伊達市)佐藤茂  (3/3 高野公彦選)

核も基地も九条も原発もなお終わらざるまま桜咲く国
(福島市)美原凍子  (3/3 馬場あき子選)

葛尾の牧舎の男児の書き初めは「夢 牛飼いになってやる」とぞ
(福島市)青木崇郎  (3/3 馬場あき子選)

池の端、病院の隣、公園で百袋(ひゃく)こす汚染土積む八年後
(福島市)澤正宏  (3/3 馬場あき子選)

原発の燃料デブリに触れ初めた冥(くら)くて遠き廃炉への道
(名古屋市)諏訪兼位  (3/10 高野公彦、馬場あき子、佐佐木幸綱選)

「持つ国と持たない国の橋渡し」なれど動かぬ被爆国日本
(近江八満市)寺下吉則  (3/10馬場あき子選)

ロボットがデブリを掴(つか)む衝撃や人智いよいよ闇へ入りたり
(福島市)美原凍子  (3/24馬場あき子選)

浪江町の築一〇〇年の我が生家の予期せぬ更地に三月の雨
(茂原市)植田辰年  (3/31 佐々木幸綱選)

和蠟燭(ろうそく)に少女が描きし花畑大熊町に未だ還れず
(吉野川市)喜島成幸  (3/31馬場あき子選)

 

原発をなほも輸出の寒さかな
(前橋市)荻原葉月  (2/11 長谷川櫂選)

雪とけて村いつぱいの放射能
(いわき市)馬目空  (3/3 長谷川櫂選)

福島に止まつたままの春惜しむ
(福島県伊達市)佐藤茂  (3/31 長谷川櫂選)


 

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