かわたれどきの頁繰り (小野寺秀也)

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(84)――朝日歌壇・俳壇から(2023年9月3日~2023年9月17日)

2023年09月17日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

いさなとり海洋放出拒むがに土用波寄す福島の海
     (下野市)若島安子  (9/3 高野公彦選)

トリチウム全体量は変わらないどう薄めても薄めなくても
     (亀岡市)俣野右内  (9/3 永田和宏選)

核抑止唱える首相と被曝したバイオリン弾く人のヒロシマ
     (出雲市)塩谷直也  (9/10 馬場あき子選)

高校生の原爆伝える紙芝居見つめる多くの外国人の目
     (石川県)瀧上裕幸  (9/10 馬場あき子選)

原爆忌終われば加害者としての日本人の罪を思わむ
     (水戸市)中原千絵子  (9/10 高野公彦選)

ヒロシマの碑文に刻む「過ち」の今こそ重き防衛費増額
     (柏市)菅谷修  (9/17 馬場あき子選)

核の脅威いや増す夏よ海原へ放てばもとへ戻されぬものを
     (松阪市)こやまはつみ  (9/17 馬場あき子選)

企業なき町の経営多難ゆえ預かり申す核燃料を
     (西之表市)島田紘一  (9/17 高野公彦選)

行きました見ました説明しましたと言うためだけに福島へ行く
     (観音寺市)篠原俊則  (9/17 高野公彦選)

霧深き入江の向かう指さされ増殖炉もんじゅはあの辺りです
     (稲沢市)伊藤京子  (9/17 永田和宏選)

 

処理水怖(お)づ藻に棲む虫の音になく藻
     (大船渡市)桃心地  (9/10 小林貴子選)

いまもつてもがく福島蟻地獄
     (福島県伊達市)佐藤茂  (9/17 長谷川櫂選)



(写真と記事は関係ありません)

 

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