かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(67)――朝日歌壇・俳壇から( 2021年2月28日~3月21日)

2021年03月21日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

線量の測定続くふるさとの汚れても山汚れても川
       (福島市)安斎真貴子  (2/28 永田和宏選)

爆死者の目が開きこちら見ていたと語る被爆者条約発効
       (神戸市)塩谷涼子  (2/28 永田和宏選)

原発の避難経路とされし道どれも深々雪の降り積む
       (村上市)鈴木正芳  (2/28 馬場あき子選)

避難区で牛の死肉で生き延びた仔犬がすでに老犬の今
       (福島市)安斎真貴子  (2/28 佐々木幸綱選)

弥生忌や十歳の子がもう二十歳(はたち)汚染水タンクはもう千基
       (福島市)美原凍子  (2/28 高野公彦選)

フクシマを捨てて避難の転々と中野、杉並そして国立
       (国立市)半杭螢子  (3/7 高野公彦選)

10年かあ いろいろあったなあの日から避難したよな助けられたな
       (南相馬市)佐藤隆貴  (3/7 永田和宏選)

フクシマの浪江町偲び「ふるさと」を避難地いわきに歌いて十年
       (いわき市)守岡和之  (3/21 馬場あき子選)

 

三・一一生者に重き十年目
       (佐倉市)杉山勝利  (3/14 長谷川櫂選)

遠景の端に原発桜貝
       (栃木県壬生町)あらゐひとし  (3/14 高山れおな選)

汚染土のおとぎばなしのおぼろかな
       (福島県伊達市)佐藤茂  (3/21 高山れおな選)

フクシマの老いし十年震災忌
       (長野市)懸展子  (3/21 高山れおな選)

 

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