かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(76)――朝日歌壇・俳壇から(2022年3月17日~2022年4月24日)

2022年04月25日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

日向だけ視察していく大臣に見せてやりたし日陰のフレコン
       (須賀川市)伊東伸也  (3/13 高野公彦選)

地震、津波、放射線から逃げし地の知人数多(あまた)の今知れる僅(わず)
       (郡山市)柴崎茂  (3/27 馬場あき子選)

手始めに線量測る畑(はた)仕事十二年目の福島の春
       (須賀川市)近内志津子  (4/3 馬場あき子、佐佐木幸綱、高野公彦選)

うれいつつ祈るごとくに歌い上ぐ原発被災者ナターシャ・グジーは
       (千葉市)相川弘文  (4/10 馬場あき子選)

戻る人戻らない人判断がまだつかぬ人これが福島
       (南相馬市)佐藤隆貴  (4/10 永田和宏選)

使用済み核燃料四千体残るふくしまは仰ぐウクライナの空
       (福島市)青木崇郎  (4/17 馬場あき子選)

ポンペイの灰に埋もれし死者たちに核戦争の未来重ねる
       (一宮市)園部陽子  (4/24 馬場あき子選)

三度目(みたびめ)の過ちとなる瀬戸際に晒されている大戦と核
       (須賀川市)近内志津子  (4/24佐佐木幸綱選)

 

爆心の芝に積もるや春の雪
       (長崎市)佐々木光博  (3/13 長谷川櫂選)

輪郭のなきフクシマの春の暮れ
       (いわき市)馬目空   (4/10 高山れおな選)


(写真と記事は関係ありません)

 

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