生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

多重癌

2009-02-20 22:41:20 | 退院後

私が、医師になったことには、同時期に2つの癌が存在していると、めずらしかったのですが、今では健診の普及や検査技術の向上より、3つ4つと言うのも良く目にするようになって来ました。

検診により早期発見され、内視鏡手術などで治癒した後に他の部位に違う癌が出ることも良く目にします。

 

 

40歳台の患者さんが、乳癌のあとに子宮頚癌になられたのですが、乳癌は早期発見のため温存術でセンチネルリンパ節に転移がなかったため、わきの下のリンパ節郭清なしで、術後放射線治療をして、根治し、子宮のほうも検診で早期であったので、手術のみで根治されました。

この方は、なぜ私だけ2回も・・・・と非常に落ち込んでおられました。40台で2回と言うのは確かに大変なことかもしれません。

しかし、見方によっては”両方とも検診で発見され早期で根治を望める状態にあったことは、非常にラッキーなことかもしれませんよ。 先輩になったので、回りの方に健診を進めて、早期発見を促してください”とお話したら、ボロボロ涙を流されていきました。

誰にも言えずに、一人で苦しんでいたそうです。

2回つらい思いをされているので、落ち込んでいましたが、逆に2回死ぬことを覚悟したのだから強くなっているかもしれません。

 

しかし、日本人の悪いところとして、他人の病気を噂話のねたにして自分の健康を自覚する習慣があります。

いつ自分が病気になるかも知れないことを自覚して、温かい目で見守って欲しいものです・・・