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労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

ダンダリンに乗じた?

2014-01-09 | 書記長社労士 労務管理

 近所に少し前に出来た美容室だけど、朝9時から22時までの営業時間で年中無休、ガラス張りの店内を見ている限り、この営業を支えることが出来るようなスタッフ数ではないのだと思うのだ…。
ダンダリン並みに、「それは労働基準法違反です」って乗り込んでやりたくなるるんやけど

 ってなわけで、厚生労働省も、ちょっとダンダリンに乗っかってみた~♪(のかな?)


 労働基準監督署の役割のリーフレットの更新版はこちら~→労働基準監督署の役割
方面の仕事(申告・相談の受付、臨検監督(指導)、司法警察事務)、安全衛生課の仕事、労災課の仕事を紹介し、臨検監督や労災の状況と、労災と労働基準法の制度の解説がされている。

 労働基準監督官の仕事のリーフレットの更新版はこちら→労働基準監督官の仕事
労働基準監督官についての権限と取り扱う法律について解説し、監督指導の仕組みを説明、監督指導・申告・司法処分の状況、そして最後に必要な手続きの説明が書いている。

 これらのリーフレットを読んでから、再びダンダリンを観ていただければ、あのドラマがもっともっとおもしろくなるよ。
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雇われなのに個人事業主ってのはだめです

2013-12-03 | 書記長社労士 労務管理

「ダンダリン 労働基準監督官」の第9話が27日に放送され、平均視聴率は7.4%、少し持ち直した。
第9話は、休暇を取っていた南三条(松坂)が職場復帰する中、土手山(北村)の息子・雄一(渡辺哲史)が署を訪れ、母親・みどり(西田尚美)がだまされて給料が減ったと訴える。凛らがみどりの働くホテルへ出向き、社長・梶川(松田悟志)に話を聞くと、みどりらは派遣でなはく、労働基準法で守られない「個人事業主」としてホテルから業務を請け負う形で契約を結びなおしたことを聞かされる。経費削減に悩む梶川に法律をすり抜けるために、社会労務士の胡桃沢(風間)が入れ知恵していたのだ。諦めムードの土手山を一喝した凛は課の全員が一丸となってある作戦を実行し…という展開だった。


 雇用契約…当事者の一方が相手方に対して労務に服することを約し、相手方がこれに対して報酬を与えることを約束する契約(民法第623条、労働契約法では第6条)。

 労働者であって、労働者でない。
「偽装個人事業主」という働かせ方が、今回のテーマだった。
本来は使用者と労働者の雇用契約・労働契約という契約であるにもかかわらず、「業務委託契約」「代理店契約」などと称して個人事業主にさせられるケースだ。
このような「偽装個人事業主」という契約によって、労働者として保障されるべき権利が保障されない状況(時間外労働手当等が支払われないとか年次有給休暇が使えないなど労働基準法が適用されない、雇用保険や社会保険がなかったり、怪我をしても労災保険が使えない、源泉徴収などの事務をしてもらえない、などなど)が生まれる。

 そもそも個人に業務委託をする場合、業務を受託する当該個人に「事業者性」が認められなくてはならず、また、契約形式をいくら業務委託としていても、委託者と受託者との間に指揮命令系統がある場合は、適法な業務委託として認められない。

 具体的に、事業者性の有無と指揮命令の有無が判断される要件としては、次のようなものがある。
•業務の依頼に対する諾否の有無
•業務の内容や遂行の仕方についての指揮命令の有無
•勤務場所や時間拘束の有無
•本人に代わって、他の者が業務を行ってよいか
•報酬は時間給か出来高給か
•勤怠管理をしているか
•機械や器具の負担をどちらがしているか
•専属性の程度

 ダンダリン第9話でも、これらの要件に照らし合わせて、事業者性が無く、指揮命令が有ったとして、「偽装個人事業主」だと判断されたということを描いていた。

 人件費などのコストの削減、雇用に伴う解雇などのリスクの回避、などのための「偽装個人事業主」ってのはダメなのだ。
で、これを指南した(入れ知恵した)元労働基準監督官の胡桃沢社労士はどうも悪いやつで、彼が勤める相葉社労士事務所の所長はどうもいい社労士のような気がしてきたww←今頃。
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退職金の役割

2013-10-31 | 書記長社労士 労務管理

 月刊社労士10月号からのネタなんだし、10月中にアップしておかなくては!(^0^;)
10月号の特集は「中小企業と退職金制度 企業を取り巻く現状を踏まえ退職金制度の構築を目指す」ということで、退職金をめぐる情勢と動向、様々な退職金制度の仕組み、退職金制度の不利益変更の対応、そして事例が2つ。

 内容的には「適年廃止」に伴う退職金制度の再構築の時代と状況はさほど変化しているわけではないので、目新しいというものではない。
だけど、労働組合的立場において「う~ん…(ーー;)」って思いっきり考え込んでしまった点があったのだ。

 1990年までの経済成長期における雇用政策はいかに人材を確保し増員していくかにあり、退職金の役割は以下のようなものであった。
○人材の獲得
○定着率の向上、長期勤続による技能と生産性の向上
○退職後の所得補償による仕事への集中
○懲戒時に不支給とする事による不正防止
○定年時の離職促進


 これら5つの役割の効果や必要性は多かれ少なかれ崩れてしまっている。
企業の成長や収益は不安定で、そこに合わすかのように雇用も不安定で、少子高齢化による高齢者雇用が喫緊の課題で、それらの情勢に付き合うかのように、労働組合は、結果的にこれら5つの退職金の役割の値打ちを下げてしまったのだ、ということに気付き、愕然としてしまったのだ。

 もはや現在の退職金というものは、労働者が退職後(老後)所得を確保するためだけのものとなってしまったのか、ということ。
「いやいや、そうじゃないでしょ!」って力を込めて訴えたいのだけど、それは恵まれた大手企業の正社員だけのお話で、中小や非正規では「それどころではない、まず今だ」という反論がたくさん出てくるのではないか。

 いま自分とこの加盟組織のうち、自分の担当業種の労働条件調査結果をまとめている最中なのだけど、うちらの業種では、「いまが大事」(経営的に、または収入的に)の観点から退職金制度を廃止にしたところが少なからずある。
そんなこともあって賃金制度をどう改善していくのか、ということの大きな括りのなかから、もう一度、じっくりと考えてみようっと。
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オール歩合賃金制度の場合の割増賃金

2013-07-25 | 書記長社労士 労務管理
◆事業者の主張 「歩合率に割増賃金分も含まれている」

 しかし
・歩合給の額が時間外・深夜労働を行っても増額されないこと
・通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができない このような場合には「違法」となる。

【深夜労働の場合の例(時間外労働の場合も同様の考え方です。】

仮に、月間労働時間173時間 歩合率50% 営業収入50万円として
月間労働時間がすべて法定内労働であって深夜労働に当たる時間が無い場合は
 50万円×50%=25万円 これでいいのだが

月間労働時間173時間のうち深夜労働が1時間ある場合には

(50万円×50%)+(50万円×50%÷173時間×0.25×深夜労働時間1時間)=250,361円

逆算すると、通常の50%の歩合率は、深夜労働が1時間あった場合は
 支払賃金250,361円÷営業収入50万円=50.0722% となる。

月間労働時間173時間のうち深夜労働が20時間ある場合には
 (50万円×50%)+(50万円×50%÷173時間×0.25×深夜労働時間20時間)=257,225円
逆算すると、通常の50%の歩合率は、深夜労働が20時間あった場合は
 支払賃金257,225円÷営業収入50万円=51.445% となる。

 このようにその月その月の深夜労働時間数に応じて、支払い賃金額(または歩合率)が変動するものでなければならない。

 労働基準監督署の監査などで、深夜労働割増賃金の不払いに関して是正指導があった場合には、この計算方法により2年にさかのぼり支給するよう命じられる。

◆事業者の主張 「人件費が増えてしまう」

 そもそも・・・
現行の歩合率に割増賃金分が含まれているというのが労使の共通認識(慣行)であるならば

現行の歩合率は、標準的な勤務ダイヤにおける深夜労働時間分が包含されているのなら
その標準的な深夜労働時間を明確にし、月ごとにその基準とした深夜労働時間と実際の深夜労働時間の増減に応じて、歩合率を調整する必要がある。

月間労働時間173時間のうち深夜労働が20時間を標準的な勤務だとすると
 50万円×50%=25万円をその場合の賃金だとして

深夜労働時間が20時間を超える場合には
 「月間総営業収入÷総労働時間×歩合率50%×0.25×(実際の深夜労働時間-20時間)」を加える

深夜労働時間が20時間を下回る場合には
 「月間総営業収入÷総労働時間×歩合率50%×0.25×(20時間-実際の深夜労働時間)」を減ずる

 なお、給与明細書には、基準内賃金(所定労働時間に当たる賃金)と、深夜労働の割増賃金は、別々の表示をする事も必要。

月間労働時間173時間のうち深夜労働が20時間を標準的な勤務だとすると
 173時間×X%+20時間×X%×0.25=25万円
となるので、逆算していくと、基準内賃金は・・・242,978円 深夜割増賃金は・・・7,022円 と表示することになる。
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結婚休暇と結婚祝い金

2013-06-24 | 書記長社労士 労務管理
 先日、友人から社員の結婚に関して相談(ぼやき?)があったので、就業規則に慶弔休暇や慶弔金を規定する場合に留意すること(結婚の場合)をメモしておきます。

 結婚したときに必ずしも休暇を与えなければならないということでは無くて、定めた場合には与えなければならないということなので注意。
で、就業規則に結婚休暇の定めをする場合、「本人が結婚したとき ○日」というように定めるが、具体的な休暇の取り方として、
○この休暇の日数に所定の休日を含むのかどうかを明確にしておくこと。(例えば、7日と定めて、そのあいだに土日の所定休日があるとして、含まないなら9日の休みとなるし、含むなら7日の休みとなる)
○分割して取れるのか、連続でないと駄目なのか。
○入籍日または結婚式の日からカウントして取るのか、入籍日や結婚式の日とは関係なく任意の日から取れるのか、また任意の場合、休暇を取る権利に期限はあるのか。(例えば「結婚の日から3カ月以内」のような設定をするのか)
○有給なのか無給なのか、有給のならその場合の賃金の計算方法は。(例えば、年次有給休暇と同額とか、所定労働時間相当の賃金とか)

 結婚したときに必ずしもお祝い金を支給しなければならないということでは無くて、定めた場合には支給しなければならないということなので注意。
この場合は、勤続年数によって金額に差を付けるのか、初婚と再婚と取り扱いを変えるのか(離婚したその相方ともう一度再婚した場合なんかに悩ましい)、入社からどれくらいで権利が発生するのか、社内結婚の場合に一人分の支給か二人分の支給か(人に支給するのか事実に支給するのかということ)。

 ついでながら、結婚して改姓があった場合にどう取り扱うのか、社内結婚の場合には職場の配置転換が必要になったりとか(上司と部下の関係とか、人事に関することのような社内的に機密を扱う部署とそうでない部署の関係とか)、そういったことに関するルールも用意しておいた方がいい。

 で、その友人からの相談とは、「社員が結婚したから結婚祝い金を支給したし結婚休暇も与えた、なのに数ヶ月で離婚しよった!あの結婚祝い金は返還させられないか~!?」・・・(-_-;)あかんて。
「個人的に贈った祝い金は別にかめへんね、でも会社の金で贈った分は他の社員に申し訳ないやろと思うねん。じゃあな、せめて結婚休暇の分だけ、ただ働きさせられへんか~!?」・・・(-_-;)もっとあかんて。


 ぜんこくハイヤータクシー連合会総会後の懇親会。
場所は経団連会館。
ここが経営者の本丸か~。
すっげー豪勢でちょっと圧倒されそう(;゚ロ゚)負けるな俺!


 神田の尾張家、有名なおでん屋さんらしい。
店の人が「関西の人?味だいじょうぶ?」と何回か聞いてきた。
ははは。美味いとか不味いとかと違って、別物ですねん。だから気にしないで。
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日本ではウケたマズローの欲求段階説(爆)

2013-06-19 | 書記長社労士 労務管理

 アメリカの心理学者マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定、彼が人間の欲求を5段階の階層で理論化したものを「マズローの欲求段階説」とか「自己実現理論」とかと呼ぶ。
マズローは、人間の基本的欲求を低次から「生理的欲求(physiological need)」「安全の欲求(safety need)」「所属と愛の欲求(social need/love and belonging)」「承認の欲求(esteem)」「自己実現の欲求(self actualization)」の5段階に分類した。
そして人間は満たされない欲求があると、それを充足しようと行動する(欲求満足化行動)とし、その上で、欲求には優先度があり、低次の欲求が充足されると、より高次の欲求へと段階的に移行するものとしたのが、この理論だ。

 ってのを社会保険労務士の受験生の時に一般常識の科目で労務管理論として勉強し、実務的にも(概念として)人間関係論の延長線上の、行動科学的労務管理に必要な理論だと信じてきたのだけど、先日受けたシンポジウムで、この説は、「1970年代には科学的根拠はないと結論づけられた」、または「欲求階層説は間違っているか、少なくとも理論的に十分なものではい」、などと考えられているということだそうだ。
批判の理由としては、人間の欲求を5つに絞る理由が不明、5つの欲求を独立に抽出することの困難性、欲求は相互に重なり合っており必ずしも低次の欲求から高次の欲求に移行しない、実証的根拠が不明、後続研究における仮説検証ではことごとく反証される・・・などなど。(なんか身もふたもないのだけど)

 しかし、経営学における動機付け理論には大きな影響を与えた概念であるという評価はある、さらに「ウケることはウケた、とくに日本では…衣食足りて礼節を知るってな趣き的に」という評価もある(爆)。

 で、マズローの説への批判を踏まえて提唱された進化した理論ってのが、アルダファーのERGモデル(ERG理論 Alderfer, 1969)。
生存(Existence:E)欲求:物質的な存在(資源)を獲得したいという欲求
関係(Relationship:R)欲求:重要な他人との人間関係を維持したいという欲求
成長(Growth:G)欲求:自分らしい発達と成長の機会を探し求める欲求


 欲求段階説とERG理論を比較すると、ERG理論には、転移可能性という新しい概念を追加
したこと、 段階的・逐次的出現があって、具体性による連続体であるが、可逆的変化もあり、 合成欲求もあるために階層性が問題にならないとされていること・・・・。

 うんうん、可逆的変化・合成欲求という点はたしかに現実的な感覚に近いと思うな~。
ってか、自分が社労士受験生の頃にはとっくにあったERG理論は、どうして誰からも教えてくれなかったのだろうという疑問がいまさらながらあるのだけど。
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「若者が働きがいのある会社」という講演を受けた

2013-05-29 | 書記長社労士 労務管理
 先週の金曜日、東京社労士会の研修に初めて参加出来た。
「人事労務管理課題解決シンポジウム」、前半は基調講演「若者が働きがいのある会社」(慶應義塾大学大学院政策メディア研究家 高橋俊介特任教授)、後半は「人事労務管理の今日的課題」をテーマとしたパネルディスカッション。
前半の基調講演の、高橋俊介先生のお話は、とにかく実践的でそうとう経験を積んでおられると言うことを感じた。
先生の講演の冒頭の概論的な雇用情勢的分析についてのみメモしておきたい。

 雇用の質というものを考える。
雇用の質が低いとは、例えば所謂「ブラック企業」がそれにあたるであろう、社会に出た若者がブラック企業で潰されてしまうと、その人の将来の発展性を阻害してしまっている。
結果、その若者のその後のキャリアが潰されてしまうわけで、失業であったり生涯的収入であったりと社会的コストが増えるという要素があって、ブラック企業=従業員という双方の関係の問題だけでなく、したがって社会的な問題として雇用の質というものを考えなくてはならない。

 日本型の人材育成というのはこれまでは企業内人材育成重視(それもOJT重視)であって、その前提として、長期雇用に基づく世代間継承性の(意識の)連鎖がありそれが日本の強みになっていた。
一方で日本では、国際的に比較して、社会人の大学・大学院入学率や企業内研修の取組は著しく低く、自己啓発と言うことが非常に少ない国であって、変化の時代に理論化体系化見える化が弱くなりやすい育成では、応用力に問題が顕在化していた。
すなわち現在では、雇用の不安定化以上に、キャリアの不安定化(陳腐化)と不十分な学び直し、そして長期雇用に基づく世代間継承性が崩壊しつつあることで日本が得意としていた伝承型OJTの機能不全しているという危機である。
仕事しながら職場で人が育つという機能が低下している、みんなPCに黙々と対峙していて、静かな職場でお互いや職場全体の仕事の見えない化があり、さらに若者の社会性や志向性が変化(低下?)しており(携帯電話世代で知らない人と電話で話したことが無いような若者も多い、昔は彼女の家に電話したら親が出るというハードルを乗り越えなくてはいけなかったのだが・・・笑)、また少子化などで特に地方では地元志向が強く(親が子どもを離さない)、そのような傾向に企業が十分対応が出来ていない。

 そして「雇用の質が劣化」しているという。
サービス業は製造業に比べて、中堅中小企業も多く、雇用の安定性や人材育成機能、労働条件などの雇用の質が低いと言われるが.
しかしこれまで優等生であった輸出型製造業の雇用の質は、グローバル競争や環境変化で、今、大きく低下している。
さらに最近では、輸出型製造業の業績による予期せぬ雇用の流動化によって、輸出型企業を誘致出来たことで地域振興に頼ったにもかかわらず、景気悪化によってその頼りの企業があっさりと撤退してしまって、結果、非正規で働いた人や地元も(そこで働く人を見込んでマンションとか立てまくった人たち、住む人がいなくなって破産に追い込まれた)が、大きな影響を受けた大分や亀山のように、企業=従業員だけの雇用の問題に留まらず、地域をも引き摺ってしまう社会的な問題ともなっている。

 今、日本で伸びている産業としては「介護」の事業。
介護保険が施行されて介護事業が伸びたのだが、もし介護という分野が伸びていなければ、日本の失業率は今のような数字ではない、また沖縄では雇用情勢が厳しいと言われているがサービス業という分野ではたいへんな伸びを示している。
輸出型製造業なんて頼りにならない、サービス業の雇用の質を上げていかなければならない。

 マズローの欲求5段階説をアルダファーが修正した「ERG理論」、人の欲求は、生存(existence)欲求(存在欲求。衛生欲求)、関係(relatedness)欲求(人間関係欲求)、成長(growth)欲求の3階層であるとする理論。
生存欲求(衛生要件)とは労働条件や所得、関係欲求とは職場の人間関係(働きやすさ)。
Rの満足度が高いだけという状況は危険、Rで止まると退職率は高い、成長が無い。
働きやすさから働きがいへ、成長が最大の働きがい。
初期キャリアでの成長経験が、健全な自己肯定観、自己効力観、そして良質な生涯キャリアにつながる、結果として生産性や所得も上昇する(自分に対してポジティブに考えられるようにつなげていくことがポイント=スタバの例)
働きやすさというのは中期キャリア以降で重要になるが、それは中期キャリアの時点では手遅れ。
初期キャリアの働きがいがあって初めて有効、若い時は特に働きやすさより、辛くても負荷が掛かっても働きがいが重要。

 この後、講演では、新人看護職員の早期育成定着と沖縄県の県内企業雇用環境改善支援事業の概要の解説があって、そして実践編と続く・・・(この後がこのこの講演の肝やけどね~そこは自粛)。


 ところで、今日は熱海での午後からの会議へ直行なのでゆっくり、朝からたっぷり波乗りしてやれと楽しみにしたけど、オンショアビュンビュンで潮も多くだるだるのモモ波、波乗りになら~ん、残念。゜(゜´Д`゜)゜。
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「500社を見てきた社労士がこっそり教える 女性社員のホンネ」 青くなる・・・背筋が寒くなる・・・

2013-05-17 | 書記長社労士 労務管理

『―仕事ができる男は、女性の心をググッとつかむのがうまい。女性の部下を持ったら知ってほしいこと。―
おしゃべりだし、 面倒くさいし、徒党をくむし…女性社員ってなんて厄介なん だ! とお思いの皆さん。
じつは、女ほど単 純でわかりやすいものはないし、ちょっとしたコツでいちばん変 わりやすいとも言えるんです。
「女性社員との危機的関係、和解のコツ」から「女性社員に気 づかれず、手のひらの上で転がすツボ」まで、耳が痛いこともあ るかもしれないけど、試す価値はあることばかりギュギュッと詰め込みました。
職場も家庭の環境も、居心地よくするのは自分自身ですよ! 』


 「500社を見てきた社労士がこっそり教える 女性社員のホンネ (青春文庫)」、ビジネスのノウハウ本かと思いきや・・・ホラーです、スリラーです、怖いです・・・あなたははたして最後まで読み切ることができるか・・・。
「はっ!?」ってなりながら自分の胸に何度も何度も聞いてみるけど、そのたんびに青ざめるわ、背筋が凍るわ、脇の下にいや~な汗をかくわ。
長沢せんせの優しい優しい「檄」がびしばし飛んでくるので、「きっとこれは愛の鞭なんだ」と思おうとするが、それさえまともに受けてしまうと血まみれの大流血になりそうだし・・・キョワイ。
それでも最後の章まで、無残なぼろぼろぼろぞうきんになりながらも読み切り、「きっと後書きには優しいお言葉が書いてあって、地獄の底まで落ちてしまった自分の心をそっとすくい上げてくれるのだろう」と一縷の望みを、一線の光明を期待したのだが・・・
ううううぅ・・・長沢せんせ、最後の最後までそれですか・・・。
 
 「ほんの少しだけ、やり方や言い方を変えれば、こんなトラブルにならなかったのに」ってのは、男子と女子とのあいだだけでは無くって、仕事でもプライベートでもあるし、そして労使の関係の中にもよくあること、他力本願や他人のせいにしたりではなく、自分自身を変える・自分自身が変えるということが何事にも重要なんだということをあらためて学ぶ。

 で、自分は読み終わってから、この本で学習したことを実践するために、外見だけ見れば100キロぐらいの荷物を軽々しく持ち上げてしまいそうな立派な体型の女性であっても、さりげなく「持ってあげるよ」と言えるように、昨夜は大急ぎでフィットネスクラブへ駆け込み、いつも以上にハードな筋トレを自分に課したのだが・・・。
合ってる?
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労働者代表をどうやって選べばいいのか

2013-04-09 | 書記長社労士 労務管理
 就業規則の届け出にあたり、労働者代表をどうやって選べばいいのか。

労働基準法第90条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

 となっているように、労働者の過半数で組織する労働組合が無い場合(中小企業のほとんどには労働組合がないわけで)、労働者の過半数を代表する者を選ばなくてはならないが、その者を労働者代表という。
その労働者代表を選ぶときの注意点として

◆事業所ごとに決める・・・会社に支店や工場があれば、それぞれの支店や工場ごとに労働者代表を決めなければならない。(ただ、出張所や営業所など、規模が小さく、組織上独立性がない場合には、直近上位の組織に含めて取扱うことができる)
◆労働者代表になれる者・・・管理職以外の従業員(労働基準法第41 条第2 号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと)、あるいは労務管理業務を担当する従業員以外の者(労働条件を管理する立場にある者は、代表者になることはできない)
◆選任方法・・・36協定など労使協定をおこなう労働者代表を選出することを明示した上で、挙手・選挙・回覧などの選任方法によって、各事業所における労働者の過半数から信任または支持されている者を選出すること。
◆選任時期・・・原則としては、36協定締結前や就業規則変更についての意見を会社が求める前などにその都度選任、例外として、各事業所で労働者代表の選任についての規則を定めた場合には任期制も可。

 次のような方法で選出された労働者代表は無効になる。
・労働者を代表する者を使用者が一方的に指名している場合
・親睦会の代表者が自動的に労働者代表となっている場合
・一定の役職者が自動的に労働者代表となることとされている場合
・一定の範囲の役職者が互選により労働者代表を選出している場合


 さて、この毎日新聞のニュース、非常勤講師の就業規則を巡り、制定の手続きに不正行為があった可能性があるとして、首都圏大学非常勤講師組合早大を近く労働基準法違反の疑いで刑事告発するというもの。
大学側は2月4日には過半数代表者を選ぶ手続きを始めたとする文書や同月14日の公示などを示し、手続きは正当に実施したと説明したが、組合側によれば、同14日は入試期間で非常勤講師は公示場所に立ち入ることができず、その後も手続き文書を見たことはなかったという。代表者選びの投票結果も公表されないことから、告発を決めたという内容。

 その問題となっている就業規則とは、非常勤講師のこれまで上限のなかった雇用契約期間を、新たに上限を設け通算5年とする内容。
これは4月1日から改正施行された労働契約法に伴った就業規則の変更と思われるが、このような対応は、大阪大や神戸大も検討しているをうで、また同様の動きは他大でも出ていたが労組の抗議で撤回や凍結したという。

 このような労使トラブルはおそらくこれから、あちらこちらで起こるだろうとは思っていたが、この記事で書かれていた「組合から相談を受け団交にも参加した佐藤昭夫早大名誉教授(労働法)は「『違法な手続きだから期間を空けてやり直したらどうか』と警告したのに大学側は強行した。学生時代から50年も関わった母校だが進歩に逆行するようなことをしてはいけない」と話す。」という点をしっかり押さえた上で対処して欲しいと思う。

 ところでもう一度「労働者代表」に話しを戻すが。
就業規則の届出の際、労働者代表の欄に名前が入っていれば、特にどうのこうのってのは無いのが現実、そして労働者代表の選出が不当であってもその就業規則の効力が無くなるということはないってことは付記しておく(あ、でも36協定はそうはいかない!)。
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クーリング期間が違法とされて正社員と認められちゃった!(*゜д゜*)オー!

2013-03-14 | 書記長社労士 労務管理
 最初のヤマ場は乗り越えられたようだ!

元派遣13人を正社員認定 雇用制度訴訟、マツダ側敗訴(朝日新聞) - goo ニュース
 山口県防府市のマツダ防府工場の派遣労働者らの雇用形態の是非を巡って争われた訴訟で、山口地裁(山本善彦裁判長)は13日、「(雇用)制度は労働者派遣法に違反する」として、元派遣社員15人中13人を正社員と認め、未払い賃金などの支払いを命じる判決を言い渡した。派遣社員などの身分で働いていた15人が、最長で5年6カ月間雇われた後、契約を打ち切られたのは不当だとして、正社員としての地位確認などを求め、2009年4月に提訴した。争点となったのは、マツダが04年10月に導入した「生産サポート社員制度」。国の指針では、派遣の終了から次に雇うまでの「クーリング期間」として3カ月間が必要とされている。だが、マツダはこの「空白期間」を埋めるために派遣と派遣の間に「サポート社員」を挟んで、同じ職場で働かせ続けていた。

 労働者派遣法では、派遣可能期間の制限は26の専門業務については定めがなく、それ以外の業務については原則1年、派遣先の過半数労働組合などの意見を聞いた場合は最長3年まで延長できることになっている。
この派遣可能期間を超えて、その業務に引き続き派遣労働者を使用することは出来ず、また、その派遣労働者が行っていた同一の業務に直接雇用する労働者を雇い入れる場合、派遣先はその期間が満了した派遣労働者に対して「直接雇用の申込み義務」が発生する。(なお、この派遣期間の制限は「派遣労働者」ではなく「派遣業務」にかかる。)

 しかし「派遣先が講ずべき措置に関する指針」(平成11年労働省告示第138号)(最終改正 平成24年厚生労働省告示第475号)というのがあって、これの「労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の適切な運用」のところに、「派遣先は、労働者派遣法第40条の2の規定に基づき派遣労働者による常用労働者の代替の防止の
確保を図るため、次に掲げる基準に従い、事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から同条第2項に規定する派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこと。・・・・労働者派遣の役務の提供を受けていた派遣先が新たに労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が3月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと。」ってのが書いてある。

 ということは、専門の26業務以外の業務で3年間派遣労働者を受け入れた場合、その後、同じ部署で2度と派遣労働者を受け入れることができなくなるというわけではなくって、派遣期間終了後から3カ月を超えた期間の間を空ければ、同じ部署で派遣労働者を受け入れることができるとされてしまうのだ。
これが「クーリング期間」と呼ばれているのだ。

 このクーリング期間に、労働者を補充しないと仕事が回らないが、その期間が終わった派遣労働者を正社員にしちゃうとあとで辞めさせるのが面倒だし賃金コストも上がってしまう、しかし出来れば仕事に慣れたその人をそのまま使いたい・・・。
そんな派遣先の思惑を適えるために、3カ月+1日以上、その人を派遣先でアルバイト等で直接雇用し、クーリング期間が終わってから再びその人を派遣労働者に戻す方法を取るという、期間制限違反を逃れるための手法が広く使われている。
これは「違法・脱法行為」だろうと問題にされてきた手法だ。
このクーリング期間については「ラポール・サービス事件【名古屋高裁判平19.11.16】」で違法とされたがその裁判は解雇について争われた。
で、今回の判決では、山本善彦裁判長は「労働者派遣法の根幹を否定する施策」と厳しく批判したうえで「クーリング期間」を違法とし、雇い止めされた元派遣社員を派遣先の正社員と認めた判決は極めて画期的で、さらにその間の未払い賃金などの支払いを命じたってことが画期的なのだ。
派遣労働者と言われながら、派遣法からまったく逸脱した働き方をされている皆さんが、この判決をみて訴訟を起こしたら、すごいことになるでっ!ヘ(^o^)/
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自動車運転者の休憩について

2013-03-12 | 書記長社労士 労務管理
 労働基準法では、休憩について、労働時間の途中に、自由に、一斉に、という3つの原則が定められている。
「労働時間の途中に」というのは、始業後すぐに休憩を与えたり、終業直前に休憩を与えることは、労働時間の途中に与えたことにならないってこと、「自由に」というのは休憩時間は権利として労働から離れることを保障した時間であるため、その休憩時間を自由に利用させなければならないということ(例外あり)、「一斉に」は休憩の効果を上げるためということで休憩は一斉に与えなければならないということ(例外あり)。

 自動車運転者の労働はそのほとんどが事業場外における労働になるので労働時間の把握が容易でないと思われるが、しかし走行キロや運転日報や運行記録計などによって労働時間を算定できるので、労働基準法第38条2にある「労働時間のみなし規定」(労働時間を算定し難いとき)は適用されない。

 「労働」とは一般的に使用者の指揮監督のもとにあることをいい、必ずしも現実に精神又は肉体を活動させていることを要件としない。
一方、就業規則などで定められている休憩時間は労働者が権利として労働から離れ自由に利用することが出来る時間であって、そして使用者から休憩することを義務づけられた時間でもある。
したがって、自動車運転者の場合では、運行記録計などによって車両が停止しているからといってもそれがすなわち「休憩」であるという取り扱いにはならない。

 具体的には以下の例がある。
貨物取り扱いの事業場で荷役作業員が貨物自動車の到着を待機している場合や、荷出し・荷受けのために運転手が待機している状態、自動車運転者が2名乗車によって交代で運転に当たる場合において運転しない者が助手席などで休息・仮眠をしている場合など、これらすでて、労働時間である。
長距離トラックの運転の途中のフェリー利用の場合、その乗船中の時間の自由利用が保障されているようなときは、労働時間として取り扱わなくても差し支えがない。
タクシーで繁華街など短時間で客の需要が見込まれる場所や駅待ちなどで順次車両の位置を乗り場へ移動させる必要のある場合においては、労働時間である。

 先日、厚生労働省への要請の際に、自分は「ハイタクの職場では、客待ちなどの時間を休憩時間とみなして労働時間としてカウントせず、地域法定最低賃金を払わない事業者がある、厳正な対応をお願いしたい」と意見したが、省の担当者からは「もちろん労働時間は原則に従って厳正に見させていただく。そのうえで労働時間であるのにも関わらず最低賃金が支払われていないと言うことになれば是正させる。」との回答を得ている、当然のことではあるけれど。

労働基準法第34条  使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
2  前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
3  使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。



 ところで昨夜は代々木にあるくわちゃん御用達の「焼肉のがんこちゃん」(東京都渋谷区代々木1-42-5 03-3373-7131)に念願叶って行ってきた~。
ホルモン盛合せ、がんこ焼というホルモン・ミノ・トリナンコツの特製味噌焼き、三種類味(みそ・たれ・塩味)のハラミ三昧、ギアラにレバに・・・とたらふく食って、昔のアニメ「ゼロテスター」から就業規則まで多岐にわたってしゃべりまくって、そしてたらふく飲んだくれて~満面の笑みでお別れしたのだ。(ただ、2軒目にくわちゃんお薦めの冷麺のお店に行くつもりだったがお休みだったため、予備知識なしで選んだ中華料理屋さんがちょっと残念だったのが無念)
ハッと目が覚めたら品川駅、「なんで品川駅に戻ってきたのだろう・・・あっそうか桑ちゃんと飲んでて代々木で別れて山手線に乗ったのだ・・・」、ハッと目が覚めたら大磯駅、「なんで今日は俺の駅を飛ばして大磯駅まで来ちゃったのだろう・・・」
上りの電車はもうない・・・タクシーだ・・・やっちゃった・・・(T_T)デモヒトエキダケデスンデヨカッタヨ...
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就業規則の不利益変更について考える

2013-02-21 | 書記長社労士 労務管理
 今日はこれから鎌倉の友人たちと飲み会なんだが、こっちに遊びに来ている次女をそこに連れて行く。
あの濃~い面々に会って娘はどんな反応を示すか楽しみだ、まさか父の人格さえを否定するということはないかとは思うけど。

 で、今日は、こないだ記事にした「建設業では社会保険未加入対策が進められている」の中で、国土交通省に設置された「社会保険未加入対策推進協議会」の会長が芝浦工業大学の教授だと言うことで思い出したネタ。

 「就業規則の変更が合理的であるなら、例え反対する人がいても、会社全体に適用されるのか。」
このことについて以前友人より質問を受け、以下のように説明した。

 「新たな就業規則の作成又は変更によって労働者の既往の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として許されないが、統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該規則条項が合理的なものである限り、個々の労働者が同意しないからといって、その適用を拒むことは許されない。」

 このことについては、現在、労働契約法において条文化されているが、この意味をより理解して貰うために、「芝浦工業大学(定年引下げ)事件」を参照してもらった。

「今件定年年齢の引き下げは、在職継続による賃金支払への事実上の期待への違背、退職金の計算基礎の変更を伴うものであり、実質的な不利益は、賃金という労働者にとって重要な労働条件に関するものであるから、このような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容することができるだけの高度な必要性に基づいた合理的な内容のものである場合にのみ、その効力を生ずるものというべきである。」
「合理性の有無は,就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度,使用者側の変更の必要性の内容・程度,変更後の就業規則の内容自体の相当性,代価措置その他関連する他の労働条件の改善状況,労働組合等との交渉の経緯,他の労働組合または他の従業員の対応,同種事項に関するわが国社会における一般的状況等を総合考慮して判断すべきである。」
「新たな就業規則の作成または変更によって労働者の既得の権利を奪い,労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは原則として許されないが,当該規則条項が合理的なものである限り,個々の労働者において,これに同意しないことを理由として,その適用を拒むことは許されない。」

 で、この判例について自分が一番気になるところは、この友人の質問に関することではなく、次の部分。

「定年制は、将来の雇用の限度を定めたものであるが、それまでの雇用を法的に保証したものではなく、労働契約の性質上、労働者がそれ以前に何らかの理由で解雇される可能性もあり、また、定年制自体が使用者側の雇用方針であるから、その人事政策上の事情等により変更される余地があるものである。」

 そうなのだ。
定年制は、定年年齢までの雇用を保証したものではなく、あくまでも雇用の限度を示した制度に過ぎないのだ。

労働契約法第8条(労働契約の内容の変更) 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。
第9条(就業規則による労働契約の内容の変更) 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。
第10条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。
第11条(就業規則の変更に係る手続) 就業規則の変更の手続に関しては、労働基準法 第89条及び第90条の定めるところによる。
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パソコンのログ記録による労働時間把握

2013-01-11 | 書記長社労士 労務管理

 平成23年度に監督指導により支払われた割増賃金の1企業での最高支払額は「26億8,844万円」!

 全国の労働基準監督署が、平成23年4月から平成24年3月までの1年間に、残業に対する割増賃金が不払になっているとして労働基準法違反で是正指導した事案のうち、1企業で100万円以上の割増賃金が支払われた事案の状況を取りまとめたものをみると、是正企業数は1,312企業(前年度比 74企業の減)、支払われた割増賃金合計額は145億9,957万円(同 22億7,599万円の増)、対象労働者数は11万7,002人(同1,771人の増)、支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり1,113万円、労働者1人当たり 12万円、割増賃金を1,000万円以上支払ったのは117企業で全体の8.9%、その合計額は83億223万円で全体の56.9%、1企業での最高支払額は「26億8,844万円」(建設業)、次いで「9億8,207万円」(金融業)、「7億5,687万円」(小売業)の順・・・。

 全国版の報告にはないのだけど、東京労働局の発表資料には遡及是正額上位6社の事案の概要が明らかにされている。
この6社の内、4社が実際の労働時間を把握する際、パソコンのログ記録によって調査がなされている。

 「パソコンを起動していた時間」と「実際に労働していた」とが一致するような職種であれば、たとえばタイムカードによって時間管理がなされていたり、自己申告に基づいて時間外労働が管理されていたりしていても、またまったく労働時間管理がなされていたとしても、正確な労働時間を調査する場合は、このパソコンのログ記録を参照されてしまうのだ。


 では、このパソコンのログ記録でどうやって、「パソコンを立ち上げた時間」「パソコンをシャットダウンした時間」をチェックするのか。
その方法について、「オフィスT&D Faith経営労務事務所」ブログ2013/1/10のエントリーで紹介されていたので、興味のある方は参照してみてください。
(XPでも7でも、基本的には「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「管理ツール」→「イベントビューアー」、この「イベントビューアー」→「システム」でシステムに関するログの一覧が表示される、この中のイベントID「6005」がOSの起動、「6006」がOSの終了を意味している、フィルターを使ってこの6005・6006だけのデータ抽出も可能だし、左側のシステムを右クリックすることで、データの保存・エクスポート・プリントアウトも可能だ、さらに・・・記録を消すことも可能だ・・・)
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時間外手当を支払わないタクシーの完全歩合制の問題性

2012-11-30 | 書記長社労士 労務管理
 歩合給とは、業績や売上高に応じて給料が支払われる給料形態の一つ、そして完全歩合給とは、給料をもらえる保証がなく、全て業績や売上高によって報酬が支払われる方式で「完全歩合制」、「フルコミッション制」などと呼ばれていて、業務委託契約者やタクシー乗務員、保険の外交員などで見られる賃金体系だ。
タクシー乗務員の場合、業界では「オール歩合賃金」とか「B型賃金」と呼ばれていて、全国的に多くの事業者が採用している。
月給にだけ採用していて別にボーナスや退職金を用意している会社もあるが、「ボーナスも退職金も全部含めて売上×○○%」ってな大雑把な賃金制度の会社もあって、さらに時間外手当や深夜手当や休日出勤手当もぜんぶ引っくるめてこの歩合率に含まれているのだと主張する会社もたくさんあるが・・・。
少し前の新聞記事だが、取り上げるつもりにしていて取り上げ忘れていたことに気付いたのでちょっと書いておく。

 札幌市のタクシー会社「朝日交通」の労組員の運転手6人が、完全歩合制による給料が時給換算すると最低賃金にも満たないとして最低賃金との差額などを会社に求めていた訴訟の判決が9月28日、札幌地裁であった。長谷川恭弘裁判官は、請求額のほぼ全額と、労働基準法違反の使用者を制裁する「付加金」についても未払い賃金と同額を払うよう命じた。判決は、最低賃金との差額などの未払い分が、2008年からの2年間で1人当たり約22~185万円あるとし、原告側の請求額のほぼ全額を認めた。会社側は、全国の大部分のタクシー会社が同様の完全歩合制の賃金体系を採用しており、差額や付加金の支払いは相当ではないと主張した。しかし、長谷川裁判官は「仮に日本全国のタクシー会社が労基法違反の完全歩合制を採用しているのであれば、無理な運転を助長させ、乗客の安全性にもかかわる。むしろ、違法行為を防止する観点からも付加金の支払いを命じることが相当」と述べた。原告と代理人弁護士らは記者会見し「請求額と同額の付加金が命じられるケースは全国でもほぼ例がない。意義深い判決だ」と語った。朝日交通は「判決文をみていないのでコメントできない」としている。

 朝日交通事件【札幌地判平14・9・28】であるが、この会社(朝日交通(株))は、基本給を総営業収入(売上)に対し、基本給を34%、深夜時間手当を4%、超勤時間手当11.8%、臨時労働手当を4.2%に割り振っていたのだが、判決では、「労基法等に従った時間外等の各割増賃金の支払わないものであって、出来高が少なければ最低賃金を下回る場合もあるし…労基法等に違反することは明らかである」として、時間外手当が支払われていないとした。

 また、労使協定には「ハンドル時間(実際に運転している時間)をもって実労働時間とし、15分以上の停車については休憩時間とみなす」という協定があったが、判決では「客待ちのための停車が15分以上となることも十分あり得るものと考えられ、15分以上の停車を休憩時間とみなすことは相当でなく、休憩時間協定があるからといって、15分以上の停車を勤務時間から除外することはできない」として、協定に基づく労働時間のカットを否定した。

 さらに記事にあるように、会社側が主張した「全国の大部分のタクシー会社が同様の完全歩合制の賃金体系を採用しており、差額や付加金の支払いは相当ではない」について判決では「仮に、被告が主張するように、日本全国の大部分のタクシー会社が、被告と同様に労基法等に違反する完全歩合制を採用しているのであるとすれば、タクシーの乗務員に過重な労働を強いたり、出来高を上げるための無理な運転等を助長させることにもつながり、従業員及び乗客のみならず第三者を含む道路交通の安全性にも関わるものであって、むしろ、違法な行為を防止するという観点からしても、付加金の支払を命ずることが相当というべきである」として、賃金同額の付加金の支払を命じた。
この判示部分について、この裁判を支えた北海道タクシー労働者支援弁護団は「時間外手当を支払わない完全歩合制の問題性を鋭く指摘するものであり、画期的な判示であると考えています。」としている。

 この判決の後、同様の裁判があちらこちらで提訴されているのだけど、実はこの判決が初めてのケースというわけではなく、古くは朝日タクシー事件【福岡地判昭45・2・20】や高知県観光事件【最小判平6・6・13】などがあったのだが、このような違法である賃金体系を業界の慣習として当たり前に採用しているタクシー事業者に対してここまで踏み込んで警鐘を鳴らしているという点で、この判決はたいへん重要なのだ。

 今のタクシーの厳しい経営環境の中で、労働基準法と最低賃金法を忠実に守っていたら「会社が潰れる」と主張する経営者も多いのだけど、同じ状況でも法令をきっちりと守って経営している会社も当然にあるわけで、「公正な競争」ということでは、法令を遵守しない事業者には支払うものちゃんと払ってからお引き取り願いたい。

 一方、労働組合の立場で「組合員の雇用を守る」ということを考えた場合、「会社に法律を守らせたら会社が潰れてしまう」と考えるのか、「うちの会社にはちゃんと法令遵守して、悪質事業者が潰れた時には、しっかりと勝ち残るのだ」と考えるのかは、きっと悩ましい問題。
しかし先送りしたり見て見ないふりをしていられる状況では無いってこと、ってのは間違いない。
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41条該当者

2012-11-28 | 書記長社労士 労務管理
 先日聴いたとある経済に関する講演の中で「農業」について触れている部分があった。
エネルギーと環境問題に関するとこで、低炭素社会への戦略として「食糧自給率向上という戦略」として話されていた。
世界人口67億人中10億人が飢餓であるのに日本は世界最大の食料純輸入国である事は愚かなことではないかとして、日本の食糧自給率(カロリーベース)で、1965年73%、1980年51%、2008年41%、2010年39%・・・、日本の一次産業への就業人口比率は、1965年24%、1980年10%、2009年4.2%、2010年4.0%・・・。
したがって食糧自給率の向上を通じて省エネと環境保全(輸送エネルギーの削減)、農地を増やして、農地によるCO2吸収力を増やす努力やバイオ燃料の原料生産、そして「農業生産法人」によるシステムとしての農業など先端的産業技術の注入によって食の再生、などが具体的に提起されていた。
さらには関税と補助金に守られた農業からの脱却、農耕放棄地を利用した多収穫米の栽培による輸入代替の可能性(鶏卵の自給率は重量ベース95%、カロリーベースだと9%、これは餌のトウモロコシが95%輸入のためにこうなる)、山林の拡充とCO2吸収力の向上、などなどに言及されていた。

 この農業生産法人、こないだのディーセントワークに関するフォーラムでは、北海道からは農業法人や酪農法人などの取り組みの報告があったし、自分の知り合いの社労士さんも積極的に農業法人に関わっている人がいてるし、漁業法人のお話を聞いた事もあってそこでは漁業を1次産業から6次産業に育てているという事例があった(6次産業は、農畜産物、水産物の生産だけでなく、食品加工(第2次産業)、流通、販売(第3次産業)にも主体的かつ総合的に関わることによって、加工賃や流通マージンなどの今まで第2次・第3次産業の事業者が得ていた付加価値を、農業者自身が得ることによって農畜産業・水産業を活性化させようというもの、1+2+3で6次、または1×2×3で6次)。
衰退して行ってしまいそうな1次産業の活性化や、経営体の経営の多角化などによって、就労価値を上げ、そしてディーセントワークに結びつけていくのだ。
(この衆議院選挙における民主党のマニフェストにも「農林漁業を6次産業へ転換し、2015年度までに3兆円産業に育成する」とも書いてある)

 しかし先のフォーラムではパネリストの方からは、(特に酪農法人に関して)極端に労働時間が長くそして休みが取れないという「ブラック企業化」しないように、という警鐘がされていた。

労働時間等に関する規定の適用除外(労働基準法第41条)
 労働時間、休憩及び休日、年少者及び妊産婦等で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
1.農業(林業を除く)又は水産・畜産業に掲げる事業に従事する者
2.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
3.監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの


 そうなのだ、労働基準法の第41条には、労働時間の規定が除外される場合が3つ書かれているが、このいわゆる41条該当者には農業と水産業と畜産業が含まれていて、そもそも労働時間という概念が適さない業種なんだと、法律のお墨付きがあるのだ。
言い換えれば、どこからどこまでが労働で、どこからどこまでが労働でないのか、そんな線引きが出来ない仕事であって、仕事の内容の軽重は別としてずーっと仕事に拘束されなければならないという仕事なのだ。
そやね~、生き物を扱う畜産業なんかは、それこそ餌をあげることから始まってなにがあるかわからんから24時間365日ずーっと接していかなくてはならないというのは容易に想像がつくね。
ってなことで「ブラック企業化」しないということには細心の注意を払わないと、ディーセントワークになり得ないというのがその指摘だったのだ。
41条該当者ってのは、最近では「偽装管理職」「名ばかり管理職」のことで注目していたけど、1次産業において新たに注目していかなければならないケースとなり得るという気がした。
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