厚生労働省が発表した「
平成26年度個別労働紛争解決制度施行状況」によると…
総合労働相談(都道府県労働局、各労働基準監督署内、駅近隣の建物など381か所に、あらゆる労働問題に関する相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナーを設置し、専門の相談員が対応する制度)は、前年度と比べ減少したものの、7年連続で100万件を超え、高止まりしている状況。
うち民事上の個別労働紛争相談件数は238,806件と前年度からは減少している。
民事上の個別労働紛争の相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が3年連続トップだが、2位の「解雇」が38,966件、3位の「自己都合退職」が 34,626件となっており、退職として括ると「いじめ・嫌がらせ」よりもトラブルが多いということがうかがえる。
「助言・指導」(民事上の個別労働紛争について、都道府県労働局長が、紛争当事者に対して解決の方向を示すことにより、紛争当事者の自主的な解決を促進する制度)は前年度に比べて553件減少(前年度比5.5%減)し9,471件。
「あっせん」(紛争当事者の間に、弁護士や大学教授など労働問題の専門家である紛争調整委員が入って話し合いを促進することにより、紛争の解決を図る制度)は前年度に比べて702件減少(同12.3%減)し5,010件。
助言・指導は1か月以内に97.3%、あっせんは2か月以内に92.0%を処理、両制度とも迅速な処理が実現している。
助言・指導の申出があったものの中で、年度内に処理したものは9,452件であり、このうち、助言・指導を実施したものは9,104件(96.3%)
紛争当事者の双方があっせんに参加し、あっせんが開催されたものは2,735件(54.2%)、年度内に処理したあっせん5,045件のうち、合意が成立したものは、1,895件(37.6%)。
助言・指導申出内容は、「解雇」「いじめ・嫌がらせ」が減少、「自己都合退職」が増加、あっせん申請内容は、「解雇」が減少、「自己都合退職」が増加、「いじめ・嫌がらせ」は前年度並みとなっている。
厚生労働省は「人事労務管理の個別化や雇用形態の変化等に伴い、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(以下「個別労働紛争」といいます。)が増加している」としており、また労働者もブラック企業の問題など労働問題に関して知識を持つ機会が多くなり、泣き寝入りしなくなったという状況などもあって、個別労働紛争が増加している(もしくは高止まりしている)。
労働組合の組織率が大きく低下しており、若しくは労働組合があっても加入できない就労形態の労働者がたくさんいたり、または個人の成果・能力主義が重視されている変化に対して旧態依然とした労働組合では労働者個人個人の抱えている問題に対処が出来ていなかったり…、個別労働紛争が増加している背景には、こういった側面も無きにしも非ず。
さて、ここで絡んでくるのが、政府が導入を目論んでいる「解雇の金銭解決」制度の件。
この論議の材料となる調査として、「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日閣議決定)において、労働紛争解決手段として活用されている都道府県労働局のあっせん、労働審判の調停・審判及び民事訴訟の和解について、事例の分析・整理を平成26年度中に行う旨が明記されたことを踏まえ、厚生労働省からの依頼を受け、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査が裁判所の協力を得て実施され、その結果が、公表されている。→
労働政策研究報告書 No.174 労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析
調査対象事案は、
都道府県労働局のあっせん事案 2012年度に4労働局で受理した個別労働関係紛争事案853件
労働審判の調停・審判事案 2013年に4地方裁判所で調停または審判で終結した労働審判事案452件
民事訴訟の和解事案 2013年に4地方裁判所で和解で終結した労働関係民事訴訟事案193件
そして、主な事実発見として
1.性別 あっせんは男性53.6%、女性46.4%、労働審判は男性68.6%、女性31.4%、和解は男性77.2%、女性22.8%と、後者ほど男性の比率が高い。
2.雇用形態 あっせんは正社員47.1%、直用非正規38.1%、労働審判は正社員75.7%、直用非正規21.0%、和解は正社員79.8%、直用非正規19.2%と、後者ほど正社員の比率が高い。
3.勤続年数 中央値で見ると、あっせんは1.7年、労働審判は2.5年、和解は4.3年であり、後者ほど長期勤続の労働者が利用している。
4.役職 役職者の比率は、あっせんは4.9%、労働審判は12.4%、和解は22.8%であり、後者ほど役職者の利用が多い。
5.賃金月額 中央値で見ると、あっせんは191,000円、労働審判は264,222円、和解は300,894円であり、後者ほど高給の労働者が利用している。
6.企業規模(従業員数) 労働審判と和解についてはデータが得られないものが多く厳密な分析ではない(小規模企業ほど従業員数を拾いやすいことによるバイアスがある。)が、中央値で見るとあっせんが40人、労働審判が30人、和解が50人である。
7.制度利用にかかる期間 中央値で見ると、あっせん期間(解決事案のみ)は1.4月、労働審判期間は2.1月、訴訟(和解)期間は9.3月であり、訴訟が長期間かかっている。
8.解決に要した期間 事案発生日から解決までの期間を中央値で見ると、あっせんは2.1月、労働審判は5.1月、和解は14.1月であり、後者ほど長期間かかっている。
9.弁護士等の利用 弁護士の利用を見ると、あっせんでは労使双方なしが95.0%(労働者側の利用は0.7%)であるのに対し、労働審判では労使双方ありが88.9%、和解では95.3%と、対照的な状況である。なおあっせんでは社会保険労務士の利用が可能だが、やはり労使双方なしが94.0%である。
10.請求金額 中央値で見ると、あっせんは600,000円、労働審判は2,600,000円、和解は5,286,333円であり、後者ほど高額である。
11.解決内容(以下、あっせんについては合意が成立した事案に限る。) 金銭解決の比率が、あっせんは96.6%、労働審判は96.0%、和解は90.2%であり、いずれも金銭解決が圧倒的大部分を占めている。
12.解決金額 中央値で見ると、あっせんは156,400円、労働審判は1,100,000円、和解は2,301,357円であり、後者ほど高額であるが、いずれも下表に見るように散らばりが大きくなっている。
いろいろなことが透けてくる。
本日は愛媛は松山で会議にて講演だったが、松山空港が霧による視界不良で、自分の乗った飛行機はGo-Around、滑走路が見えたとたんぶお~ぉぉんって上昇していった。
このまま羽田に戻る、または高松空港に降りるってなったらどうしようってドキドキしてたら、機内アナウンスで「羽田まで戻る燃料を残して1時間は待機できるので霧が晴れるのを待つ」とのこと。
けっきょく25分遅れで無事に着陸できた、よかったよ~(*^O^*)
坂の上の雲ミュージアム、今日の会議の会場がここの会議室っ!
すごいとこでやるねんなー。
独演会になる予定、喋りまくるで~(*^O^*)