2月の読書メーター 読んだ本の数:6 読んだページ数:2169 1日に読んだページ:77
吉田松陰の恋 (文春文庫)
読了日:02月04日 著者:古川 薫
野山獄に幽閉されていた吉田松陰にほのかな恋情を寄せる年上の女囚高須久子の目を通して、新しい松陰像を描く表題作、長州藩の犠性となって切腹させられる3家老の三様の死にざまを描く「見事な御最期」、井上聞多暗殺未遂事件にまつわる数奇な物語「刀痕記」ほか「お絹と男たち」「後裔たちの海程」と情感に満ちた維新の青春像を描く歴史小説の好著。 ☆☆★ 表題の長編かと思いきや、幕末の長州藩を舞台にした5編の短編集だった。名もない人たちが、一途に生きた人生を瑞々しく物語れており、史実に違わずリアルに描かれていて、没頭した。
【文庫】 テディーズ・アワー 戦時下海外放送の真実 (文芸社文庫)
読了日:02月09日 著者:テッド・Y・フルモト
無敵を誇った「バンクーバー朝日」は真珠湾攻撃を機に解散。すべての日系人は強制収容所へ送られる。ところがそんな時、元エース・テディ古本は密かに日本に入国しNHK英語アナウンサーとなっていた。軍国主義の嵐が吹き荒れる中でテディがとった驚きの行動とは? テディは日加の懸け橋となり愛する家族やチームメイトを救えるのか? 歴史に埋もれた壮大な物語がふたたび幕を開ける! ☆★★ 映画「バンクーバーの朝日」は自分も鑑賞したが、その後日譚としてもよいのか。このような史実を日本人に知っておかなければならないとは思う。ただ、文章が拙なくて読みにくさせたのが残念。
正体 (光文社文庫 そ 4-1)
読了日:02月20日 著者:染井為人
埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。様々な場所で潜伏生活を送りながら捜査の手を逃れ、必死に逃亡を続ける彼の目的は? その逃避行の日々とは? 映像化で話題沸騰の注目作! ☆☆☆ 映画鑑賞後に原作に手を出したが、映画の出来も良く、しかし原作がさらにいい出来で、600ページほどの長編ながら一気に読んだ!映画の設定や構成とは随所で違っているが、どちらも納得させられるので、違和感もなく。ただし、終わり方は映画がよかったか原作がよかったか、これは意見が分かれるな。
言い触らし団右衛門 (中公文庫 し 6-30)
読了日:02月22日 著者:司馬 遼太郎
おのれの武芸才能を主君に認めてもらうにはPRが一番と、ひたすら売名に専心した塙団右衛門の珍妙な物語をはじめ、戦国末から江戸にかけて活躍した豪傑後藤又兵衛、岩見重太郎ら、乱世を懸命に生きる男たちの豪快な生と死を著者独自の視点から取り上げた面白さ無類の短篇五篇。 ☆☆★ 『言い触らし団右衛門』『おお、大砲』『岩見重太郎の系図』『売ろう物語』『雑賀の舟鉄砲』の計五作品が収録されているが、どれもこれもばかばかしいほど、自己の実現に全存在をかける破滅的で滑稽で。司馬遼太郎の初期のころの作品らしくてとてもよかった。特に自分として面白かったのは『おお、大砲』で、慶長8年(1603年)に徳川家康が征夷大将軍となり江戸(現在の東京)に幕府 を開いてから、慶応4年(1868年)に崩壊するまでの江戸幕府の盤石であった封建社会が、明治維新で一瞬で瓦解した理由の一端が垣間見れた。ここにすべてが集約されているのかも知れない。
二度めの夏、二度と会えない君 (小学館文庫 あ 38-1)
読了日:02月22日 著者:赤城 大空
突如転校してきた森山燐は不治の病を患っていた。俺は彼女と共に、ライブを演り、最高の時間を共に過ごし…そして、俺は燐を失った。俺に残されたのは、取り返しのつかない、たったひとつの後悔―決して伝えてはいけなかった言葉。俺があんなことを言いさえしなければ、きっと燐は最後まで笑顔でいられたのに…。二度めの夏。タイムリープ。俺はもう一度燐と出会う。ひと夏がくれたこの奇跡のなかで、俺は自分に嘘をつこう。彼女の短い一生が、ずっと笑顔でありますように…。 ☆☆★ よくある恋愛タイムリープもので、読み始めは案力だなーつまんねーなっと思っていたが、だんだんとこみ上げてくるものがあって、気が付いたらのめり込みで読んでしまった不思議。
虎狼は空に 上 小説新選組 (角川文庫)
読了日:02月27日 著者:津本 陽
幕末の京都に江戸から上洛した浪士たちは、いかにして暗殺集団へと変貌していったか。市中警護に飽きたらず、厳しい規律のもとに敵対者たちを容赦なく斬り捨てていった血まみれ軍団「新選組」の実像に迫る傑作長編! ☆☆★ これまで読んできた新選組のお話しとは、かなり違っていて、真剣での切合いの描写と政治の部分が重きを置かれているようだ。この小説を読んでから、テレビや映画の殺陣が、まったく遊びとしか見れなくなってしまった。
読書メーター

読了日:02月04日 著者:古川 薫
野山獄に幽閉されていた吉田松陰にほのかな恋情を寄せる年上の女囚高須久子の目を通して、新しい松陰像を描く表題作、長州藩の犠性となって切腹させられる3家老の三様の死にざまを描く「見事な御最期」、井上聞多暗殺未遂事件にまつわる数奇な物語「刀痕記」ほか「お絹と男たち」「後裔たちの海程」と情感に満ちた維新の青春像を描く歴史小説の好著。 ☆☆★ 表題の長編かと思いきや、幕末の長州藩を舞台にした5編の短編集だった。名もない人たちが、一途に生きた人生を瑞々しく物語れており、史実に違わずリアルに描かれていて、没頭した。

読了日:02月09日 著者:テッド・Y・フルモト
無敵を誇った「バンクーバー朝日」は真珠湾攻撃を機に解散。すべての日系人は強制収容所へ送られる。ところがそんな時、元エース・テディ古本は密かに日本に入国しNHK英語アナウンサーとなっていた。軍国主義の嵐が吹き荒れる中でテディがとった驚きの行動とは? テディは日加の懸け橋となり愛する家族やチームメイトを救えるのか? 歴史に埋もれた壮大な物語がふたたび幕を開ける! ☆★★ 映画「バンクーバーの朝日」は自分も鑑賞したが、その後日譚としてもよいのか。このような史実を日本人に知っておかなければならないとは思う。ただ、文章が拙なくて読みにくさせたのが残念。

読了日:02月20日 著者:染井為人
埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。様々な場所で潜伏生活を送りながら捜査の手を逃れ、必死に逃亡を続ける彼の目的は? その逃避行の日々とは? 映像化で話題沸騰の注目作! ☆☆☆ 映画鑑賞後に原作に手を出したが、映画の出来も良く、しかし原作がさらにいい出来で、600ページほどの長編ながら一気に読んだ!映画の設定や構成とは随所で違っているが、どちらも納得させられるので、違和感もなく。ただし、終わり方は映画がよかったか原作がよかったか、これは意見が分かれるな。

読了日:02月22日 著者:司馬 遼太郎
おのれの武芸才能を主君に認めてもらうにはPRが一番と、ひたすら売名に専心した塙団右衛門の珍妙な物語をはじめ、戦国末から江戸にかけて活躍した豪傑後藤又兵衛、岩見重太郎ら、乱世を懸命に生きる男たちの豪快な生と死を著者独自の視点から取り上げた面白さ無類の短篇五篇。 ☆☆★ 『言い触らし団右衛門』『おお、大砲』『岩見重太郎の系図』『売ろう物語』『雑賀の舟鉄砲』の計五作品が収録されているが、どれもこれもばかばかしいほど、自己の実現に全存在をかける破滅的で滑稽で。司馬遼太郎の初期のころの作品らしくてとてもよかった。特に自分として面白かったのは『おお、大砲』で、慶長8年(1603年)に徳川家康が征夷大将軍となり江戸(現在の東京)に幕府 を開いてから、慶応4年(1868年)に崩壊するまでの江戸幕府の盤石であった封建社会が、明治維新で一瞬で瓦解した理由の一端が垣間見れた。ここにすべてが集約されているのかも知れない。

読了日:02月22日 著者:赤城 大空
突如転校してきた森山燐は不治の病を患っていた。俺は彼女と共に、ライブを演り、最高の時間を共に過ごし…そして、俺は燐を失った。俺に残されたのは、取り返しのつかない、たったひとつの後悔―決して伝えてはいけなかった言葉。俺があんなことを言いさえしなければ、きっと燐は最後まで笑顔でいられたのに…。二度めの夏。タイムリープ。俺はもう一度燐と出会う。ひと夏がくれたこの奇跡のなかで、俺は自分に嘘をつこう。彼女の短い一生が、ずっと笑顔でありますように…。 ☆☆★ よくある恋愛タイムリープもので、読み始めは案力だなーつまんねーなっと思っていたが、だんだんとこみ上げてくるものがあって、気が付いたらのめり込みで読んでしまった不思議。

読了日:02月27日 著者:津本 陽
幕末の京都に江戸から上洛した浪士たちは、いかにして暗殺集団へと変貌していったか。市中警護に飽きたらず、厳しい規律のもとに敵対者たちを容赦なく斬り捨てていった血まみれ軍団「新選組」の実像に迫る傑作長編! ☆☆★ これまで読んできた新選組のお話しとは、かなり違っていて、真剣での切合いの描写と政治の部分が重きを置かれているようだ。この小説を読んでから、テレビや映画の殺陣が、まったく遊びとしか見れなくなってしまった。
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