労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

2024年7月に読んだ本

2024-08-19 | 📖いい本読んでます?
7月の読書メーター 読んだ本の数:6 読んだページ数:2220 1日に読んだページ:71

それでも空は青い (角川文庫)それでも空は青い (角川文庫)
読了日:07月02日 著者:荻原 浩
 「うん」「いや」「ああ」しか言わない夫に、ある疑いを抱く妻。7歳年上バツイチの恋人との間にそびえる壁をどうにか飛び越えようと奮闘するバーテンダー。子どもの頃から築きあげてきた協力関係が崩壊の危機を迎える双子。外ではうまく喋れずに、じいちゃんと野球の練習ばかりしている小学生……。すれ違ったりぶつかったり、わずらわしいことも多いけれど、一緒にいたい人がいる。人づきあいに疲れた心に沁みる7つの物語。 ☆☆★ それぞれがバラエティーに富んでで、そしてどの話も、最後の部分でちょっとした救いがある仕掛けがいい。自分的には野球をテーマに描かれた「スピードキング」と「人生はパイナップル」の2編がとくによかった。

三国志〈12の巻〉霹靂の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)三国志〈12の巻〉霹靂の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
読了日:07月08日 著者:北方 謙三
 英雄は去り行く。劉備の遺志を受け継いだ諸葛亮は、疲弊した蜀の国力を一年で回復させた。蜀に残された道を進むべく、孔明は、自ら豪族たちの蔓延る南中の平定を目指す。一方、大軍を率いて呉に大敗した魏帝曹丕は、周囲の反対を押し切り、再び広陵への親征を強行する。だが、度重なる敗戦は彼の身体をも蝕んでいく。魏の侵攻を悉く退け、さらなる飛躍の機を伺う陸遜。孔明の乾坤一擲の北伐策に、その武勇を賭ける趙雲。遺された志に光は射すのか。 ☆☆★ 蜀の2回目の北伐は、馬謖の独断により作戦が失敗。蜀は趙雲が死亡、馬謖が処断されて、残るはほんとうに孔明だけになった。どちらも、英傑死後の国を支える柱でありながら、諸葛亮孔明とは正反対の司馬懿との心理戦が見どころだ。そしていよいよ北方三国志はクライマックスに至る。

6月31日の同窓会 (実業之日本社文庫)6月31日の同窓会 (実業之日本社文庫)
読了日:07月15日 著者:真梨 幸子
 「案内状が届くと死ぬ」。その伝説が現実になったとき――伝統ある女子校・蘭聖学園の卒業生が連続死する。OGの弁護士・松川凛子は、死亡した女たちが、存在しないはずの「6月31日」に開催される同窓会の案内状を受け取っていたことを突き止める。やがて凜子にも案内状が届き――悪意渦巻く“女の友情”と学園の“闇”が深まる中たどりついた真相とは。 ☆★★ 湊かなえに似た構成にしているが、こちらはただ単にあっちに行ったりこっちに行ったりしているだけで、そのややこしい構成が役に立っていない。イヤミス(読後、イヤな気分になるミステリー)といジャンルだとしても、やはり湊かなえにかなり劣る。残念。

格闘する者に○ (新潮文庫)格闘する者に○ (新潮文庫)
読了日:07月19日 著者:三浦 しをん
 これからどうやって生きていこう? マイペースに過ごす女子大生可南子にしのびよる苛酷な就職戦線。漫画大好き→漫画雑誌の編集者になれたら……。いざ、活動を始めてみると思いもよらぬ世間の荒波が次々と襲いかかってくる。連戦連敗、いまだ内定ゼロ。呑気な友人たち、ワケありの家族、年の離れた書道家との恋。格闘する青春の日々を妄想力全開で描く、才気あふれる小説デビュー作。 ☆☆★ この作品が三浦しおんのデビュー作だということを読後に知った。三浦しおんの、なにかクライマックスがあるわけでもないあの緩さは、もうデビュー作から仕上がっていたのか。

殺人の門 (角川文庫)殺人の門 (角川文庫)
読了日:07月21日 著者:東野 圭吾
 あいつを殺したい。奴のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。でも、私には殺すことができない。殺人者になるために、私には一体何が欠けているのだろうか。心の闇に潜む殺人願望を描く、衝撃の問題作! ★★★ だらだらと続く頭の悪いダメ男の話。なんとか最後まで読み切ったが、もやもやだけが残った。

三国志〈13の巻〉極北の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)三国志〈13の巻〉極北の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
読了日:07月29日 著者:北方 謙三
 志を継ぐ者の炎は消えず。曹真を大将軍とする三十万の魏軍の進攻に対し、諸葛亮孔明率いる蜀軍は、迎撃の陣を南鄭に構えた。先鋒を退け、緒戦を制した蜀軍だったが、長雨に両軍撤退を余儀なくされる。蜀の存亡を賭け、魏への侵攻に『漢』の旗を掲げる孔明。長安を死守すべく、魏の運命を背負う司馬懿。そして、時代を生き抜いた馬超、爰京は、戦いの果てに何を見るのか。壮大な叙事詩の幕が厳かに降りる。北方「三国志」堂々の完結。 ☆☆★ 漢王室復興を共に唱えた、劉備・関羽・張飛・趙雲らの志を一人で背負い、ただただ魏に侵攻していく諸葛亮。今は既に天下統一の意志の亡き魏国の中で、飛躍の時を掴むべく諸葛亮の侵攻を阻止する司馬懿。両者は五丈原の地で決戦を迎える。三国時代は、広義では黄巾の乱の勃発(184年)から西晋による中国再統一(280年)までを指し、狭義では後漢滅亡(220年)あるいは三国が分立した229年から蜀漢が滅亡した263年までを指す。215年に曹操(華北地域)、劉備(巴蜀・荊州地域)、孫権(江南地域)によって後の三国のそれぞれの勢力範囲が概ね確立した。220年に曹操の子の曹丕が漢の献帝から禅譲を受けて魏を建国し、221年に劉備が漢(蜀漢)、229年に孫権が呉の皇帝としてそれぞれ即位し、三国が正式に鼎立した。この時代を中心に書かれた北方三国志の最終巻だが、まさかこのように幕を閉じるとはこれっぽっちも想像できなかった。しかし読み終えた自分はちょっと抜け殻になった気分。
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8月8日、タクシー政策議員連盟(辻元清美会長・森屋隆事務局長)は「ライドシェアに関するヒアリングと意見交換会」を開催

2024-08-16 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!
 8月8日、野党系(旧民主党系)のタクシー政策議員連盟(辻元清美会長、立憲民主党参議院議員、私鉄総連準組織内国会議員)は衆議院第一議員会館で、国交省物流・自動車局、内閣府規制改革推進会議事務局、全タク連、私鉄総連ハイタク協議会・全自交労連・交通労連ハイタク部会で組織するハイタクフォーラム、日本労働弁護団、交通の安全と労働を考える市民会議などと「ライドシェアに関するヒアリングと意見交換会」を開いた。


 私鉄総連ハイタク協議会の久松事務局長の司会で開会、議連を代表し辻元会長は「今回のようにライドシェア問題について、事業者、働く人たち、労働者の権利を守る弁護士の皆さん、国交省、内閣府など関係者が一堂に集うことは珍しい」とし、「ハイタク議連には立憲民主党・国民民主党・社会民主党・無所属の議員が大同団結しており、与党の自民党、公明党の議連とも意見交換して取り組んでいる。これは第一に利用者の安心・安全を守る交通政策とはどのようなものなのか、今はタクシーだけに着目されているが、バスや鉄道などの交通モードを総合的にどのようにすれば国民にプラスになるのかトータルで政策を進めていかなければならない」とし、「率直な意見交換に期待したい」などと開会のあいさつをおこなった。


 ヒアリングでは、①国土交通省 小林太郎官房審議官(公共交通、物流・自動車)、重田裕彦旅客課長が、供給力向上に対して日本版ライドシェア・公共ライドシェアに関する国交省の取組と現状について、②木尾修文内閣府規制改革推進室参事官、 河野良明デジタル行財政改革事務局参事官補佐が、規制改革推進室での議論の内容、③全国ハイヤー・タクシー連合会の川野繁副会長と田中亮一郎副会長が、タクシー事業者の取組と問題意識、④ハイタクフォーラム(全自交労連・交通労連ハイタク部会・私鉄総連ハイタク協議会)溝上泰央代表幹事/全自交労連 中央執行委員長が労働組合としての問題意識について、をそれぞれ説明。

 これらの説明を受けて、議連役員と、参加の交運労協、日本労働弁護団、交通の安全と労働を考える市民会議を加えて意見交換を行なった。
議連からは、松原仁副会長(衆)が「タクシードライバーの平均年齢が下がっていると聞くが、労働条件の向上を図りもっと若い人たちが来てくれるようにしていく必要がある。」と指摘。
辻元清美議連会長(参)は「プラットフォーム型のライドシェアを全面解禁した場合の懸念は把握しているのか、その懸念は払拭できるのか、運行管理などをタクシー事業者が担っておこなう日本型ライドシェアがギリギリの線では無いか。立法府としては危なければ踏み込めない。」と糺した上で、辻元会長は「自家用車活用事業の状況」として「事業に参加したドライバーに対するヒアリング内容が公表されているが、稼働が少なすぎる、あるいは時間帯によっては利用が少ないとの意見は裏を返せばタクシーが十分に足りているとの証明ではないか。要するに日本版ライドシェアは必要なかったということにならないか」などと指摘、さらに内閣府に対しては規制改革推進会議内に設置した「ライドシェアに関する準備会合(サブWG)」の構成員について「どのような観点からメンバーを選んだのか根拠を示してほしい」と求めた。
これについて坂本克己全タク連最高顧問も「構成員には情報流出などで国益を害した企業トップも含まれているのは問題だ」などと質した。
内閣府の規制改革推進室・木尾修文参事官らは「構成員は河野(太郎)・デジタル行財政担当大臣と決めたものであり、指摘されたのはLINEヤフー社であることは承知しているが、会長職を務める川邊健太郎氏は専門知識を勘案して決めた。役職は関係ない」などと否定したが、「発表資料には肩書が明記されているではないか」、整合性のない回答となり、参加者からは大きな失笑が漏れた。
辻元会長は「河野大臣に直接問い合わせてもよいが、大臣と相談して、構成員の選任理由を知らせてほしい」と求めた。


 森屋隆事務局長(参議院議員・私鉄総連組織内国会議員)は、内閣府に対し「タクシーの供給が十分になれば、ライドシェアは不要であるという認識か」と糺し、国交省には「タクシー特措法による準特定地域の解除の見通しと運転者の労働条件改善の状況、ドライバーシェア推進協議会の目的・位置付けと公共ライドシェアとの関係」を確認した。
牧山ひろえ幹事(参)は「小泉進次郎議員は神奈川にライドシェアが必要だと主張しているが、三浦の店舗や住民の方は『なぜライドシェアが必要か』と逆に聴かれるような状況。実証実験が行なわれているがほとんど利用されていない。」と指摘。
小宮山泰子幹事長は、「公共ライドシェア、協議会で議論が整わなければ首長が判断できるとあるが、首長に利害関係があった場合、議会も通さずに利害で実施可能では無いか。内閣府は白タクは違法という認識か。現状、実態も掴み切れておらず取り締まりも十分に出来ていないのに白タクを推進しているように見えて仕方ない」と糺した。
伴野豊副会長(衆)は、「交通のデジタル化とタクシーのドライバー確保の問題がごっちゃになっている」と指摘。
城井崇幹事(衆)は、「既存のタクシー事業者とそこで働く人を応援していかなければならない。そのためにまず必要な規制緩和を関係者の意見を聞きながら進めていくことが必要だ」と、発言をいただき、それぞれの関係者から答弁を受けた。


 また日本労働弁護団の木下弁護士は「労弁はそもそも日本版ライドシェアにも反対だ。必要性ありきで議論がされてきたが、必要性の検証がなされていない。道路運送法第78条の3は『公共の福祉を確保するためにやむを得ない場合にのみ例外が認められるべきものだが、通達では緩やかに導入を認めているとしか見えない点が懸念。本来ならタクシードライバーの地位向上で供給力を確保すべきが一義的だ。さらに4月以降、緩和が進んであり、これは労働者が求めているものなのか疑問がある。必要性があるのかの検証を、再度、立ち返って議論すべきだ。またライドシェアが導入されて安心・安全な公共交通を確保できるのか相当性の検証も必要だ。公労使であらためて議論を深めて頂き、本来のタクシーの活性化を進めていくべきだ」と意見した。

 最後に坂本克己全タク連最高顧問から議連に対しての檄を述べ、榛葉賀津也副会長が「利用者とタクシードライバーの安心・安全、タクシーとの共存共栄、事故時の補償など問題点があることは明らか。公の大臣がよくやる『結論ありき」ではなく、国民のためのよりよき制度にすることを念頭に議論をお願いしたい」との挨拶で閉会した。
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雇用保険法・子ども ・ 子育て支援法等の改正

2024-08-01 | 書記長社労士 法改正 労働関係

 2024年5月10日に、「多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットの構築、『人への投資』の強化等のため、雇用保険の対象拡大、教育訓練やリ・スキリング支援の充実、育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保等の措置を講ずる。」という趣旨で成立した雇用保険法など。
【改正の概要】
1 雇用保険の適用拡大【雇用保険法、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律】
○雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用対象を拡大する。
※ これにより雇用保険の被保険者及び受給資格者となる者については、求職者支援制度の支援対象から除外しない。

2 教育訓練やリ・スキリング支援の充実【雇用保険法、特別会計に関する法律】
①自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようにする 。
※ 自己都合で退職した者については、給付制限期間を原則2か月としているが、1か月に短縮する。(通達)
②教育訓練給付金について、訓練効果を高めるためのインセンティブ強化のため、雇用保険から支給される給付率を受講費用の最大70%から80%に引き上げる。
※ 教育訓練受講による賃金増加や資格取得等を要件とした追加給付(10%)を新たに創設する。(省令)
③自発的な能力開発のため、被保険者が在職中に教育訓練のための休暇を取得した場合に、その期間中の生活を支えるため、基本手当に相当する新たな給付金を創設する。

3 育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保【雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律】(施行期日2025年4月1日)
①育児休業給付の国庫負担の引下げの暫定措置を廃止する。
※ 本来は給付費の1/8 だが、暫定措置で1/80とされている。
②育児休業給付の保険料率を引き上げつつ(0.4%⇒0.5%)、保険財政の状況に応じて引き下げ(0.5%⇒0.4%)られるようにする。
※ ①・②により、当面の保険料率は現行の0.4%に据え置きつつ、今後の保険財政の悪化に備えて、実際の料率は保険財政の状況に応じて弾力的に調整 。

4 その他雇用保険制度の見直し 【 雇用保険法 】
○教育訓練支援給付金の給付率の引下げ(基本手当の80%⇒60%)及びその暫定措置の令和8年度末までの継続、介護休業給付に係る国庫負担引下げ等の暫定措置の令和8年度末までの継続、就業促進手当の所要の見直し等を実施する 。

【施行期日】令和7年4月1日。ただし、3①及び4の一部は公布日、2②は令和6年10月1日、2③は令和7年10月1日、1は令和 10年10月1日


 2024年6月5日に、「こども未来戦略(令和5年12月22日閣議決定)の『加速化プラン』に盛り込まれた施策を着実に実行するため、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化、全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き・共育ての推進に資する施策の実施に必要な措置を講じるとともに、こども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるための子ども・子育て支援特別会計を創設し、児童手当等に充てるための子ども・子育て支援金制度を創設する。」という趣旨で成立した子ども・子育て支援法など。
【改正の概要】
3 共働き ・ 共育ての推進 【 ① 雇用保険法等 、 ② 国民年金法 】
①両親ともに育児休業を取得した場合に支給する出生後休業支援給付及び育児期に時短勤務を行った場合に支給する育児時短就業給付を創設する。


育児休業給付の給付率引上げ
【現状・課題】
○育児休業を取得した場合、休業開始から通算180日までは賃金の67%(手取りで8割相当)、180日経過後は50%が支給。
○若者世代が、希望どおり、結婚、妊娠・出産、子育てを選択できるようにしていくため、夫婦ともに働き、育児を行う「共働き・共育て」を推進する必要があり、特に男性の育児休業取得の更なる促進が求められる。
【見直し内容】
○子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付し、育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)へと引き上げることとする。
※配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合などには、配偶者の育児休業の取得を求めずに給付率を引き上げる。
<財源>子ども・子育て支援金を充当 <施行期日>2025(令和7)年4月1日


育児時短就業給付の創設
【現状・課題】
○現状では、育児のための短時間勤務制度を選択し、賃金が低下した労働者に対して給付する制度はない。
○「共働き・共育て」の推進や、子の出生・育児休業後の労働者の育児とキャリア形成の両立支援の観点から、 柔軟な働き方として、時短勤務制度を選択できるようにすることが求められる。
【見直し内容】
○被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時短勤務をしている場合の新たな給付として、育児時短就業給付を創設 。
○給付率については、休業よりも時短勤務を、時短勤務よりも従前の所定労働時間で勤務することを推進する観点から、時短勤務中に支払われた賃金額の10%とする。
<財源>子ども・子育て支援金を充当 <施行期日> 2025(令和7)年4月1日

【施行期日の整理】
〇交付日(2024年5月17日)
・育児休業給付の国庫負担を引き下げる暫定措置の廃止
・介護休業給付の国庫負担を引き下げる暫定措置は引き続き令和8年度末まで延長
〇2024年10月
・教育訓練給付の給付率を引き上げ(最大70%⇒最大80%)
〇2025年4月
・自己都合離職者が教育訓練等を自ら受講した場合の給付制限解除
・自己都合離職者の給付制限を短縮(原則2か月⇒原則1か月)
・育児休業給付に係る保険料率の引き上げ(0.4%⇒0.5%)および財政状況に応じて料率を0.4%に引き下げることができる弾力的な仕組みの導入
・教育訓練支援給付金の給付率を引き下げ(基本手当の80%⇒60%)および令和8年度末まで延長
・就業手当の廃止
・就業促進定着手当の上限を支給残日数の20%に引き下げ
・雇止めの離職者の基本手当の給付日数に係る暫定措置を令和8年度末まで延長
・地域延長給付の暫定措置を令和8年度末まで延長
・出生後休業支援給付の創設
・育児時短就業給付の創設
〇2025年10月
・教育訓練休暇給付金の創設
・教育訓練費用等の融資制度の創設(求職者支援事業)
〇2028年10月
・雇用保険の適用拡大(週所定労働時間20時間以上⇒10時間以上)
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【メモ】育児・介護休業法改正の狙い

2024-07-19 | 書記長社労士 労務管理

〇従来の「仕事と子育ての両立支援」や「ワーク・ライフ・バランスの推進」という政策課題に加えて、さらに「共働き・共育ての推進」を掲げた意図

第1)夫婦間での家事・育児分担が女性に偏っているという課題

第2)こうした男女の役割分担や分担に関する意識の違いは、家庭内だけではなく、社会全体に存在し、当然、企業組織内にも残っているという課題
・男性に向いている仕事、女性に向いている仕事があるといった特性論やアンコンシャス・バイアスに基く、職域や仕事のアサインメントの違い
・「固定的性別役割分業意識」に基づき、仮に社内に共働き夫婦がいた場合、就業継続や活躍・キャリアにおいて、夫の側を優先するのが当然とする意識・風土・
・こうした役割分業意識や特性論を背景として、長時間労働になりやすい一方で評価を受けやすい仕事に男性が多く就き、給与や評価、昇格・昇進における男女差につながっていく状況

第3)こうした家庭と企業組織の課題は、相互に関係していて、どちらか一方だけへのアプローチでは変えることが困難だという課題
・家庭内の分担の女性への偏りによって、両立のために、企業に求める休暇や柔軟な働き方のニーズに男女の大きな差がある
・一方で、企業における男女の役割や処遇が異なること、両立支援制度の利用しやすさが男女で異なることなどが、家庭内の役割分担に影響を与える側面
⇒ 例えば、男性のまとまった休業取得には職場の理解が得られない、男性の方が職場で「重要」「他に代えが効かない」とみられる仕事をしていることによって休業取得しにくい、男性の賃金の方が高いためトータルで家計にプラスになるという判断から妻の方が育児休業を長く取得する選択になりがちな状況、テレワークが子育て社員にのみ認められている企業や女性の方が利用しやすい雰囲気のある企業で女性のみが在宅勤務をするといった状況
⇒ そのことは短期的な働き方だけではなく、女性の長期的なキャリアに影響を及ぼす

〇改正育児介護休業法(2024年5月 31 日公布)の狙い ⇒改正育児介護休業法(基本的に2025年4月1日施行)の内容、前向きな改正ではあるが、企業(特に中小企業)には負担が大きくなるかな…
◆大企業・中小企業間の差の縮小
 ⇒ 大企業では、すでに短時間勤務等の対象を就学前や学童期にまで広げている企業が少なくない
 ⇒ 中小企業では法廷義務の3歳までとする企業が多い
◆制度利用における男女間の差の縮小
 ⇒ 制度を利用する従業員は女性が多く、制度利用も短時間勤務に偏る傾向がみられる
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改正育児介護休業法(基本的に2025年4月1日施行)の内容、前向きな改正ではあるが、企業(特に中小企業)には負担が大きくなるかな…

2024-07-11 | 書記長社労士 法改正 労働関係

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律の概要 (令和6年法律第 42 号、令和6年5月 31 日公布)
【改正の概要】
1 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充 【 育児 ・ 介護休業法 】
①3歳以上の小学校就学前の子を養育する労働者に関し、事業主が職場のニーズを把握した上で、柔軟な働き方を実現するための措置を講じ(※)、労働者が選択して利用できるようにすることを義務付ける。また、当該措置の個別の周知・意向確認を義務付ける。
※始業時刻等の変更、テレワーク、短時間勤務、新たな休暇の付与、その他働きながら子を養育しやすくするための措置のうち事業主が2つを選択
②所定外労働の制限(残業免除)の対象となる労働者の範囲を、小学校就学前の子(現行は3歳になるまでの子)を養育する労働者に拡大する。
③子の看護休暇を子の行事参加等の場合も取得可能とし、対象となる子の範囲を小学校3年生(現行は小学校就学前)まで拡大するとともに、勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止する。
④3歳になるまでの子を養育する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加する。
⑤妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取・配慮を事業主に義務付ける。

2 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化【育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法】
①育児休業の取得状況の公表義務の対象を、常時雇用する労働者数が300人超(現行1000人超)の事業主に拡大する。
②次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定時に、育児休業の取得状況等に係る状況把握 ・数値目標の設定を事業主に義務付ける。
③次世代育成支援対策推進法の有効期限(現行は令和7年3月31日まで)を令和17年3月31日まで、10年間延長する。

3 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等【育児・介護休業法】
①労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た時に、両立支援制度等について個別の周知・意向確認を行うことを事業主に義務付ける。
②労働者等への両立支援制度等に関する早期の情報提供や、雇用環境の整備(労働者への研修等)を事業主に義務付ける。
③介護休暇について、勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止する。
④家族を介護する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加する。 等

【施行期日】
令和7年4月1日(ただし、2③は公布日、1①及び⑤は公布の日から起算して1年6月以内において政令で定める日⇒令和7年10月1日)


①柔軟な働き方を実現するための措置等が事業主の義務になります。
施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日
●3歳以上、小学校就学前の子を養育する労働者に関する柔軟な働き方を実現するための措置
●事業主が選択した措置について、労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

・事業主は、①始業時刻等の変更、②テレワーク等(10日/月)、③保育施設の設置運営等、④新たな休暇の付与(10日/)、⑤短時間勤務制度の中から2以上の制度を選択して措置する必要があります。(※各選択肢の詳細は省令等)
※テレワーク等と新たな休暇は、原則時間単位で取得可とする。詳細は省令。
・労働者は、事業主が講じた措置の中から1つを選択して利用することができます。
・事業主が措置を選択する際、過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があります。
・個別周知・意向確認の方法は、今後、省令により、面談や書面交付等とされる予定です。

②所定外労働の制限(残業免除)の対象が拡大されます。
施行日:令和7年4月1日
改正前:3歳に満たない子を養育する労働者は、請求すれば所定外労働の制限(残業免除)を受けることが可能
⇒ 改正後:小学校就学前の子 を養育する労働者が請求可能に

③育児のためのテレワークの導入が努力義務化されます。
施行日:令和7年4月1日
●3歳に満たない子を養育する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが、事業主に努力義務化されます。

④子の看護休暇が見直されます。
施行日:令和7年4月1日
【名称 】改正前「子の看護休暇」 ⇒ 改正後「子の看護等休暇」
【対象となる子の範囲 】改正前「小学校就学の始期に達するまで」 ⇒ 改正後「小学校3年生修了までに延長」
【取得事由 】改正前「病気・けが、予防接種・健康診断」 ⇒ 改正後「感染症に伴う学級閉鎖等、入園、入学式、卒園式を追加」
【労使協定の締結により除外できる労働者 】改正前「(1)引き続き雇用された期間が6か月未満、(2)週の所定労働日数が2日以下」 ⇒ 改正後「(1) を撤廃し、(2)のみに」


⑤仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主の義務になります。
施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日⇒令和7年10月1日
●妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主に義務づけられます。
・意向聴取の方法は、省令により、面談や書面の交付等とする予定です。
・具体的な配慮の例として、自社の状況に応じて、勤務時間帯・勤務地にかかる配置、業務量の調整、両立支援制度の利用期間等の見直し、労働条件の見直し等を指針で示す予定です。
さらに、配慮に当たって、望ましい対応として、
*子に障害がある場合等で希望するときは、短時間勤務制度や子の看護等休暇等の利用可能期間を延長すること
*ひとり親家庭の場合で希望するときは、子の看護等休暇等の付与日数に配慮すること
等を指針で示す予定です。


⑥育児休業取得状況の公表義務が 300 人超の企業に拡大されます。
施行日:令和7年4月1日
●従業員数300人超の企業に、 育児休業等の取得の状況を公表 することが義務付けられます。(現行では、従業員数 1,000 人超の企業に公表が義務付けられています。)

⑦育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定が義務付けられます。
施行日:令和7年4月1日
従業員数100人超の企業は、一般事業主行動計画策定時に次のことが義務付けられます。 (従業員数 100 人以下の企業は、努力義務の対象です。)
●計画策定時の育児休業取得状況 (※1)や労働時間の状況(※2) 把握等(PDCA サイクルの実施)
●育児休業取得状況(※1)や労働時間の状況(※2)に関する 数値目標の設定
(※1)省令により、男性の育児休業等取得率とする予定です。
(※2)省令により、フルタイム労働者1人当たりの各月ごとの時間外労働及び休日労働の合計時間数等とする予定です。
・一般事業主行動計画の内容を変更しようとする場合も同様に状況把握、数値目標の設定を行う必要があります。
・施行日以降に開始(又は内容変更)する行動計画から義務の対象となります。


⑧介護離職防止のための個別の周知・意向確認、雇用環境整備等の措置が事業主の義務になります。
施行日:令和7年4月1日
●介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
(※面談・書面交付等による。詳細は省令。)
●介護に直面する前の早い段階(40歳等)での両立支援制度等に関する 情報提供
●仕事と介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備
(※研修、相談窓口設置等のいずれかを選択して措置。詳細は省令。)
●要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう事業主に努力義務
●介護休暇について、引き続き雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止
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