三流読書人

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ドングリ小屋住人 

放射能への不安

2012年05月30日 13時42分43秒 | こくみんをなめんなよ

 5月30日付毎日新聞の一面トップに、厚労省検討会は「黒い雨」区域拡大認めず という見出しで以下のような記事が出ている。

  広島への原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」を巡り、厚労省の検討会は29日、体験した住民への身体的影響は認めず、「放射能への不安の軽減は重要」と精神的ケアに限定した意見を盛り込んだ報告書をまとめた。被爆者援護対象区域の拡大につながる新たな降雨地域の認定は困難、と改めて結論付けた。厚労省は今後、援護区域(健康診断特例区域)拡大を求める広島市などの要望を慎重に判断する。(以下略)

  同紙面の「視点」という囲み記事、

  広島、長崎の原爆被害で、低線量被ばくや内部被ばくの実態は、今も解明されていない。
  国が消極的だからだ。今回の検討会でも、国レベルで「黒い雨」被害の実相を解明しようという流れにはならなかった。
 現行の「黒い雨」の援護対象区域は、戦後間もない時期に当時の気象台技師らが使命感から調査した結果に基づき設定された。国が主導的に調査・研究したことはない。
 検討会が始まった10年12月以降、日米共同機関・放射線影響研究所が「黒い雨に遭った」との回答約1万4000人分を保管していたことが判明。更に広島大の研究で、黒い雨の降った北西方向でがん死亡リスクが高いとの解析結果が出た。しかし、検討会は資料や知見をほとんど俎上に載せず、広島市などが出した報告書の検討に終始。今後の調査の必要性も認めなかった。
  原爆症認定を巡っては裁判が長期化し、大勢の被爆者が解決を待たず亡くなった。黒い雨の体験者が高齢化した今、政治的な解決が必要な時ではないのか。【加藤小夜】


  「放射能への不安の軽減は重要」とは何事か。おそらくは福島原発の爆発による放射線被爆に不安を抱く国民の、政府や電力会社に対する不信を意識してのことではないか。国民を愚弄しているとしか言いようがない。