三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

飽食・崩食・放食

2007年02月01日 10時13分57秒 | くらし
 1月31日 『発信箱』 元村有希子氏

「飽食・崩食・放食」
【 週末の朝、新聞を開いて驚いた。27日付朝刊(東京本社版)社会面の広告欄が、食品に関するお詫び広告で埋まっていた。賞味期限切れや異物混入など計8社。「不二家」以降、次々と出てくる事例を眺めていると、今までどれだけの不作為が見過ごされていたのかと不安になる。
 同時に実感するのは、自分の食生活について、自ら判断し行動することの難しさだ。
 架空・過剰演出の健康情報番組に踊らされる社会もその一例だろう。食べるだけで、やせられるわけがないのに、あれだけ多くの人が納豆を求めて右往左往したのである。食べ物が健康に与える影響を過大(過小)評価し信じ込む「フードファディズム」は飽食の社会が抱える一つの病かもしれない。
 「崩食と放食」。NHK放送文化研究所は、昨年実施した「食生活に関する世論調査」を基に、日本人の食生活の変化をこんな言葉で表現している。「崩食」は朝食を抜くなど伝統的な食習慣の崩壊、「放食」は食事の栄養価や献立に無頓着な態度を指す。特に、若者に目立つという。「お腹がすけば、いつでも何でも買える」便利な飽食社会が背景にある。
 報告書(「崩食と放食」NHK出版)で群馬大の高橋久仁子教授は、法律まで作って食育を進める風潮にくぎを刺しつつこう語っている。「私が知らなくてはいけないことは、自分が食べている物は何かということ。毎日の食事を自分の手に取り戻すことです」
 簡単じゃないな、とつぶやきながら、今までどれほど「あなた任せ」だったかに気づかされるのだ。
                                           (環境科学部) 】

 生きるために食べる、ということをもう一度考え直す。

景気がいいって? うそやろ!

2007年01月31日 11時32分25秒 | くらし
『毎日新聞』1月31日付経済欄コラム「経済観測」より
 
【 「逆所得政策」
 景気拡大が2月で6年目に入る。国内総生産(GDP)だけでみれば2%台半ばで、成熟経済としてはまずまずだ。にもかかわらず、いまだに景気がよいとの実感は乏しい。
 大企業が史上最高益を謳歌している一方で、消費は低迷し、賃金も上がらないのだから、それも無理はない。バブル崩壊後の景気低迷からの脱出で設備、雇用、不良債権という三つの過剰の解消が最重要課題だったのだ。リストラの名のもとに、人減らしをし、賃金を抑え込むことを国も推奨した。現状はその帰結だ。
 ここ2年ぐらい非正規雇用がほとんどとはいえ、ようやく雇用者は増えてきた。しかし、賃金は昨年半ば以降低下している。これは労働者にとって非常事態だ。ところが、例年のこととはいえ春闘は今年も盛り上がらない。遅ればせながらベースアップ要求する組合も出てきたが迫力に欠ける。経営側のガードは相変わらず堅い。それどころか、ホワイトカラー・エグゼンプション導入や派遣労働の業種拡大など、一段の賃金コスト切り下げを目指している。
 経済を強くしようというのであれば、方向が逆だ。今大事なのは需要サイドへのてこ入れなのだ。簡単な話、賃金を上げたり正規雇用を増やしたりすることだ。第一次石油危機後、インフレ収束策として所得政策が脚光を浴びた。賃上げ抑制論である。
 デフレで需要不足と、今の経済は当時と逆の状態にある。賃上げを節度ある範囲内で、一定水準以上にする逆所得政策があり得るのかもしれない。経営者が決断すればいいことだ。需要が増えれば供給側も活気づく。いいではないか。
                               (パイン)】

 ワーキング・プア、不安定雇用、ニート、失業者など増える一方。
 庶民、労働者は景気がいいと思ってるだろうか。
 生活に無関係の好景気って何なんだ。
 折しも、就職戦線の時期、今年は超売り手市場とはいうが、新規雇用者の現場はどうか。夢と希望の持てる職場であるか、厳しい競争とノルマとの闘いが待っている。
 
 若者が展望を持てる社会にしなければ。
 少子化対策の第一歩もそこであろう。


まだまだ「あるある」捏造

2007年01月30日 20時13分27秒 | くらし
 
 納豆だけではない。歪曲・捏造・虚偽・改竄。
 連日報道される関テレ「発掘!あるある大辞典」捏造問題。
 レタス 98年10月 「快眠」レタスの快眠作用
 レモン 06年 1月 「食べても太らない方法」レモン果汁の効果で夜食をとっても太らない
 みそ汁 06年 2月 「衝撃!みそ汁でヤセる」
 ワサビ 06年 3月 「ワサビで10才若返る」
 納豆  07年 1月 「食べてヤセる!!!食材Xの新事実」
 
 これらの番組で、実験結果や専門家の意見が歪曲されたり、無視されたり、捏造されたりということが次々と明らかになってきている。
 「納豆」では、企画から放送まで関西テレビの社員が、6、7回のチェックをしたが捏造を見抜けなかったのだそうだ。捏造を見抜けなかったのではなく、このまま流してよいという確認の作業をしたのだろう。
 あほらしいような話ではあるが、それを見た消費者によって、スーパーマーケットの関連商品が売り切れてしまうという現象がおこるのは恐ろしい。

 圧倒的な量で流されるニセ情報、 
 テレビは真実を伝えるか、ということを疑ってみる必要がある。

 北朝鮮の民衆が、真実を知らされず、知る手段を持たず、金正日に盲従する姿を見てわらう。

 情報の渦の中にいながら我々は真実を知り得ているか。


サヨウナラ ペコちゃん

2007年01月17日 09時27分54秒 | くらし
 やはり、近所の不二家のフランチャイズのケーキ屋さんが店を閉めていました。
 不二家がどんなことをやっていたかはもう書きません。ほとほと嫌になります。
 ところでこういう問題が起こったとき、例えば雪印の時もそうでしたが、「ずさんな品質管理」と言われます。
 ずさんとは杜撰と書きます。
 「杜撰=①著作などに誤りが多いこと。でたらめ。いいかげん。②ぞんざい。そまつ。粗雑。(角川国語事典)」
 不二家の犯罪はでたらめ、いいかげん、ぞんざい、そまつ、というような仕事によって引き起こされたものだろうか。長期にわたって、工場長など幹部も知りながらやっていた。コスト削減のためだろう。
 断じて、ずさん、でたらめ、いいかげん、そまつではなく確信犯であり、綿密に計画された犯罪ではないのか。
 人命をぞんざいに扱うことを承知の上で計画的に実施されたのではないか。
 マスコミもその部分の取材をずさんにせず、報道してもらいたい。
  
 不二家のものは食べないようにしましょう。
 森永製品は今も買っていません。
 雪印も買っていません。
 森永ヒ素ミルク事件も雪印低脂肪乳の事件も決して忘れていない。
 消費者をなめたらあかんぞ! 
 

酒を飲む 貝原益軒

2007年01月04日 13時24分12秒 | くらし
 貝原益軒『養生訓』巻第四に、
 「酒は天の美禄なり。少しのめば陽気を助け、血気をやはらげ、食気をめぐらし、愁いを去り、興を発して甚だ人に益あり。多く飲めば、又よく人害すること、酒に過ぎたる物なし。水・火の人をたすけて、又よく人に災いあるが如し。堯夫の詩に、「美酒飲んで微酔せ教て後」といへるは、酒を飲むの妙を得たりと、時珍いへり。少しのみ少し酔へるは、酒の禍なく、酒中の趣を得て楽しみ多し。人の病、酒によって得るもの多し。酒を多く飲んで、飯を多すくなく食う人は、いのち短し。かくのごとく多くのめば、天の美禄を以て、却って身をほろぼす也。かなしむべし。」
 というくだりがある。

 まことにもってよく理解しふる内容なり。小生、長年にわたる多量の飲酒によってついに体を損なふにいたる。医師の説諭厳しく、このまま続けば生命の保障あるべからず、とて、ついに禁酒を決意するにいたる。爾来2ヶ月あまり酒を絶てり。時節はまさに年末年始といへるに、酒なき食事まことにあじきなく、ただただ完全なる回復をまって、再び天の美禄を味わふ日の来たらんことを祈るのみ。


来年は亥年 さて

2006年12月26日 10時40分01秒 | くらし

 

来年は亥年
 亥は猪(イノシシ)である。勢いがよい。猪突猛進(ちょとつもうしん)と言うが小回りが利かぬ。「猛進」することなかれ。(というが、ほんとは俊敏で賢いという…筆者注)
 
☆ 昭和22年(1947年) 
 物情騒然。ゼネストで吉田内閣退陣へは、マッカーサー司令部の介入で突然中止。「二歩交代、一歩前進」の放送。6月、片山哲社会党首班の内閣成立。公職追放、財閥解体、集中排除、体制の分離進む。

☆ 昭和34年(1959年)
 皇太子・
美智子妃ご成婚。新幹線起工式。エネルギー革命で各炭坑閉山。代表格の三池炭坑はドロ沼闘争へ。
 【物故】永井荷風、高浜虚子、北大路魯山人。
 
☆ 昭和46年(1971年)
 ニクソン・ショック。8月15日ドル・金交換停止。IMF体制から変動相場へ。円切り上げ。株式大暴落。キッシンジャー電撃訪中。
 【物故】松永安左エ衛門、徳川無声、志賀直哉、内田百。

☆ 昭和58年(1983年)
 英国選挙で保守党サッチャー女史大勝。左傾化の反動。米国レーガンとならび中曽根政権への影響大。
 【物故】小林秀雄、寺山修司、羽仁五郎。
  

☆ 平成 7年(1995年)
 阪神大震災。オウム真理教事件。村山連立政権動揺の中、野党自民党の総裁公選。三つどもえとなり河野洋平総裁が降り、橋本龍太郎、小泉純一郎の決戦。小泉は惨敗するが屈することなく再起を期す。
 近鉄野茂投手、大リーグ入りを目指しドジャース入り。対メッツ戦で初白星。日本シリーズのヤクルト対オリックスはヤクルト。
 【物故】渡辺美智雄、向井淳吉、ディーン・マーチン、岡田栄次
 
さて次の亥年は?

以上は、『毎日新聞』12月26日付 コラム「経済観測」より