1969/04/09に生まれて

1969年4月9日に生まれた人間の記録簿。例えば・・・・

選挙バカの詩×26『支援の輪』

2013-06-03 21:36:12 | 雑談の記録
 嬉しいコメントやメールが続々返ってきた。特に、東京から応援に駆けつけて来てくれるという松永の君のコメントには大変驚き、そして感動したのだった。また、その日の夕方から事務所に来る友人も増えたのだった。
 
どこの世界にもいろんなタイプ、いろんな性格の人間がいるが、それは同級生においても同様だ。だが、勝山を中心とした仲間達は、どちらかというと積極性や責任感のある個性の強い集団だった。三原がハンドボール部の主将であったこともその理由の一つかもしれないが、応援に来た殆どの男子同級生は体育会系ではなかったかと思う。文化系の美術部に所属していたのは僕ぐらいだが、各言う自分も油絵などを描く一方で空手部に所属していた。

 こういふうに書くと体育会系の礼賛を意図しているように思われるかもしれないが、選挙事務所に足を運んで作業をするとなると、先ず「体力」が求められるのはまぎれもない事実なのである。

 その代表が松田君だったのではないだろうか。松田君は、ボクシング部で身長一八〇cm、現在もトレーニングを欠かすことはなく、サーフィンやマラソンといったハードスポーツを難なくこなすスーパー四三歳の通称「マッチョ」だ。もちろん見た目も申し分ない。ただ、いったん喋りだすと、お下品用語を炸裂させるために時と場合によっては周囲に大変な誤解を与えることが彼の最大の「長所」であるために、選挙事務所などには縁遠いタイプの友人と思っていた。ところが、OB訪問活動の最初の出撃要員に松田君が名乗りを上げてくれたときには本当に嬉しく思ったのだった。

 また、学生時代に起こした「事故」が伝説となっている寡黙な色黒ヒーローの森山君が事務所に来てくれたときも嬉しかった。さらに、カネと感情(勘定)でしか動かないことで有名なオトボケ宅建業の森尾君が事務所に来たときは寝耳に水だった。そのとき僕は居合わせなかったのだが、彼はおそらく作業は一切やっておらず、いつものオトボケトークに終始していたのでないかと思う。しかし、彼はみんなのために缶コーヒー二箱分を差し入れており、またそのコーヒーが松田君が勤務する飲料メーカーであったりするから憎めないのも当然なのだ。

 圧巻は、なんと言っても中本君の登場だった。彼は十二月八日土曜日、朝一番の飛行機で東京からやってきてかと思うと最終便で帰るという、まさに神技電撃的弾丸OB訪問活動をやってのけたのだった。彼は現在ペットオーナー向けの雑誌社の代表を務めるかたわら大手新聞にも何度も取り上げられている新スポーツを主宰をするなど超多忙を極めている御仁なのだが、身につける下着もブランド品をという「気遣い」ようは一〇〇%オッサン化した僕らの良き見本としなければならないのだった。ただ、彼は三〇代のとき大病を患い死の淵から蘇った経験の持主でもあり、人生において何が一番大事かを熟知している元高校球児なのであった。

 このようなイケイケの同級生がいる一方、オドオド喋りが特徴の村木君の存在も貴重だった。保険屋らしく様々な噂話を持ち込むのだが、要領がいまいちで頻繁に勝山の愛のムチの餌食になっていた。

 こうして支援の輪は急速に広がっていった。また、市の東部で豪農とされる稲富君の納屋から前回選挙で使用した資料が発見されたことも、その後の作業を急加速させた大きな要因であった。 埃をかぶった資料を前に勝山が言った
 「・・今ごろ、持ってきやがって・・」
 しかし、そう言った勝山の顔は本当に嬉しそうだった。

 この同級生の支援の広がりが、先輩や後輩諸君からの支援へ発展したのだった。多くの同窓生が事務所のブースに集うようになり、テーブル周辺には差し入れのお菓子や飲み物が絶えることはなかった。特に、平成の卒業生で組織されている後輩諸君の活動は、同級生の発奮材料となり活動全体の相乗効果を生んだのだった。
 
また、三原候補へのメッセージは日を追うごとに増し、その大きいメッセージ用紙は何枚も増え、ブースの壁に貼りきれなくなる勢いだった。
さらに、中部地方で暮らす同級生の後藤さんからとんでもない連絡が入った。支援のお願いを自宅の電話でしたいので資料を送って欲しいとのことだった。勝山は大変な驚きを持ってそのお願いに感謝したのだった。

 事務所に来てくれる同級生や後輩女性の主な活動は、電話による支援依頼だった。事務所の財政状況は逼迫し使用電話機の数は限られていたために、寒い別事務所からの電話作業だった。電話作戦は舌力が必要だ。今回一度この作業を手伝ったのだが、僕など僅か一時間で舌がうまく動かなくなってしまった。
 こうして支援の輪が着実なものとなる中、投票日の一週間前の十二月九日の日曜日の夜に総決起大会が開催されたのだった。

続く、、、
コメント
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