生徒と一緒に、美術の時間に、くりぬき額を作っていまして、無垢の木にニスを塗装したり、オイルステインを塗装したり試してきました。
なんとか漆を塗って、あの黒光りする琥珀色の風合いが出せないものか考えてきました。やっぱり、漆は、かぶれなどを考えると生徒には難しいかな?という結論に至りました。ペンキでは、せっかくの木目を台無しにしてしまうし、天然素材がよいだろうな!とで、エゴマ油とか考えたりしていて、弁柄色の紅殻が、昔から京都の木造建築の塗装として使われていることを思い出しいろいろと検索していました。
mixiのコミュニティのつながりから、「古色の美」というサイトに行き着きました。
「古色の美」のサイトの中に、サンプルをお試しさせていただけるコーナーがありまして、応募させてもらいました。
さっそく、試供品が届きました。
試作中のくりぬき額に、中留の「紅殻」を塗ってみました。
塗ってから、布でふき取りながら仕上げていくので、ムラがありません。
たいへん扱いやすいです。
色合いは、いろいろとサンプルがある中で、スオウを使わせてもらいましたが、藍色とのコントラストも良い感じです。
たいへん気に入りました。
サイトには、こんなふうに説明してありました。
(以下引用)
「ベンガラ」は古来より世界各国で、木材保護や彩色顔料として使われており、そのルーツはインドベンガル地方とされ、日本伝来は弥生時代とも縄文時代とも言われ、神話の中には神武東征により、「ニフツヒメノミコト」が、水銀丹と共に、鉄丹(ベンガラ)を西方より、大和河内(大和葛城王朝)に伝えたとされています。以後日本独自の文化と技法により、近年まで木造建造物を永く保護し、また環境とのバランスを培ってきました。河内地方の民家に用いられてきた調合技術を伝統的に受け継いできた中留の「紅殻」中留の「松脂」は現在に於いても家屋の木質部保護に比類無きパフォーマンスを発揮し、人と環境の調和を保ちます。中留の「紅殻」は近世より、南河内地方に伝わる菜種油、松脂、松煙などとの調合技術を三百有余年の歴史を経て現在に伝えた「伝統的天然着色剤」です。
■誰にでも手軽に塗れ、塗りムラや剥離等が皆無です。
■食用油が主原料の為、嫌な薬品臭が無く、引火性も低く安全に作業出来ます。
■屋外でも優れた耐候性により木材を保護し、ひび割れ剥離等も皆無です。
今回は、中留の「紅殻」を水で溶いて使いましたが、柿渋液で溶いて、ちょっと茶色っぽい風合いにもできるそうです。
天然素材であるが故に、自然にも優しく、生徒にも優しいというコンセプトがたいへん気に入りました。
裏面から、ベニヤ板でふたをします。
留め金を取り付けたら、できあがりです。
ちょうど、ハンカチに型染めで藍染めしたものがありまして、それを入れてみることにしました。
舞鶴の赤れんが倉庫を表しています。
舞鶴湾沖の冠島です。小さいサイズで作ってみました。
フレームが細いものに、この色合いが合う感じがします。
丸みのある、柔らかな感じを出そうと思っています。
生徒も頑張って作っています。
7人の生徒がいまして、透明ニスを塗りたい人が4人、紅殻を塗りたい人が3人でした。
塗ってから、ちょっと拭き取るのが遅く、固まってしまいました。でも、つや消しのような赤も楽しんでいました。