ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

網野善彦 阿部謹也 中世の再発見 

2005年10月30日 | どくしょ。
網野善彦先生と阿部謹也先生の対談集、「対談 中世の再発見 市・贈与・宴会」を読みました。
いや、面白かったです。
網野先生と阿部先生は、それぞれ日本史学と欧州史学で独自の史観を打ち立てたことで知られる、国内最高峰の歴史学者の一人です。
ユニークな歴史観を持つ両先生が、中世における人々のものの考え方や捉え方、風習や文化、価値観などについて、売買や贈与、宴会やもてなし、市、芸能、徳、公といったテーマを軸に、日本史学と欧州史学の立場からその見解をあれこれ比較文化論的なテイストで語ってくれおり、非常に興味深く読めます。独自の史観で知られる二人だけに、ページをめくるごとにへーそんな考え方もあるんだーなんて目鱗の連続、読み終わった頃にはちょっと視野が広がったようなお徳感に包まれます。
さらにありがたいのが、その読み易さです。対談集だけに全部口語で、しかもテーマに沿った重要なことしか言わないのですいすい脳に落ちていきます。網野先生の著作って史学系の読み物としては相当読みやすい部類なんだけど、それでもちょっと文体が学術調で読みこなすのに体力がいったりするのでこの消化のよさは楽チンに嬉しい限りです。
中世という時代に興味のある方はもちろん、ちょいと角度の違うモノの見方をお求めの方にお奨めの良書です。

味スタ La Lupa Capitolina カピトリーノの雌狼像

2005年10月28日 | 絵日記
という訳でMFP調布でのフットサルの帰り、味の素スタジアム前のゲートであるオブジェに目が釘付けに。La Lupa Capitolina!La Lupa Capitolinaはローマを建国した双子の兄弟ロムルスとレムスを育てた伝説の雌狼です。ローマ市のシンボルになっており、市内を歩くと自動販売機よりいっぱいあるぐらいの勢いで像やレリーフがあちこちに飾ってあったりします。
さておきそれがなぜ日本の味スタの前に・・・。FC東京がらみ?でも去年のASローマ戦記念にしては素晴らしく立派な造りだし・・・。
謎に頭を巡らせ胸を痛めながら電車に揺られ帰宅。早速ネットで検索してあっさり謎が氷解しました。
あれは平成13年に東京都・ローマ市友好都市提携5周年を記念してローマ市から贈られた本場モノで、東京都の設備である東京スタジアム(当時)の前に建てられることになったとのことです。
なるほどー。何やら知らないところで色々友好関係があるんだなあと思いつつ、やっぱりインターネットって便利だよなあなんて改めて感じ入った午後のミステリータイムでした!

新千歳空港 郷土料理ユック じゃがいも 

2005年10月26日 | たべもの。
という訳で恒例の札幌出張です。でまた恒例のように帰りに新千歳空港の郷土料理ユックに入店。脂の乗った新鮮な鮭といくらたっぷりの丼とのPOPに魅かれ石狩定食を注文。
で、うーん、やっぱり旨いっす。何が旨いって今回もまたこの付け合せのじゃがバタ。イクラやサーモンももちろん本場ってことで十分美味しいですが、このじゃがバタの旨さはなんていうのか別格感のオーラが漂います。
やっぱり札幌はじゃがいもなんだなあって改めて認識した飛行機待ちタイムでした!

宮部みゆき 誰か ----Somebody

2005年10月24日 | どくしょ。
宮部みゆき先生の「誰か ----Somebody」を読みました。
自分の手を汚したことのないナルシストなお金持ちほど迷惑なものはないなあと思いました。
電車男でお金持ちの男が、自分がいかに清らかで素晴らしく実は人知れず苦労(それを苦労と呼んでは世界がもし100人の村のうち99.999(以下略)人にボコ殴りにされそうな)しながらそれでも綺麗で美しいか、ほらほら?僕って偉いでしょ?を主張することに紙面の80%を費やしながら、10%ほどで誰も明かされることを望まない人のプライバシーを暇にあかせて執拗に暴き、残りの10%で自分達以外の人々をなんて毒々しく下卑て醜いんだろうなんてくどくどとおキレイな視点で貶め続ける、なんとも感想を述べるのがつらいぐらいのアレな物語です。
宮部みゆき先生どうしちゃったんだろう・・。
あの奇跡のような活き活きとした筆致で、キラキラ煌くように魅力的なキャラクター達を描き続けてきた先生はどこへ行ってしまったのかしら・・・。あの頃眩しいぐらいに輝いていた宮部みゆき先生の復活を、泣きたいぐらいに切なく願ったりした悲しすぎる読書タイムでした・・・。

おしぼり 天国 ゴルフ練習場

2005年10月22日 | 絵日記
えーと、おしぼりが好きです。
特に熱いやつで顔をごしごしやる至福感は、世界的に見ても究極の癒しセンシズの一つだと思います。
しかし世間ではこのヒーリング行為に対してなぜだかオヤジっぽいとの評価が与えられており、若造り志向のおいらとしては飲食店などではぐっとこらえつつ、家に帰ってから電子レンジでチンしたおしぼりで鬱憤を晴らすという代償行為に甘んじ続けてきたんですよ。
ところがふらりとゴルフ練習場に行って信じられない光景を目撃しました。なんと熱いおしぼりが自由に取り放題になっており、年配の男性はもちろんのこと、若者や若い女性にいたるまでがみんな当たり前のように顔をごしごしやってるではないですか。うう・・・泣きたいくらいに憧れた(長渕剛:とんぼ)理想のユートピアがこんな身近にあったとは・・。
思う存分蒸しおしぼりのホコホコ感を味わいつつ、たまには孔球もいいかもなあなんて悦楽アフタヌーンでした。

おつり 語源

2005年10月20日 | うんちく。
今日はへーと思ったことがあったのでご報告です。
買い物するとおつりってありますよね。あれって、貰い過ぎた価値分を返すことで渡したモノとの「釣り合い」をとることから「お釣」って呼ぶんですって。へー。物物交換時代の等価交換概念の名残だなんて説もあるそうです。
なにやら深いっぽいなあなんてトリビアナイトでした!

ゆで卵の至福 おでん 玉子

2005年10月18日 | 絵日記
えーと、何が好きってゆで卵が好きです。
とろっとろの半熟卵も大好きですが、ほこっほこの固ゆで卵も捨て難いところ。ちょちょいと塩を振ってがぶりとかぶりついた瞬間にほんわり口の中に広がるシアワセ感はにっちもさっちもおいらの語彙力では表現不能な桃源郷の領域です。
そして何と言ってもおでんのツユの染みた玉子の美味しさは、世界に誇れる素晴らしすぎる食文化だと思います。しかもその旨さ故に喧嘩にならないようにとの配慮か、おでんの玉子って真ん中あたりに箸で圧力を加えるとすっと真っ二つに割れて綺麗に分けられるんですよね。ノーベル平和賞が在命中のホモサピエンスにしか与えられないのが悔しいぐらいの心憎い心意気です。
その上安価で滋養豊富。なんてゆうか、偉いよなあなんて冷蔵庫を開けるたびに卵コーナーに頭が下がりマス。

スーパーのお刺身を美味しく食べる方法

2005年10月16日 | たべもの。
という訳で半年間お魚料理教室
に通ったおいらですが、教えてくれた内容が高度すぎて(めんどくさすぎて)、なかなか実生活の中で実践する機会がありません。だって売ってる切り身は鱗も腸もとってあるし、バッテラも鯛めしもあんな手間かけなくても店で食べれるし・・。そんな中、一つだけ重宝してる技術があります。湯引きです。
スーパーのお刺身ってあるじゃないですか。あれって閉店間際に値引きシールが貼られてるようなヤツだと、ちょっと生臭いですよね。ところがこれをですね、まな板において熱湯を上からビューってかけて氷水につけるとあら不思議、生臭さがとれてめっさ美味しくなります。細かく切ってあるやつでやると煮魚になってしまうので、なるべく柵で買うのが吉です(その方がグラム単価安いし)。
夜のスーパーで半額シールに目を奪われてしまった時なんかにお奨めの一手間です。


TOMY トミー エアロアールシー

2005年10月14日 | 絵日記
という訳でささきことロボット相撲大会出場についてあれこれ議論する中、なぜだかエアロアールシーで勝負することに。エアロアールシーはTOMY社が出している定価1050円の格安ラジコンカーで、非常にできがいいとの評判です。
ビックカメラへ行くと750円の値札。子供の頃欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて、でも高価すぎてとても手が届かなくてそっと声を殺し枕を濡らした憧れのRCカーが、なんと目の前で焼肉定食みたいな値段で売りに出ています。嬉しさと切なさを胸に交錯させつつうひょひょひょーなんてマツダRX-8を購入。家に帰って100円ショップで買ったニッパー片手にいそいそと組み立て始めました。
うーむ。意外と組み立ては細かくて高度な感じ。電子部品を除き、ギアボックスやステアリングケースも部品から組んで行きます。そのため説明書と首っ引きになりながらかなり集中しないと組み立てられませんが、その代わり車体の構造が一から理解でき頭に叩き込まれます。
一時間ほどで完成。うーむ。まず外観から定価1050円とは思えないディテールの効いたいい造りです。さすがトミー、トミカ35年の歴史で培ったミニカー造成のノウハウは伊達ではありません。
で、いよいよ走行。ドキドキしながらコントローラーの走行キーを押し込みます。うわっ速っ!予想を遥かに超える凄い勢いですっ飛んでいきます。これは室内用のおもちゃというより、スポーツレース仕様のキットだなあ。
ん?方向キーを押してもイマイチ曲がらない?そんなトラブル時も心配無用。構造が原理込みで頭に入っているので全く焦りません。車体を空けすぐにステアリングシューの問題だということが分かり、速攻対応できました。で、曲がるようになったマシンに対しむくむくと湧きあがる愛着。わくわくと高まる改造欲求。これは楽しいなあ。
それにしてもこの素晴らしい出来で定価1050円とはもの凄い企業努力です。トミー恐るべし。感動しました。
ともあれささきことの対決に向け準備は万端な工作ナイトでした!
トミー エアロアールシー
全国ロボット相撲大会

ロレンゾ・カルカテラ ストリート・ボーイズ

2005年10月12日 | どくしょ。
ロレンゾ・カルカテラ先生の「ストリート・ボーイズ」を読みました。
面白かったです・・・ていうか、泣きました。
第二次大戦降伏後のイタリア。荒廃し蹂躙され退去命令の出たナポリを守るために武器を取り立ち上がった200名の戦争孤児たち。迫るは徹底破壊命令を受けたドイツ機甲師団。子供達はナチス精鋭部隊に打ち勝ち、自分たちの街を開放することができるか。・・・というそれだけで景色が揺れ滲みそうなプロット。
それ以上のあらすじは何を書いてもネタバレになりそうなので割愛しますが、この作品の秀逸な点は、何よりその人物描写です。平時であれば穏やかに幸せに暮らせたであろう善良な子供たち。その視点は大人にも敵であるナチス軍にも注がれ、その「普通の」人間性が描かれます。それが故に、戦争がなければ気持ちを交わし友達になれたかも知れない人間同士が血みどろになりながら殺戮しあわなければならない切なさと、仲間のために身を呈し笑顔で死んでゆく子供達の悲壮な勇気に胸が締め付けられ涙腺が大解放状態です。
火炎瓶や手榴弾にクレイモアやRPG-7並の破壊力が与えられちゃってる設定が気になってしょうがないようなマニアの方はともあれ、そんなことより物語の本質を読むことのできる特にファーストガンダム世代の方にお奨めの作品です。