ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

宮部みゆき 誰か ----Somebody

2005年10月24日 | どくしょ。
宮部みゆき先生の「誰か ----Somebody」を読みました。
自分の手を汚したことのないナルシストなお金持ちほど迷惑なものはないなあと思いました。
電車男でお金持ちの男が、自分がいかに清らかで素晴らしく実は人知れず苦労(それを苦労と呼んでは世界がもし100人の村のうち99.999(以下略)人にボコ殴りにされそうな)しながらそれでも綺麗で美しいか、ほらほら?僕って偉いでしょ?を主張することに紙面の80%を費やしながら、10%ほどで誰も明かされることを望まない人のプライバシーを暇にあかせて執拗に暴き、残りの10%で自分達以外の人々をなんて毒々しく下卑て醜いんだろうなんてくどくどとおキレイな視点で貶め続ける、なんとも感想を述べるのがつらいぐらいのアレな物語です。
宮部みゆき先生どうしちゃったんだろう・・。
あの奇跡のような活き活きとした筆致で、キラキラ煌くように魅力的なキャラクター達を描き続けてきた先生はどこへ行ってしまったのかしら・・・。あの頃眩しいぐらいに輝いていた宮部みゆき先生の復活を、泣きたいぐらいに切なく願ったりした悲しすぎる読書タイムでした・・・。