Holoholo

ほとんど食日記、時々旅行記&犬日記です。

懐石 はし本(日本橋)

2013-06-12 16:05:22 | 食 (一般)
久々のヒットだったので、記憶が薄れないうちに記録を…

レストランを検索していてたまたま見つけたお店です
元々吉兆に23年間いた方が独立なさったとのこと
今年の3月にオープンしたばかりとか…
しかも料金もミニ懐石が4200円と手ごろ
この金額は昼も夜も変わらず、4200円の次は8400円、もう1つコースあるらしいけど

友達が飲むので、とりあえずミニ懐石に…
白木のカウンターの真ん中、ご主人の真ん前に陣取ります(笑)
席と席もくっつきすぎず、離れすぎず、良い感じです

まずはゴマ豆腐
しかも、季節柄水無月のゴマ豆腐。中の小豆は皮が裂けてしまわないように、ひたひたのお水で豆が踊らないようにして何時間もかけて炊くんだそうです
つるん、とろん、そして小豆の皮も固すぎず柔らかすぎず、本当に丁度良い感じ。おいしー!の一言。あっという間でした。

次が椀物。なんと鱚のしんじょです。鱚自体がふわっとした触感のお魚なので、それ以上にふわっとしたしんじょに仕上げるのにかなりご苦労されたとか。かなり研究されてやっと出来上がった一品とのことです。本当にこんなふわふわなシンジョ、はじめて。一緒にいた友達がメレンゲよりふわふわ?!といってたけど、そういっても過言じゃないくらいです。お出汁もおいしく、わかめは三陸の生わかめ。歯ごたえも味もよくでていて、緑の小さいのはゆずの子供らしく、すっごく良い香りがしていました。

次の料理が出てくる前にと、サービスでラッキョウの酢漬けと山葵菜の粕漬け。
ラッキョウはちょっと苦手なので、私は山葵菜をつまみました。あまり酒粕の中にツンときて、これ、日本酒でしょー!って感じ。

つぎはお造り。ホタテと、天然タイと、シマアジ。皮と身の境目が一番おいしいからタイの皮目をわざと残してさばいてあります。

さて、ここで、このままじゃ足りない…もっと食べたい!と思った私たち。
わがままいって、8400円のコースに変更してもらいました。というわけで、普通のコースとは違う品揃えかと思います。

会話の中でちょっとめでたいことの話をしたら、ご主人が気を利かせて下さって、一口お赤飯をご用意してくれました
その心遣いにまた感激



さて、お造りの追加分…イカです。フランスのお塩(結晶の一番上の部分)と一緒に頂きます。これがまたイカの甘さを引き立てる。けど、お塩がなくても十分イカは甘くて、むしろこのお塩は日本酒のつまみに、イカはイカだけでもいいんじゃないかなと思ったのでした…(笑)

そして、多分コースだとこれが前菜としてでていたであろうプレート。これがまた日本酒に合うものばかりが載ってく来ているのです。
エビにジャガイモの千切りを衣にして揚げたもの(ポテトがサクサクフライドポテトでおいしい)、ほやの塩辛、フォワグラとポルトーの寒天寄せ(?といえばよいのかな?見た目は煮こごり)、イカのフライ(この衣もうるち米をつぶして一度炒ったものを使っているので霰ような香ばしさ)等々…どれも日本酒飲みたーい!となるものばかり。一緒にいた友人もビールから日本酒になった途端、ピッチがあがるあがる(笑)

焼き物はマス。これもひと手間で、皮のところに1~1.5cm間隔で包丁が入ってて、身を少しずつほぐして食べるときに皮がべろーーーんとなって食べにくい、ということがない。皮までおいしく一口大で身と一緒に頂けるのです。すごい心遣い。たっぷり散らされた木の芽で初夏を感じます。それに器もきれい。もう亡くなった作家さんのものとかで、アクセサリーや時計にも要注意ですね。

煮物。これがまた出汁がすごーーーくしみててすごくおいしい。そして隠し包丁もすごく細かくて、そのおかげで出汁がよーくしみてるんだろうなと思います。この一品に限らず、こちらではすべての調理になるべくお砂糖やみりんを使わず、お酒と出汁で素材本来が持つ甘さを出しているんだそうです。(聞いているとお水の代わりにお酒でまず炊いて、という工程が多い)かといって甘みが足りないわけじゃない。私は母が徳島出身でかなり甘口の味付けで育ってきたんだけど、本当にここのは出汁と素材の味が生きているって感じで、良い塩梅なのです。お砂糖の使用量が少ないせいか、食べても食べても満腹で苦しい!とならないのです。血糖値が上がりにくいのかな?
実際お客さまには、ここのお料理を頂いても翌日胃もたれしない、とよく言われるとか。実際私もそうでした。満腹だけど、心地の良い満腹感。苦しいー!っていうのじゃない。そして翌日もすっきりでした。

ここでご飯がでてくるまでの酒飲みタイムにサービスでまたお漬物を出して頂きました。左側のは新潟のお米の仕入れ先のおばあちゃまのお手製らしく、ウリの中にいろいろお野菜が詰まっているのですが、シソの香りがよく、何かほんのり甘みも感じて、とてもおいしかったです。右側のは行者にんにくとなんだったか忘れた。おいしいんだけど、ニンニク臭で迷惑をかけそうな感じ…だけど酒に合う!というお味でした。

そして、締めのご飯。蓮根ごはんと鯛茶漬けから選べます。我々は蓮根と鯛茶漬けをそれぞれ頼んでシェアすることにしました。
ちなみに蓮根は旬が2回あって、今の時期と秋なんだそうで。秋はほくほく感を楽しみ、今の時期はしゃきしゃき感を楽しむのだそうです。
そしてこの蓮根ごはんがおいしい!これまたほんのり甘くて、もち米がもちもちで、炭水化物制限ダイエットなんて冗談じゃない!というお味です。

鯛茶漬けもゴマダレたっぷり。さっぱりというよりはこってり。でも重くない。どちらも食後にぴったり。


続いて水菓子。フルーツの白ワインゼリー寄せ。これでお口の中もさっぱり。

そして最後はお茶菓子。こちらもご主人のお手製。

そして締めの抹茶。この抹茶はいくつかのお茶を3種類ブレンドして、色、香り、味の納得いったものを使われているとのことです。このお茶を使っているのは、こちらと神戸の三木さんというお店だけだそうです(ご主人のお友達?のお店のようです)

それから、都内では数店舗でしか出していないという貴重なお酒もありました。すごくフルーティーで、でも軽やかで、柔らかい感じのお酒です。初めて聞く名前でした。


ざっと書きましたがここに書いた数倍の情報をご主人が解説して下さいます
見て楽しんで、味わって楽しんで、知識を得て楽しんで、そして会話を楽しむ、そんなお店です
久々の大ヒットでした。ということでまた来週行ってきます(笑)


因みにご主人はこんな方(^ ^)