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Colors of life 感想

2005-04-27 | ピロウズ
カラーズオブライフを見ました。……ヤバイ、思ってたよりもちゃんと面白かった。さわおが面白いネタ映画だと思っててすみません。いやもちろんさわおも期待以上に笑わせてくれたのですが。「お仕置きが必要だな」にはもう声あげて爆笑させてもらいました。何だそれ。

いや増子さん。増子さんかっこいいよイカスよ。ものすごい二枚目って訳じゃないし、映画の中では結構ダメ人間なんだけどすごいかっこよかったよ。演技も上手かった。増子さんを主役にしたのは英断ですね。B級の匂い漂う作品だけど、増子さんの存在感と芝居でかなり底上げしてる。

というかさー、テーマが卑怯だよ。このストーリーを、今ロックを聞いてる大人が否定できるわけないよ。会社をやめて、そのスーツのままバイクに乗って旅に出ちゃう会社員をどれだけの人間があこがれるか。増子さん(映画の中では工藤)は、飲んだくれて喧嘩して会社の上司に叱られるダメ人間だけど、そのダメさに共感してしまう人間はかなり多いと思う。かく言う私もかなり来た。私が以前勤めてた会社は、社員の数も多くてけっこうでかくて非常にシステマチックで、ましてやそれが19~20あたりの血気盛んな頃だったんですよ。どーしても肌に合わなくて、会社形態が苦手で、結局3ヶ月くらいでやめたのですが、その頃を思い出しましたね。もちろん会社なので、パンプス履いて制服着て仕事していました。似合わないパンプスとタイトスカートがイヤで仕方なかったです。工藤が会社で革靴脱いで、ライダーブーツに履き替えるシーンがあったのですが、それを見て、辞めると上司に報告した帰り、もうパンプスを脱いでいいんだ、この靴を脱げばどこまでだって行けるんだと思ったときの気持ちを思い出しました。

ツッコミどころはたくさんあるけど、ストーリー的に全然期待してなかったのもあって、思いのほかいい映画でした。訴求対象は狭いけど、ロック好きなダメな大人は楽しめるんじゃないかな。

ちゃんと会社行ってる人は立派です。働かないより働いてる人が偉いのは当然です。でも自分の人生最後に評価するのは自分。ダメでくだらなくても、立派で真面目でも、最後に「面白かった」と言える人間は、価値のある人生を送って来れたんだと胸を張っていい。いつでも自分の人生を好きでいたいです。それさえ出来れば生きることはほんとに楽しいです。

さて! 本題の(本題かよ)山中さわおの役者ぶりですが、もーたまりませんでしたね。こんなに笑ったのはドリフのDVD見たとき以来かも。上記の「お仕置きが必要だな」にもやられましたが、終盤、工藤と対峙したときの台詞回しの粘っこさはなんなんだ。面白いなーさわお。大体さわおの役は「辰巳組次期幹部」なんですよ! 知性派ヤクザだそうですよ奥さん! 舎弟にえらそうな口利いてケンカも強くて煙草ふかしてますよー!!! ベンツ傷つけられても平気な顔してた若頭プライベーツ延原に比べ、半年後も同じスーツ着ている意外と貧乏な幹部ですよ! もうすごい面白かった。カーチェイスの場面でデッドストックパラダイスがかかったときには、ベンツからさわおが出てきてハコ乗りとかしてくれるんじゃないかと期待した。演技は、際立ってヘタクソって訳じゃないけど、増子さんと比べるとやっぱり不自然なのは否めないなー。けど、さわおが悪役ってのはなかなかいいチョイスだったと思う。舎弟に比べ、ほんとに愛嬌もドジな面も見せない、徹底したヤクザだったからなー。ちょっと嬉しかったです。かっこいい配役で。

ライブハウスオーナーのトモフスキーや、工藤のバンド仲間ウエノコウジもよかったですね。元KUSUKUSUの次郎くんが会社の同僚で出てたのにはびっくり。懐かしいなー。

あと、昨日「Que十周年記念映画」とか書いてしまいましたが、正確には九周年記念の映画なのですね。Queって毎年こんな企画やってるの? 楽しそうだなあ。