nakacli.blog

千里の道も一歩から

Hibワクチン

2008年11月19日 | Hibワクチン

Hibワクチンについて,電話での問い合わせがだいぶ増えてきています.
いろいろなところでHibワクチンの記事が出ているので,皆さんすでに知っていることかもしれませんが,これまでに分かっている事をまとめてみたいと思います.

Hibとは
 ヘモフィルス属インフルエンザb型菌のことを略してHib(ヒブ)と呼びます。
Hibは、人の鼻やのどに何もせずにいることも
ありますが、髄膜炎や敗血症・急性喉頭蓋炎などの深刻な病気を引き起し,特に細菌性髄膜炎の約5割がHibによるものと考えられています.  
Hibワクチンの使用が認められていない
日本では、年間600人ものお子さんがHibによる髄膜炎にかかっていると推定されています(毎年、5歳未満の人口10万人当たり少なくとも8.6~8.9人がHib感染による細菌性髄膜炎に罹患).
通常5歳以下の乳幼児がかかりますが,その約半数は生後6ヶ月から1歳までのお子さんで、かかると5%のお子さんが亡くなり、25%前後のお子さんに聴覚障害やてんかん,発達の遅れなどの後遺症が残ります。

Hibワクチンとは
 諸外国では、10年以上も前からHibに対するワクチンを定期接種として接種し、Hibによる深刻な病気は100分の1程度に激減しました。WHO(世界保健機関)でも乳児への定期接種を推奨する声明を出し,日本でも小児科学会から2005年6月、厚生労働省に対して要望書を提出し早期承認を求めていました。

そのHibワクチン(アクトヒブ)が,平成20年12月19日に発売が決定しました。

どんな人が接種すべきなの?
 Hibワクチンは生後2ヶ月以上5歳未満の方に接種でき,基本的には全員が対象となります.接種開始年齢は2ヶ月から7ヶ月未満。
5歳以上の方はHibによる重い病気(Hib髄膜炎、喉頭炎、敗血症など)にかかりにくいので、Hibワクチンを接種しなくても良いとされています。
但し,脾臓のない人、免疫不全状態の人、鎌状赤血球症の人などは、1回の接種をお勧めします。

接種方法や予約の手順は?
 Hibワクチンは3種類混合ワクチン(DTP)と同じスケジュールで計4回接種します。(同時接種ができます) 接種開始が1歳以上5歳未満の場合は1回の接種のみです。
しかし、発売当初はワクチンの供給量に比べ、接種希望者が全国的に非常に多いと予想されており,発売当初はどの医療機関でもワクチンの入手困難が予想されています。

以下の手順でワクチンの予約します.
① 当クリニックへHibワクチンの希望をお電話にて連絡して頂きます.(12月1日からです)
② 当クリニックより販売元の第一三共株式会社「アクトヒブ連絡センター」に,Hibワクチンの接種希望者数をFAXで連絡します。
③ 第一三共株式会社「アクトヒブ連絡センター」が全国から寄せられたワクチン入手希望状況を分析し、ひと月に提供できるワクチンの本数を決定し、各医療機関に通知します.
④ 当クリニックに割り当てられたワクチンの本数に応じて,こちらから折り返し接種できる日程のお電話をする事になります.
割り当て本数が少ない場合には,希望に添えない場合があります.

当面は「任意接種」となることから、4回接種で3万円程度かかると予想されていますが,まだ発売されていないため正式な価格は未定です.

早く公費負担の定期接種になってほしいものです
以上のことから,今のところ接種すべきかどうかは,インフルエンザワクチンなどと同じ任意接種と同じ考え方で良いかと思います.


最新の画像もっと見る