今シーズン(2017-2018)の経鼻インフルエンザ生ワクチン「フルミスト」の接種は、当院では行わない方針です。
昨シーズンから米国疾病予防管理センター(CDC)が、フルミストは皮下注射のワクチンより効果劣るためインフルエンザの予防接種として推奨しない、と発表していました。
しかし、カナダ、イギリス、フィンランドなど同じフルミストを使用している国では有効性がある、というデータがあったことから、昨年度はフルミストを例年通りに輸入して接種を行いました。
今のところ米国CDCでは昨年同様「2017-2018シーズンもフルミストは効果が劣ることから使用を推奨しない」と今年も発表されています。
アメリカのデータがすべてではありませんがこの発表の影響は大きかったようで、昨シーズンは輸入したワクチンの半分も予約が入らず、半分以上のワクチンを破棄するという事態になりました
また例年、輸入ワクチンであるため入荷時期が10月下旬~11月下旬と不確定であることも影響しています。
フルミストの最大のメリットは「痛くない」こと
そのため注射嫌いのお子さん達のためにと、毎年遠方から当クリニックまでフルミスト接種のためだけに来院される方が多くいらっしゃいます。
今年は皮下注射ワクチンだけのインフルエンザ予防接種となる予定で本当に心苦しいですが、フルミストの有効性がハッキリとしない現状で継続することはやはり無責任であると判断しました。
「しっかりとしたエビデンスに基づいた医療を提供する」をモットーにしておりますので、これから新たなデータが出てくるのかを見守りたいと思います。
あとは国内生産の経鼻インフルエンザワクチンが早く使用可能となり予防接種の選択肢が増えることを願っています