3月に入りインフルエンザの流行はだいぶ落ち着いてきていますが、流行株が徐々にB型にシフトしてきている感じです。
インフルエンザの合併症には、主に小児で生死にかかわる重症な脳症があります。
国立感染症研究所による感染症発生動向調査をもとに集計された今シーズンのインフルエンザ脳症は、2017年第5週(1月)までの累計が58例で死亡例も6例とのこと(日経メディカルより)
インフルエンザ脳症の年齢分布では10歳未満が33例(57%)と最も多く、10歳代:11例(19%)、50歳代:4例、70歳代:3例、60歳代・80歳代:2例ずつ、30歳代・40歳代・90歳代:1例ずつと、各年齢層で認められていますが低年齢層で目立っています
厚労省による昨シーズン(2015/2016)のインフルエンザ脳症の累計報告は223例、うち死亡12~14例?と、昨シーズンは一昨年よりも約2倍のインフルエンザ脳症の報告があったシーズンです。
昨シーズンは10歳未満が70.0%とかなり目立っており、特に5歳未満は39.9%と過去3シーズンで最多だったと報告されています。(ちなみに昨年のインフルエンザ脳症の原因はA型が63.7%)
今シーズンは現時点では昨シーズンよりインフルエンザ脳症の累積報告は少なくなっていますが、死亡割合が10.3%と昨年の6.3%より高いのが気になります。
やはり季節の流行り風邪と言えども、現在においてもインフルエンザは侮れません
以前からインフルエンザの予防接種は、罹らないためというよりも脳症や肺炎など重症化を予防するために接種しましょう、と説明しています。
しかし、インフルエンザの予防接種がどの程度脳症などの重症化を防げるのか、最新の知見を知りたいと思っていますが残念ながらなかなか新しい情報が見当たりません
今年のインフルエンザシーズンは終盤ですがB型でも脳症が起こり得ますので、インフルエンザに罹ってしまった人は他へ感染を広めないようしっかりと決められた日数を休みましょう!