毎年11月~2月は嘔吐、下痢を訴える感染性胃腸炎が流行します。
クリニックでも11月に入ってから、小児、成人ともに胃腸症状の患者さんがかなり増えてきています。
感染性胃腸炎の代表的な原因ウイルスと言えば、「ノロウイルス」ですね。
同級生の野呂(ノロ)という名前のDrが、毎年ノロが悪者扱いでなんとなく嫌だぁ~と言っていたのをこの時期になるといつも思い出します
今年は新型ノロウイルスが大流行の兆しと報道されています
ノロウイルスには大きく分けて5つの遺伝子型があり、Gにローマ数字のⅠ~Ⅴを付けてGⅠ~GⅤと名づけられ、さらに遺伝子型で細かく分類されています。
これまで流行していたのはGⅡ4型という型が中心でしたが、今年は昨年川崎市で発見されたGⅡ17型という新たな型が全国的に増えてきているようです。
この新型が増えて感染が拡大しても、対症療法のみなので基本的には毎年のノロウイルス対策と変わりません。
ノロウイルスはわずか10~100個のウイルスが口に入っても感染してしまい、下痢や嘔吐物の処理中に空中に浮遊したものを吸い込んでも感染してしまう程感染力が強いウイルスです。
予防は手洗いが基本ですが、石鹸と流水で手洗いをしアルコール消毒してもノロウイルスを完全に死滅することは出来ないと言われています。
しかし出来る限り頻回に手洗いを行うことで、ある程度の予防効果は期待できるようなので、新型ノロウイルスの大流行に備えてこの冬は手が荒れるかもしれませんが、いつも以上にしっかりと手洗いしましょう
11月は気温が高めと言われていましたが、クリニックでも11月なのに夏カゼの代表的な疾患である手足口病がまだ多かったことから、今年は冬の感染症の到来が遅いことを実感しました