現在、定期接種となっている4種混合ワクチン(百日咳、破傷風、ジフテリア、不活化ポリオ)には、テトラビック(微研)、クアトロバック(化血研)と2種類が使用されていましたが、7月新たにスクエアキッズ(北里第一三共)が国内製造販売承認されました。
これまでのものと何が違うの?
不活化ポリオの株が違います
ポリオワクチンは、「弱毒株:セービン Sabin」、「強毒株:ソーク Solk 」という二つの株が存在します。
世界中のポリオワクチンは「ソーク株」が使用されていて、それをフランスから輸入してきた単独の不活化ワクチン(イモバックス)は当然「ソーク株」が使用されていました。
しかし、現在使用中のテトラビック、クアトロバックは3種混合ワクチンに、生ポリオワクチンに用いられていた弱毒化ポリオウイルス「セービン株」を不活化した国産の不活化ポリオワクチンを使用しています。
新しいスクエアキッズは、3種混合ワクチンに強毒性ポリオワクチン「ソーク株」を使用した不活化ポリオワクチン(単独で使用中の不活化ポリオワクチン:イモバックス)が入った国内初の4種混合ワクチンということになります。
同じ抗原量を用いた場合、免疫効果が国産の弱毒株「セービン株」は強毒株「ソーク株」より弱いとも言われています。また、2012年に実用化されたばかりの国産セービン株の不活化ポリオは、まだ長期間の実績がなく免疫効果がどのくらいまで持続するのか不明瞭な点もあります。
これらのことから新たなスクエアキッズは世界基準に近づいた4種混合ワクチンとも言えます
追加接種も含め4種混合ワクチンは計4回接種するため、途中から株の違うワクチンへ変更してもいいのかなど、今後の定期接種でどのように使い分けていくのか現在のところまだ詳細は分かりません。メーカーからの今後の情報を待ちたいと思います。
しかしソークとセービン、どっちがどっち?って紛らわしいですね
第一三共株式会社 http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006155.html