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千里の道も一歩から

手洗いでしっかり予防!

2017年06月18日 | 医療情報

昨日の休日当番医では、嘔吐、下痢を伴う夏場のウイルス性胃腸炎と思われるお子さん達の受診が目立った印象でした。

また夏カゼの代表疾患である手足口病も徐々に増えてきているので、これらの予防にはしっかりと手洗いが必要です

手洗いの際、「水の温度で殺菌効果に差があるか」、という米国での研究報告がありました

「食品を扱う施設での手洗いは38℃の水を使うよう推奨する」との米国食品医薬品局(FDA)のガイドラインがあり、それが本当にエビデンスに基づいたものか、というのがこの研究の発想になっているようです。

方法は、ボランティア20人の手を高濃度の無害な細菌で汚染させた後、石鹸を使用して15℃、25℃、38℃の流水で手洗いしてもらうというもの

結果は、水温による殺菌効果には差がなく、十分な時間(10秒以上)をかけて石鹸で手洗いすることの方が著明に細菌を除去できた、と報告されています。

ちなみに石鹸の使用量は結果に影響しなかったようです。

細菌を殺すためにヤケドしそうな熱いお湯を使う必要はなく、水温よりも十分な時間をかけて手洗いする方が重要だとのこと

節水をと思ってチョロチョロと手を流水で濡らす程度の手洗いではダメということ

もちろんウイルス感染予防も同様なので、石鹸で泡立てて洗った手は10秒以上かけて流水(冷水でOK)でしっかりと洗い流しましょう