「ひと枝頂戴って、何人にも分けてあげたけれどもね、今まで一人も根付いたって言ってきた人はいないのよ。」近くに住んでいたおこうおばさんの話である。あれは何年前の話だろう。「そうかと言って、これだけ大きな株なのに、ひこばえの一本も生えないのよ。」雨上がりの日曜の朝、つややかな花群の鮮やかさに見とれていた時の話である。よほど羨ましそうな顔をしていたのだろう。あわてて恐縮してみたものの、“すまないねー”と言う顔はもうすっかり出来上がっていた。
キリシマツツジ
カキドオシ、雨が降り出し不満顔
シロツメそっとまわりをうかがう
スミレサイシン
オニノゲシ
画像保存。